ジカ熱対策のための国家的取組のためのポイント

 イギリスの科学雑誌「ランセット」にブラジルでのジカ熱や小頭症への対策についての記事が先月23日、ジカ熱対策で中心的な役割を果たしているブラジル・オズワルド・クルス財団によって掲載されました。オズワルド・クルス財団は日本の製薬メーカー・エーザイ株式会社と熱帯病の治療薬の共同開発も行っています。

 記事では、ジカ熱対策のための国家的取組のためのポイントを6つ挙げています。

1、ジカ熱研究によって明らかになった成果を分かり易く開示する。

2、迅速且つ信頼性の高い血清学的検査の実施

ジカ熱判定に必要なRNAウイルスは、血流に侵入し全身へ広がるが、血流中に存在する(ウイルス血症)非常に短い期間中に検出するため。

3、ウイルスが媒介する蚊の除去対策の徹底。その他の感染拡大防止策の模索。(例えば、ボルバキア菌を保持する蚊にデング熱患者が刺されてもウイルスが蚊の体内で増殖しないので、他の人を刺してもデング熱を感染させないことがわかっているが、同じような対応の可能性を探るなど)

4、特に妊婦などの急性患者への対応のマニュアル化。

5、早期のワクチン開発

6、感染症拡大を防ぐためのあらたな戦略的な衛生管理システムの再構築。特に国境を越えて感染が拡大する現代に対応するため、早期のきめ細やかな国際協力体制を整備する。

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