マガジンのカバー画像

余談的小売文化論

「知性ある消費」をテーマに、現代の消費行動や理想論と現実的な問題のギャップについて考え、言語化しています。「正解」を語るのではなく、読み手が自分なりの正解を見出すための一助になる… もっと読む
¥800 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

#本

今月読んだ本一覧(2020.2)

今月読んだ本一覧(2020.2)

今月読んだ本の覚え書き。全部で7冊の本を読みました。
こうして振り返ってみると、読んだ本がすべてゆるやかにつながっているような気がしてくるから不思議。

1. 老舗企業の存続メカニズム今月読んで一番よかった一冊。
論文なので普通のビジネス書に比べると難解で読みづらい部分もありますが、これまでふわっと語られてきた「老舗の流儀」をシステマチックに論じた一冊です。

特に冒頭で老舗企業の研究のあゆみを整

もっとみる
青山ブックセンターが示す本屋の新たな可能性

青山ブックセンターが示す本屋の新たな可能性

先日、消費文化総研のみんなと青山ブックセンターの店舗見学に行ってきました。

青山ブックセンターの山下さんとは以前から本屋さんのあり方についてお話しを伺っていたのですが、今回改めて店内を案内していただき小売視点でのまなびがたくさんありました。

特に感じたのは、新しさやエッジは自分たちが「こうだ」と信じたことの結果がでるまで我慢することから生まれるのだということ。
見学が終わった後にコミュニティメ

もっとみる
「私」を作った魂の10冊 #私の必読書10選

「私」を作った魂の10冊 #私の必読書10選

先週「私の必読書」小売版を書いたのだけど、私の場合は小説や随筆に育てられた部分が大きいので、ビジネス書とは別に自分の価値観を形成する上で特に影響されたと思う本を10冊選んでみる。

▼小売版はこちら

ちなみに私はしょっちゅう引っ越すので一度読んだ本はガンガン捨てるタイプなのだけど、特に影響を受けた本だけは大切に保管していて、小説もいれるとそれがだいたい5、60冊くらいある。

何をもって『影響を

もっとみる
これからの小売を考える上で読んでおきたい基本の10冊 #私の必読書10選

これからの小売を考える上で読んでおきたい基本の10冊 #私の必読書10選

今月発売になったNewsPicksマガジンのテーマが「読書」ということで、さらっと読んだだけですでに積読の山(文字通り)がいくつもできている私です。

ただ、パラパラと読む中で小売に関する必読書は特になかったような気がするので、私なりの「必読書」をまとめてみました。

とはいえ、意外と小売関係の本で10冊選ぶのは難しかった…!

一部、小売だけではなくマーケティングなど広義の意味で『小売に関わる人

もっとみる
硯田悪歳無く、酒国長寿有り。

硯田悪歳無く、酒国長寿有り。

9月に入ってからの3週間は、『息つく暇もなく』という比喩がこれほどぴったりくることもないと感じるくらいにめまぐるしい日々だった。

『忙しい』を言い訳に約束を破るのは社会人としてあまりよくない態度だと思っているので、マガジンを含めnoteがほぼ更新できていなかった点については完全に私のスケジューリングの甘さゆえです。すみません。

とはいえ『大変だった』と言い訳するのは自分の主義に反するので割愛す

もっとみる
本屋とは、知性というファッションを売る場所である

本屋とは、知性というファッションを売る場所である

以前自分にとってのファッションの定義を考えてから、あらゆる分野でファッション性を感じるものについて考えています。

その中で感じたのが、本というアイテムのファッション性です。

今は本が売れない時代と言われますが、それでも10万部以上のベストセラーが定期的に生まれ、芥川賞と直木賞は毎年ニュースになり、雑誌の読書特集は安定的な売上を作っているといいます。

インターネットがこれだけ発達し、Web記事

もっとみる
今、求められている『ストーリー』とは何か

今、求められている『ストーリー』とは何か

大学進学で上京して以来10年以上テレビを持っていない私ですが、この1、2年はなんだかんだでドラマを中心にテレビを見る機会が増えました。

スマホで視聴できる環境が整い、NetFlixをはじめ有料課金コンテンツが当たり前になったことで、これまでテレビを持っていなかった層が逆にお金を払ってでもテレビ番組を観たいと思うようになってきているという流れは面白いなと我ながら思っています。

特に最近は『半分、

もっとみる

GW中に読む!積読消化リスト2018

4月に新生活がはじまってから早10日。

まだ会社員としてのリズムが掴みきれていませんが(というかフリーランス時代とほぼ変わらない生活をしている)、あっというまにGWの時期が迫ってきました。

私の場合は長期休みと言えば旅行!…などはせず、家でひたすら積読を消化するのが毎年恒例です。

特に長期休みは普段のちまちま読書とは違って、気合いをいれないと読みきれないもの、上中下巻ある長編小説など、時間が

もっとみる

本屋が楽しい、そのわけは

本屋がある街に住みたい。
本屋か図書館が近くにあることは、私にとって引っ越し場所を探すときの条件のひとつでもあります。

Amazonという便利なものができてから昔に比べるとめっきり本屋に行く機会は減ってしまったけれど、やっぱりあのぎっしり紙がつまった場所の匂いは、定期的に嗅ぎに行きたくなるものです。

買うものが決まっているときはAmazonが便利ですが、一度にたくさん見た上でセレンディピティを

もっとみる