(妄想的経営会議)ゆる学徒カフェの経営について考える

ゆる学徒カフェの決算報告イベントアーカイブを購入した(¥1500)

無料部分(Youtubeにも後日公開)には、6月の売上(6/1~6/30)についての話があり、有料部分(アーカイブ動画を買ったor現地イベントに参加した人しか視聴できないもの)には、さらにそこから諸経費についての話があった。

経営の基本を、ものすごく単純化すると
「利益=売上ー経費」となる。
今回は、自分なりにゆる学徒カフェの経営を考えてみたい

ちなみに、私自身のことを少し説明しておくと
・ゆる言語学ラジオのリスナー(いわゆる用例)
・同 サポーターコミュニティのメンバー
・ゆる学徒カフェに行った経験あり(6月11日、売上8000円に貢献)
・noteのアーカイブ動画は3つほど購入(4500円)
・仕事で日商40-90万円規模の店舗の店長経験あり(約3年)
・FP3級に先日合格(しょぼ…)
・簿記3級……は70点で合格のところ60点台で惜しくも不合格…(しょぼ…)
という感じの人間である。
参考にはならないと思う。が、個人の妄想の範囲なのでご容赦いただきたい。

なお、有料アーカイブの部分の情報をこちらには記載できないので、
売上以外の経費関係・利益関係は非公開にして考える。
堀元さんに訴訟されるわけにはいかないので

【売上編】
・店舗売上(レジ決算):2,962,350円
・イベント売上:694,000円
・note売上:262,000円
合計:3,918,350円

<私的コメント>
・初月ブーストはあれども、とても良い滑り出しではないだろうか
・Twitterを見る限りでは、イベントも概ね成功(参加者満足度ではなく、経済合理性的な意味で)しているのではないだろうか
・noteの売上には、個人的には伸びしろを感じる(アーカイブ動画の単価1500円で購入者数は約175件のようである)


【23年6月:ゆる学徒カフェイベントまとめ】
※ゆる学徒カフェイベントカレンダー調べ
・6/1:オープンパーティ
・6/3・4:言語沼サイン会
・6/7:開店1週間記念 ゆる学徒カフェ公開収録
・6/8:かたりや心理学ナイト
・6/13:ゆる学徒ハウス別館 ゆる学徒リベンジ①
・6/14:浦下拓巳チェロ演奏会
・6/16:開店2週間記念、ゆる学徒カフェ公開収録
・6/17:哲学&生態学公開収録(※よしのぶ氏欠席→代理黒川店長)
・6/18:音楽学&民俗学公開収録
・6/21:浦下拓巳 チェロ演奏会
・6/25:ゆる言語学ラジオ公開収録
・6/27:TRPGライブ配信(スタジオ)
・6/29:ゆる学徒ラジオ編集スタッフ飲み会
・6/30:カッシーニは感激 限界修論トーーク!

<私的コメント>
・イベント多すぎwwwwさすが非日常クリエイターがオーナーのお店なだけありますよね。今後にも期待したい
・店舗の開業以前にイベントに関われそうな人が多くいる(いた)ということがこの店舗の特徴・強みなのでしょうね
・ゆる◯◯学ラジオの公開収録は、コンスタントに集客になるし、ゆる学徒ハウス別館の方々が持ち込みで企画する可能性もまだまだ伸びしろがありそう。


【売上から最終的に利益がどのように計算されるのか】

クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」から引用
https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/45760/

見よ。…ってだけだと不親切なので少しだけ解説すると、
・売上があり
・そこから売上原価を引く(=粗利益、売上総利益)
・粗利益から販管費を引く(=営業利益)
・営業利益から営業外費用を引き、営業外収益を足す(=経常利益)
・経常利益から特別損益を引き、特別利益を足す(=税引前純利益)
・税引前純利益から、法人税を引く(=純利益)
となります。見たまんまやんけ。

ということなので、必要な経営改善の対策としては
・売上を伸ばす
・売上原価を抑制する(=原価率が改善/粗利が増える)
・販管費を抑制する(=営業利益が増える)
という3点が主な対策になるのだろうと思います。
※営業外の利益と費用、特別利益と特別損益は、通常の経営対策の範囲外になる(と思う)ので省略

【対策1つ目:売上を増やす】
・そういえば…Youtubeアカウントの広告収入はまだ計算・計上されていないように思う。ゆる学徒カフェのアカウントはすでにチャンネル登録者数2.81万人、累計の視聴回数は285万回以上の再生(※7月24日現在)なので、動画が再生されるたびに広告収入という小銭が生じているのではないだろうか。
・加えて「ゆる学徒カフェ・オープンマイク」というチャンネルも登場していて、すでにチャンネル登録者数は2000人近い。まだ始まったばかりなので、今後の伸びしろになりそう。
・店舗の売上を増やす原則は「客数を増やす」もしくは「客単価を上げる」が基本的な方向性。短期的なことだけでなく中長期的な持続性を考えるのならば「リピーターが多いこと/増えること」が必要。
・客数が増えるためには、広報活動の強化。加えて回転率が上がること(※回転率については後述する)
・客単価を上げるためにはセット割引などで「お得感」がある商品群を作る
・リピーターを増やすために「スタンプカード」など、繰り返し来店したくなるサービスを開発する(※すでにその仕組みはあるけれど、あまり知られていないのでは?)
・イベント売上を増やすためには、引き続き毎月何かしらのイベントを実施すること。ネタ切れにならないかと、都度、企画を考える労力が生じるので今後は「省エネなイベント」をちょいちょい行うと良いのでは。ゲスト出演をするイベントでは費用も生じるので堀元オーナーや黒川店長ほか「人件費の生じないスタッフ」によるイベントが増えると良いのでは?笑
・note売上を増やすためには、イベントの数が増えれば良い…のでしょうが、個人的には1500円という価格設定がややハードルが高い気がしている。
・売上をブーストさせるためには、定期的に新商品をリリースすることなども一定の効果がありそう。ただ、食材管理などのコストが地味に増えるので、運営上の無理がないようバランス感覚が必要そうです

【対策2つ目:売上原価を抑制する】
・まだオープンしてから、黒川店長が苦労している部分である。品質と仕入コストのバランスがまだ安定していない様子。どこで買うのが一番コスパが良いのかの研究が必要だと思います。
・食品の廃棄は出ているのだろうか?コスパの良い原料の仕入ができたとしても廃棄になっては意味がない。無駄なく・漏れなく食材を使い切れるような仕入サイクルの見極めが必要。発注ロットとリードタイムの問題や、店舗の冷蔵庫/冷凍庫のキャパなどの関係もあり、なかなか小難しい話ではあります。
・今、食材ごとの賞味期限や、発注リードタイム、発注ロット、送料などの間接費用がどうなっているのだろう…?品切れは提供できるメニューが減ってしまう=機会損失につながるので、極力少なくする必要がありますが、お店は生き物なので機械的なルールで仕入は難しいものです。ええ。
・店舗の敷地以外で、食材を長期的に保管できる場所があると良いのですが(場所代がかからず、輸送が簡単な立地で…)。そうすると大きいロットで食材の仕入をすることができ、結果的に原価率を抑えることができそう。
・利益率を上げるためには「非食品のもの、特に属人的な価値があるもの」の商品が一役買いそうな気がします。カフェの内装工事で出てきた端材をサイン付きで1000円で販売するなど「一般市場におけるモノとしての価値はゼロだが、ゆる◯◯学ラジオファンとしては価値を感じるもの」が、安定的に売上に出てくると利益率は良くなるでしょう。冗談半分でネタにできる範囲にしておかないと微妙な気がしますが。
・地下アイドルがチェキで小銭を稼いでいるように、ゆる◯◯学ラジオの人とチェキを撮るのが◯◯円…いやこれ風営法的に微妙なのか、、、、?あとあまりにもファンビジネスの香りがするので、矜持として商品化しなさそうです(※もし商品化すると、短期的には売上に貢献するでしょうが長期的には客離れしそうな気がします、諸刃の剣ってやつです)。

【対策3つ目:販管費を抑制する】
・水道光熱費を抑える:涙ぐましい努力ですが…ムダがあれば抑制する程度の努力と工夫で良いのでは。あとは電気業者を変えると地味に節約になる可能性はありそう、だがすでに対策済みかも。
・人件費を抑える:スタッフの時給を下げる、無理なシフト体制で運営する…など、エグいことはいくらでも思いつきますが、店舗運営に関わるスタッフが離職してしまうのは店舗の基礎力を低下させるのでオススメしないです。ええ。スタッフに負担が生じない範囲でムダがある場合には、シフト体制の見直しもあり得るかな、とは思います。まぁでもまだ分からないですよね。
・おそらく店舗の体制としては「黒川店長:月給者」「アルバイト:時給者」なので、黒川店長のシフトを増やすと必然的に…(闇)
・消耗品費は、食材と同様に一番コスパが良いものを研究する必要がありそうです。
・店舗の備品は、おおむね6月で主要なものは買い揃えられた?のではないかと思います。今後、店舗のネットワーク関係機材、音響関係、照明関係、収録設備その他…に対してどの程度、投資をする予定なのかにもよりますが。
・物件の賃料は、変えられない固定費なのでそのまま。

【その他の対策:思いつく範囲で】
・営業カレンダーの見直し:定休日を作るなど。曜日別の売上で一番売上が低い曜日を思い切って定休日にしてしまうのもありか。通常営業はお休みだが、イベントをする場合は営業をする、等。
・営業時間の見直し:現在は以下のようになっている
 夜にイベントがある日 - 11:30〜17:30
 夜にイベントがない日 - 11:30〜23:00
 まだ、具体的に変更をする検討は難しいかもしれないですが、開店/閉店の時間を早くor遅くすると売上がどのように変化するか?というのは検討の余地はありそう。ただ、風営法的に閉店の時間はあまり遅く出来ないという条件がある。営業時間が短くなれば、必然、人件費を抑えることができる反面、売上も減るという両輪。逆も然り。
・ただ、1時間あたりの売上単価をどこでOKとするか?というのは、なかなか小難しい。私自身来店したことがあるのでわかりますが、オーダーを受けて商品を提供し、最終的な会計(=レジで売上が動く瞬間)は、お帰りの際なので、営業時間の長さと売上の相関関係ではなさそう。私が利用した際には閉店のタイミングまで残って喋っていた人が、ざっくり8人くらい?いたので、スタッフの方のアナウンスを受けて、一気にレジに並び、会計を済ませていた。お店のコンセプトとして利用者は、長時間おしゃべりをする傾向にあるので、利用者一人あたりの回転率を過度に高くしていくのは、ゆとりがない店舗の雰囲気になるのであまり良いことではないだろう。

【長期的な経営の見通し:何年営業で”ペイ”できるか??】
利益が出ても、それは単月単月の話。初期投資の費用回収(=ペイするか?)は考慮されていない。
これはすでに公開されている話なので記載しても良いと思うが、参考数値としては店舗の内装費用に1500万円がまず投じられている。
さらに、確かゆる学徒カフェの物件は23年1月(もしくは2月)ころから借りているので、その間の賃料も回収しなくてはならない。敷金・礼金・保証金なども発生しているだろう。仮に500万円だとすると、営業をする以前に生じている費用が2000万円になる。
さらに仮定の話を重ねるが、毎月の利益が100万円ずつ計上できたとして、20ヶ月(=1年8ヶ月)は最低で必要。その間に年度の切り替わりを迎えるので、利益の約30~40%は株式会社の法人税として徴収されてしまう(節税ハックがどの程度あるのかは分からないが)。
なんやかんや、まるごと2年くらいは毎月100万円程度の利益を出さなくてはこの事業は失敗してしまう、という結論になる。…先の長い話である。
確か、ゆる言語学ラジオがYouTubeにアップロードされはじめたのは2021年の2~3月頃、そしてゆる学徒カフェのオープンが2023年6月なので約2年3ヶ月。それとざっくり同じくらいの期間を経ないと(そしてその間利益を安定して出し続けないと)初期投資分が回収できない計算になる。

私は1年以上、ゆる言語学ラジオをはじめとする一連の動画コンテンツなどを追いかけているが、経営的に軌道に乗る(=すくなくともゆる学徒カフェの初期投資分が回収できるようになる)までは、引き続き自分なりの推し活をし続けていきたいと思いました。

(そしてゆくゆくは名古屋に、ゆる学徒カフェ第2号店を…笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?