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小売企業の地域社会に対する責任と役割

この1年でオンラインショッピングは世界的に成長した。ステイホームが叫ばれる中、大型商業施設は休業や時短営業を余儀なくされ、一時期ゴーストタウンと化したエリアもあったほどだ。パンデミック前からD2Cブランドが注目されていたこともあり、小売の主戦場は一気にオンラインへと移行した。

しかし「買う」機能がオンラインで完結できるようになったからこそ、実店舗における体験価値の重要性は高まっている。一昔前は「いかに顧客対象者が多く行き交う場所に作るか」が店舗立地の要だったが、オンラインで事前に認知した上で来店してもらうことができるようになった今、「どんな体験を提供できる環境か」の視点が重要になりつつあることを感じる。

言うなれば、立地もブランドを体現するメッセージのひとつになるということだ。

もちろん古くから旗艦店や本店の立地選択においてはブランディングの視点も加味されてきた。それは店舗内での体験のみならず、その街やエリアを訪れること自体が「体験」となりえるからだ。

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