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カジュアル面談の"質"を数倍引き上げる「Personal Book」とは

入社後にメンバーと「●●の趣味が好きなんですね!」「実は、出身地が同じだったんですね!」という会話をした経験はありませんか?ほとんどの方が「イエス」と回答するのではと思います。

私も、上記が一般的だと思っていたのですが、ある問いを考えました。それが以下です。

「趣味や出身地などのパーソナルな情報は入社”後”ではなく、入社”前”に知った方が良いのではないか?」

なぜなら、多くの求職者様が転職先を決める際、色々な転職軸があるものの、最終的には、メンバー(社員)とマッチするか、相性が良いかどうかが決め手になる可能性が高いからです。

Wantedlyの入社エントリー等、社員のキャリアや転職理由を表すものは既に存在していますが、メンバーとマッチするか、相性が良いかどうかを判断するには、お互いのパーソナルな部分を知る必要があります。ただ、パーソナルな部分を求職者様からいきなり話していただくのはハードルが高い...

では、どうすればいいのか...?

そんな課題意識から生まれたのが「Personal Book」です。それでは本題に入っていきましょう。

1. Personal Bookとは

Personal Bookを一言で言うと、「社員のパーソナル(性格/趣味/嗜好)な情報を集約したBook」です。Personal Bookはただの自己紹介資料ではなく、採用コンテンツの1つとして考えています。そのため、選考期間中のタイミングで求職者様に届けることが重要です。当社では、カジュアル面談や面接の前に、求職者様向けに展開するものと定義しています。(Personal Bookの詳細は大項目4でご覧ください。)

まとめると以下になります。

Personal Bookとは
社員のパーソナル(性格/趣味/嗜好)な情報を集約したBook

いつ使用するのか
カジュアル面談や面接の前に、求職者様向けに展開するもの

2. Personal Bookが生まれた背景

Personal Bookが生まれた背景は、一言で言うと、メンバーを表現する採用コンテンツに文量が多く、真面目系な社員インタビュー(入社エントリー)しかなかったからです。世の中的には、2016年、2017年辺りから採用広報が流行り、2020年辺りから似たような採用広報が蔓延している状態でした。

社員インタビューはその人のキャリアや転職理由を理解できるものです。もちろん、その情報を伝えるだけでも、求職者様にとっては間違いなくプラスになるので、今でも絶対にあった方が良いです。ただ、インタビュー内容がカジュアル面談や面接時に、話題になることはそんなに多くないと思います。

そこでどういうコンテンツがあれば、求職者様のカジュアル面談における心理的安全性を保つことができるのかを考えました。カジュアル面談は求職者様と企業の初回接点です。人は初めて会う人のことをまず知ろうとし、共通点を見つけようとします。なぜなら、共通点がある人に共感や親近感を抱き、心理的安全性が担保されるからです。では、その「共通点」はどこから生まれるのか?を考えてみました。みなさんも、ぜひ考えてみてください。私が考えたのは以下です。

- 出身地
- 高校/大学
- 学部
- 部活
- 趣味
- 仕事への価値観
- その他(偶発的なもの)

私は埼玉県出身、高校時代までサッカー部でしたが、求職者様で埼玉県出身の方がいれば親近感が湧きますし、高校までサッカーをしていた方にも、親近感が湧きます。埼玉県出身×高校までサッカー部の方であれば、さらに親近感が湧きます。

話を戻して、上記の項目が全て社員インタビューで表現されているかというとそうではありません。(そもそも、目的が異なるので入れる必要はないと考えています。)そこで、上記のようなパーソナルな項目をまとめて生まれたのがPersonal Bookです。

Personal Bookが完成したことで、採用コンテンツを横軸(真面目/ラフ)、縦軸(文量多い/少ない)で4象限に分けられるのではと思い、分けてみました。それが以下の図になります。

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右上から時計周りで記載します。

文量多い/真面目  :採用広報記事(入社エントリー/社員インタビュー等)
文章少ない/真面目 :採用ピッチ資料内の社員紹介
文章多い/ラフ   :LIGさんの記事など
文章少ない/ラフ  :Personal Book ★本記事で触れている部分★

1つ付け加えると、これらの採用コンテンツを全てアウトプットする必要は特段ないと思っています。なぜなら、全てのコンテンツは、目的を達成するための手段にすぎないからです。課題が生まれ、必要性を感じたタイミングで作成されるのが良いかと思います。(ただ、まずやってみないとわからない部分も少なからずありますので、一回まず試しにやってみよう!というのも良いと思います。)

3. Personal Bookのメリット

本項ではPersonal Bookのメリットについてご説明いたします。

 3-1. 求職者様と面接官の心理的な距離を近づける

面接官のプライベートの情報を事前に知ることで、求職者様としては親近感が湧きます。親近感が湧いた状態で、面談/面接に臨むことで、「本音」で話をしやすい場が整うため、より良い時間の使い方をできます。

見るからに優しそうな面接官もいれば、(本当は全然怖くないけど。)怖そうと思われてしまう面接官もいますよね。特に、役員クラスになると、自然と怖そうに思われてしまうケースは多いと思います。(自分は怖そうと思っていました。笑)もちろん、面接の場でコミュニケーションを取り、アイスブレイクはすると思いますが、その場だけでは限界があります。

実際に、当社のメンバーがポテンシャライトに入社する際のPersonal Bookにまつわる事例を聞いたのでその話を以下に記載します。

▼当社のメンバーの事例

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事前にPersonal Bookを読んで代表の山根さんとカジュアル面談をする機会がありました。Personal Bookを読む前の山根さんの印象は、正直、やや怖いのかなと思っていました。

なぜなら、山根さんはHR業界に十数年在籍し、キャリアカウンセラーランキング日本一(3000人中)と言う実績を出しており、HR業界未経験の自分には雲の上の存在と思っていたからです。そして、山根さんが出しているこちらのブログを拝見し、その怖さは増しました。(笑)

ただ、山根さんのPersonal Bookを拝見すると、「怖そう」という印象は全くなくなり、カジュアル面談に進みやすかったことを思い出します。

例えば、自分と同じく高校までサッカーをやっていたり、うさぎを飼っていることを知り、とても親近感が湧きました。実際のカジュアル面談でも、HR業界未経験の自分に、HR業界の構造について、ホワイトボードを使用しながら、わかりやすく説明していただきました。

自分は、わからないことを「わからない」と言うのは苦手なタイプですが、事前にパーソナルな部分を知って、親近感が湧いていたからこそ、本音で色々なことを質問できました。
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山根のPersonal Bookはこちら

当社代表の山根は最初、怖いと思われていたようです。ただ、Personal Bookを通して、自分との共通点や、ギャップを見つけ、親近感が湧いた状態でカジュアル面談に臨めたからこそ、本音で話すことができた。

まさに、 求職者様と面接官の心理的な距離を近づける事例だと思い、取り上げました。

 3-2. カジュアル面談時の話の話題が増える

カジュアル面談が主流になり、優秀な求職者様が市場に限られている中、カジュアル面談の”質”が問われる時代になっています。カジュアル面談では、会社の事業内容やミッション/ビジョンに共感をしていただくことも重要ですが、面接官が求職者様にどれだけ良い印象を持っていただけるかという点も、重要なポイントです。

Personal Bookを求職者様に事前にご覧いただくことで、面接官への理解度が増し、話題が1つでも増えるのはカジュアル面談の質の向上に大きく起因すると考えています。

カジュアル面談の30~60分という限られた時間の中で、好印象を持っていただくためには、Entrance BookやPersonal Bookをカジュアル面談前に求職者様にご覧頂き、会社に対しても、面接官に対しても、理解を深めて、臨んでいただくことが必要だと考えています。

 3-3. 実施している企業が少なく、求職者様に好印象を与えられる

この点は、Personal Book自体のメリットではないのですが、Personal Bookの外部公開はこのブログが初めてになるため、現在実施している企業は少ないです。

選考体験の中で、求職者様に良い印象を残すためには、細かいポイントでも他社様と差別化できるかが重要です。一例をあげると、面接後の求職者様にフィードバックをほとんどしない企業、2,3行フィードバックする企業、5行以上フィードバックをする企業があった時に、どの企業に好意的な感情を持つでしょうか。おそらく一番後者の企業ではないかと思います。

上記の例のようにまだ多くの企業では実施されていないことに、先進的に取り組んでいる企業は好印象を持たれるケースが多いので、ぜひ試していただけると嬉しいです。

4. Personal Bookの詳細

本項では、Personal Bookの詳細について3つの項目に分けて、お話します。

 4-1. 現在Personal Bookの項目

当社で使用しているPersonal Bookは以下の項目です。ビジネスサイドとエンジニアサイド分けて作成しております。

ビジネスサイドPersonal Book
 # 概略 (年齢/出身地/趣味等)
 # SNS諸々
 # 学生時代
 # キャリア
 # ○○の色々(他己紹介)
 # 仕事への価値観
 # 面談/面接スタイル
 # こんな人と一緒に働きたいな
エンジニアサイドPersonal Book
 # 概略 (年齢/出身地/趣味/エンジニアになったキッカケ等)
 # SNS諸々
 # 学生時代
 # キャリア
 # ○○の色々(他己紹介)
 # 好きな / 得意な言語
 # 好きな本 / 好きなエンジニア / 好きなブログ
 # 仕事への価値観
 # 面談/面接スタイル
 # こんなエンジニアと一緒に働きたいな

ビジネスサイドとエンジニアサイドでは求職者様が知りたい内容は異なると思っており、やや変更しています。また、ストレングスファインダー等を追記している企業もあります。

 4-2. 個人的に面白いなと思っている項目

個人的に面白いなと思っている項目を1つご紹介すると、# ○○の色々(他己紹介)です。この項目は他の社員がその人にどのような印象を持っているかを記載する項目で、その人のより日常的で、パーソナルな部分が表現されています。メンバーによって書いてある内容が全く異なるのですが、ちなみに、私(和佐田)のPersonal Bookの中には、以下のようなことが書いてあります。(原文を抜粋しています。)

- 周りがどんなに騒いでいても、自分の仕事に集中できる人
- 本当に爽やかな好青年って感じがする
- 表面的にはクールだけど、たまに中身の暑苦しい感じが漏れ出る
- 質実剛健という言葉が似合う
- 真面目なんだけどいじられるのも好きそう
- 愚直に取り組む姿勢が尊敬できます
- 仕事の飲み込みが早いスーパー新卒
- 年齢に比例しない落ち着きさの持ち主
- 真面目すぎるのでもう少し気を抜いて仕事をしても良いかと思っています
- この年代のHRではトップクラスに経験を積んでいるかと思います

自分ではなかなか発信できない、しにくい部分をメンバーが記載しており、よりその人がどのような性格なのかを求職者様にご理解いただけるので、個人的に好きな項目です。(自分を周りの人からどう見られているのかを知る機会にもなり、そのような意味でも面白いです。)

 4-3. 今後Personal Bookに追加する可能性のある2つの項目

話が変わりますが、現在、使用しているPersonal Bookの項目は上記になりますが、求職者様視点に立って考えると、新しい項目を追加した方が良いのではと考えています。(より良い状態で求職者様に、カジュアル面談等に臨んでいただくための+αの事例としてご覧いただければと思います。)

例えば、「音声」と「動画」です。
音声と動画は採用マーケティングでもトレンドになっているコンテンツです。まず音声の特徴は、雰囲気がよく伝わることがあげられます。パーソナルな内容をテキストで理解できても、面接官の雰囲気まで感じられないことは、カジュアル面談に臨む求職者様にとってやや不親切ではと感じています。その背景から音声で30秒~1分程度の求職者様へのメッセージを追加するのが良いと思っています。

次に、動画の特徴は、音声同様、雰囲気にプラスして、臨場感を伝えられる点です。みなさんはオンラインのカジュアル面談の際に、何をみて面談をされるでしょうか?面接官の顔や表情を見ますよね。(当たり前ですが)それは、視覚情報と呼ばれます。

メラビアンの法則では、人と人がコミュニケーションを図る際、「言語情報7%」(会話そのものの内容)、「聴覚情報38%」(声の大きさや話すスピード等)、「視覚情報55%」(表情や視線など見た目や仕草等)という割合で影響を与えていると言われています。

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テキストの採用広報インタビューでも、写真を通して顔や表情を見ることはできますが、やはり静止画と動画では与える印象は全く違います。

動画をPersonal Bookに追加することで、視覚情報が入るため面接官の印象がカジュアル面談前にさらによくわかり、求職者様にとってより良い状態で当日を迎えることができるのではと思っています。

最近、ポテンシャライトでは社員の紹介動画(Potentialight Movie)を公開しましたので、以下の記事をご参考ください。

また、音声や動画の特徴、テキストとの違いは何か、より知りたい方は以下の記事をご覧ください。


5. Personal Bookの事例

当社のPersonal Bookの事例をいくつかご紹介しますので、ご興味がありましたら、ご覧くださいませ。Personal Bookのイメージがより鮮明になると思います。

 5-1. 代表 山根

 5-2. HR Partner 寳田

 5-3. HR Partner 小磯

6. 最後に

いかがでしたでしょうか。

Personal Bookを作成するのに、そこまで時間がかかるわけではありませんので、時間対効果を考えても、やらない理由はない採用コンテンツの1つだと思います。まずはトライアルで試してみていただけると嬉しいです。

試してみた結果、求職者様からいただいた反応がありましたら、シェアしていただけると泣いて喜びます。(ポジティブな意見も、ネガティブな意見でも、大歓迎です!)

最後までご覧いただき、ありがとうございました!


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