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新国立競技場ってそんなに悪いのかい

リニューアルされた国立競技場の詳細が公開されたそうで話題になってます。国立競技場の是非については税金の使われ方と絡めて随分と前からケチがついていて嫌な感じです。屋根もなくて温かい食事や飲み物も提供されなかった頃から比べたらだいぶマシになってるので良かったという所感なのですが、甘すぎますかね。

国立競技場に完璧を求めるのは間違っている

そもそも国立競技場に誰がどう見てもの100点満点を求めるのは無理があります。私が主に観測しているのはサッカー関係のクラスタですが、皆さん分かってますか。国立競技場は「陸上競技場」なんですよ。その時点でもうサッカー観戦に求める見やすさや臨場感は諦めましょう。

陸上競技場だというのをふまえたうえで、見やすさについては実際にその場で立って見てみないと分かりません。カメラで撮影された映像や画像を見た評価が多々流れていますが、カメラで撮影した映像と実際にその場で視界に映る映像は結構な差があります。メディアによっては全景を伝えるために、あえて広角のレンズを使っているような画像も見られました。広角のレンズを使うとピッチはより遠くに見えてしまいます。

サッカーでは2020年1月1日の天皇杯決勝が最初の試合開催となります。私は帰郷するので現地には行きませんが、実際に行かれた方の率直な感想を楽しみにしています。

もうひとつ、新しい国立競技場はバリアフリーや災害発生時の機能などにも力を入れているそうです。バリアフリーとは、健常者とそうでない方が共に不便なく過ごせる状態です。国立競技場がどのようなバリアフリーを施しているのかは分かりませんが、結果として健常者にとっての不満になることはありえます。例えば健常者が一段の階段を登るためには車椅子の方にはそれなりの長さのスロープが必要になります。なのでそこはすべての人に対する最大公約数として適切だったかどうかを評価すべきです。

臨場感はピッチとの距離だけじゃなない

臨場感とピッチとの距離の関係については2019年に考え方が変わりました。臨場感はピッチとの距離の問題だけではありません。2019年の代表的な催事として、ラグビーのワールドカップがありました。私も知人のおこぼれにあずかって味の素スタジアムでの試合を観戦させてもらいました。

味の素スタジアムといえば、球技専用に見せかけた実質の陸上競技場であり、ピッチとの遠さが残念な印象がありました。しかしラグビーワールドカップではその残念さを一切感じず、かなり興奮して観戦できました。なぜかといえば、競技に没頭できたからです。スタジアムの設備をフルに使った演出と約5万人の一体感がその状況を作っていたのだと思います。これを感じてから、味の素スタジアムの印象がガラッと変わりました。きちんと集客ができて、エンターテインメントとして質が高ければ臨場感は得られます。

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余談ですが、横浜F・マリノス(※)のサポーター席に「ピッチとの距離は自分で縮める!」というという張り紙がツイートされていたので「いいね」をしました。これはあながち間違ってないと思います。

※(横浜F・マリノスといえば横酷と揶揄される日産スタジアム(横浜国際総合競技場)がホームスタジアムです。国際大会の決勝戦の舞台としては欠かせないキャパシティを要する競技場である一方、サッカーのピッチと観客席との遠さがサッカーファンに嫌われがちです。)

もうちょっと冷静に様子を見ましょう

あまり先入観にとらわれず、純粋無垢にあの屋根もなくボロボロだった国立競技場が新しく生まれ変わった喜びに浸りたいと思います。

日産スタジアムが東京都のど真ん中にできたと思えばそれだけで素晴らしいことでしょう。そこでスポーツ観戦をした人は、新宿や都内の各所で一杯飲んで帰るわけです。もしかしたら都内に努めている多くの人が、平日のナイターを楽しめるようになったかもしれません。素人考えですが、経済効果はそれなりに見込めるのではという気がしています。

大枚を叩いて出来たものをどう生かして宝物にしていくかは、私達次第です。建て替え前の屋根もなくボロボロだった国立競技場を聖地と言って重宝したのも私達です。

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しかしながら、冷静に様子を見た結果として数カ月後に手のひらをクルッと返してる可能性は無きにしもあらず・・。

余談

調べながら記事を書いてたら、こういう記事を見つけました。

日産スタジアムが、小さく感じる。
松田直樹が背負う「3」が大きく感じる。
喜ぶ、怒る、哀しむ、楽しむ。

プレーを通じて感情と体内温度は観ている者にダイレクトに伝わり、スタンドとピッチの距離が縮まっているような感覚に陥る。
観ている者まで熱くさせる人。


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