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美術史①古代ギリシャ

※勝手に美術史の通史を纏めたものです。
※主に宗教画と絵画タッチに重きを置いて話しています。
※大学の講義で出したレポートを再編集しているので、情報の偏りと全体の大雑把さが見られます。
※また、参考文献等を省いております。ご了承ください。

 大きな流れとして捉えた美術史ということで、補足情報的に役に立てると幸いです。


 地中海、東の半島の付近──西洋美術史の根幹を成す古代ギリシャがそこにありました。美術といえば絵画を思い浮かべることでしょう。ですが、古代ギリシャは主に建築や彫像、陶磁器が発展した時代でした。
 ギリシャ美術の時代は幾何学様式時代(陶磁器に基づく)から始まり、アルカイック期、クラシック期、ヘレニズム期というような変遷を辿ります。

 ギリシャ時代の陶磁器には、象形のものもありますが、幾何学的な模様が施されているものが多くみられるのが特徴でしょう。これらの陶磁器は、主に黒像式と赤像式の二つの様式で発展を遂げています。この黒と赤は絵付けの違いを表しています。黒像式は素焼きの陶器に黒色を主とする装飾画が描かれているもの、赤像式はその逆と覚えると分かりやすいでしょう。

 また、ギリシャには有名なパルテノン神殿があります。これらは独特の柱の“オーダー(柱と梁の組み合わせの形式のこと、柱式)”が組まれています。最初期の最もシンプルなものをドーリス式、これよりも優美で細くなりヴォールタという装飾が付いたものをイオニア式と呼びました。さらにギリシャの国花であるアカンサスの葉の意匠が加えられたコリント式というものもあり、これは現代でも一番目にすることが多いオーダーといえるでしょう。意匠に凝った銀行や美術館の柱を見てみると、すぐにわかるはずです。

 古代ギリシャの彫刻はギリシャ神話などをもとにしているものが多いといえるでしょう。まだ、キリスト教が普及していない時代ならではです。彫刻は主に男性裸体立像(以下、クーロス像)というものが制作されました。クーロス像はアルカイック期には既に彫刻する上でのポーズが決まっていました。右足は半歩前、口角が少し上がっているなどといったものです。口角が上がっているのは、いわゆる“アルカイックスマイル”というものですね。
 また、この時期になると彫刻の技術力やどこに重点をおいて制作するかなども決まっていきます。それゆえに、筋肉や関節などが現実的に上手く造形されるようになりました。
 クラシック期には上記で触れたポーズに少し変化球がつきます。手の角度など以前に比べると大きく動きが出てくるようになりますが、骨盤の傾きなどには不自然さを感じさせません。あくまで現実の筋肉の動きに則したものになっていました。このような筋肉や関節の動きなどを駆使したポーズのことを、“コントラポスト”と呼び、人体を美しく見せることができるよう、最大限に工夫されて制作されていたのです。
 こうしたギリシャ時代の彫刻は、筋肉の造形などへの興味やこだわりなど、その制作の在り方においてルネサンス期の時代に懐古すべき素晴らしい時代のものとして復興されます。
 少し時が進むと、彫刻の素材に多様性が生まれます。ですが、残念なことに、ギリシャの時代のブロンズ像は戦火に巻き込まれ、武器としての再鋳造などのために壊されることが多かったのでした。
 ブロンズでない大理石の像も、破損して海に沈んでいるなど保存されているものが少ないのです。
 このような理由から、ローマ時代においては“ローマン・コピー”としてギリシャ時代の彫刻の模刻が多く作られるようになりました。

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