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旅先で記録写真っぽくならない3つのシンプルな心構え

突然ですがこちらの写真をご覧ください。

ラスベガス大通りにて撮影

先日ラスベガス出張に行った時に撮影したものです。
日本では見られない煌びやかな街並み。どこをとっても派手な建造物の数々。
「これぞアメリカ!ラスベガス!」

そんなこんなで興奮しながら出張初日に撮影した写真でした。
しかしこの写真を現像した時の感想は、
「う〜ん。なんかいまいち…」

これ、旅行写真で典型的な例だと思います。
有名な観光名所や目立つ建造物があると、ついそれらを画角に収めることに注力しがち。画角内の情報をきれいに整理することしか考えられていません。
その結果ただの記録写真のようになってしまいます。

ところでスマホで撮った写真も記録写真っぽくなりませんか?
これも上述したのと同じ原因で、なまじ画角が広く全体にピントが合うため、情報を画角内に何とか入れようとすることばかり考えてしまっているのではないかと思います。

そこで今回は、
私が記録写真っぽくならないようになんとなく意識していたシンプルなこと」
を言語化してみようと思います。
ちなみに「撮影テクニック〇選」みたいなタイトルにしなかった理由は3つあります。

  1. テクニックの前段階であるシンプルな意識の話だから

  2. 使用する機材に関係なく大事なことだと思ったから

  3. 私が知っている程度のテクニックならネットで検索すれば出てくるから

今回伝えたいのはテクニックの前段階、本当に単純な「意識」についての話です。
ぜひ最後までご覧ください。


1. 「感じたこと」を意識する

まずはこちらの建物を例に出したいと思います。
巨大な丸い建造物の名前は「スフィア」と言います。
総工費23億ドル(約3,400億円)という意味の分からないコストをかけて建てられた球体型のアリーナ。
16KのLEDスクリーン、16万8,000個のスピーカーに覆われた内部空間では新時代の没入体験を楽しむことができます。

2023年9月にオープンしたスフィアは、今やラスベガスの象徴となっており誰もが撮影を試みるスポット。

ここで私が感じていたことは、
「でかい・・・すごい・・・!」です。
めちゃくちゃシンプル(笑)
ただそれだけ衝撃的なビジュアルだったんです。

この段階では、まず「でかい」を表現したかったんだと思います。
引きで撮影し、画角の隅っこに人や電灯を入れて対比させているのはサイズ感強調のためです。

うーん、改めてみてもすごい大きさです。
そう思えているので「でかい」は表現できているみたいです。

ただもう少し「すごい」感を出したい。
そう思って撮影してたのが次の写真です。

縦画角で下からあおってますね。
また、スフィアの外観が派手な演出に変わったタイミングで撮影しています。
こっちの方がより「でかさ」と「すごさ」が伝わってきます。

そして最後に撮影していたのがこちらの写真です。

私はスフィアの異世界感にすごさを感じていました。
こんなものが街にあること、現実世界に存在することに「すごさ」を覚えていました。
なので異世界感を出したいなーなんて考えてたんだと思います。

まずは他人が写らないアングルを探しました。
人が写ると日常感が出ちゃうと思ったのであまり入らないようにしてます。

そして自分を主題に、スフィアをあえて背景にしています。
相対的にスフィアの大きさが強調されるとともに、普段とは違う世界に自分がいたことも表現します。

つらつら書きましたが、ここで伝えたいのは、
「そのとき感じたことを大事にしよう」
というところです。

工夫の部分はどうしても撮影テクニックなどが絡んできますが、そこは人それぞれですし、自分のやり方が正解だなんてもちろん言う気はありません。
重要なのはそこではなく、写真を撮っているとき自分が何を感じているか改めて意識してみるのが大事だと思います。

以上、1つ目の「感じたことを意識する」でした。

2. 物理的に視点を変える

ホテルの2階から撮影

次にこちらの写真です。
ラスベガスのメインストリートは高い建物も多く、それらをつなぐ陸橋がたくさんありました。
後々振り返ってみると、高いところから撮っている写真は記録写真っぽさがあまりない気がしてます。

「なんでそんな視点を持てるんだ…」
そんな風に思ってしまう素晴らしい写真を撮られる方はたくさんいます。
(そして自分のセンスのなさを呪います…)

一方、自分はそこまでのセンスがないので、
「行き詰まったら物理的に視点を変える」という、ある意味割り切った考えを持っています。

ラスベガスメインストリート 陸橋の上から撮影

物理的に視点を変える手段は結構あります。

「上を見てみる」
「下を見てみる」
「高いところに登ってみる」
「しゃがんでみる」
「乗り物に乗ってみる」
「鏡を見てみる」
などなど

上を見てみる
下を見てみる
乗り物に乗ってみる(バスの車窓から)

なんだかいい感じ。
以上、2つ目の「物理的に視点を変える」でした。

3. 五感を使う意識を少し強く持つ

決定的な瞬間であれば記録写真っぽさはなくなると思います。
その際大事なのが、チャンスを逃さないことです。

こちらの写真は、このタイミングでシャッターを切ることができ、個人的に手ごたえを感じた写真でした。
そしてこのタイミングを逃さなかった理由の一つが「五感を使う意識を少し強く持っていた」からだと思っています。

ファインダーや液晶画面を見る過程が入る以上、写真を撮るという行為は視覚が大部分を占めます。
しかし、人間は集中すればするほど視野が狭くなります。
特に写真を撮ろうと集中している瞬間はかなり視野が狭くなっており、決定的瞬間を見逃してしまう可能性も…
そんな時、五感を使う意識を少し強めに持っておくことで、チャンスを逃すことが減ってきます。

上の写真はラスベガス・ハリーリード国際空港での写真なのですが、

  • (聴覚)飛行機が移動する音

  • (触覚)横から差す日光のかすかな暖かさ

このあたりの感覚も併用することで撮影できた写真だと思っています。

こちらの写真も、視覚に加えた五感の併用で撮れた写真です。

  • (聴覚)声の反響音

  • (嗅覚)海外特有の香水のにおい

また、視覚についても少し工夫しています。
この瞬間を逃さないように視野をなるべく広く取りたかったので、ファインダーをのぞいていない目も開けることで、周りの状況変化にも気をつけています。

五感と言いつつ味覚を使うのはちょっと難しいかもしれません…
もしできたら共有しようと思います。

以上、3つ目の「五感を使う意識を少し強く持つ」でした。


最後に復習です。
今回共有したのは以下の3つの心構え。

  1. 「感じたこと」を意識する

  2. 物理的に視点を変える

  3. 五感を使う意識を少し強く持つ

もちろん、これで記録写真っぽさがみじんもなくなるかと言われれば、そうではありません。
これらはあくまでシンプルな意識の話です。

しかし、
「今まで何も考えていなかったけど、ちょっと自分の写真を変えてみたい。」
そんな風に思っている人は試しに取り入れてみてください。

これから旅をする予定があって、どうせならいい写真を撮りたいと思っている方にとって、この記事が参考になれば幸いです。

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それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!


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