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ユルゲン・クロップとリバプールの停滞/書評『人生後半の戦略書』

(タイトルがKOPの方を刺激しそうな内容ですが、私もリバプールファンなのでお許しください🙇‍♂️)

2023/2024のプレミアリーグも、未消化試合を除くと、多くのチームにとって残すところ3試合となりました。
我らが”Japanese International Captain”の遠藤航選手の移籍、そして大車輪の活躍もあり、今年のリバプール🟥は日本のサッカーファンにとっても大注目です。

さて、私も遠藤航選手の移籍によってリバプールを追いかけ始めた「典型的なニワカ🐓」ですので、昔からKOPの方はご容赦ください。
※シンジカガワ時代のBVBを追いかけていたこともあるので、クロップは昔から好きな監督でした!(笑)

さて、本題に入りましょう。3月18日に行われたFAカップ準々決勝MU戦までは調子の良かったリバプールですが、4月に入ってからの成績は3勝2分3敗とガタ落ちで、優勝争いからは脱落してしまいました。
4月27日ウェストハム戦では、交代前に行われたエース・サラーとクロップ監督の口論が話題になりました。圧倒的なモチベーターとしてスポーツ界で名高いクロップ監督が選手と口論するのは珍しい光景でした。
リバプールで指揮を執るのがあと数試合ということもあり、ファンの方はショックを受けたに違いないでしょう。。。

クロップ監督は「エネルギーが尽きている」ことを理由に、リバプールを辞任しました。世界屈指のハードスケジュールであり、世界屈指の熱狂的なファンを持つリバプールで9年の任期をとり、心身ともに憔悴していることが予想されます。
ビジネスマンでいうと、ウォールストリートの投資銀行で9年間責任者を務めるほどに重責で、凄まじいプレッシャーを抱えていたのだと思います。
(例えがイマイチですね・・・w)

ドルトムント時代から輝かしい成績を収めてきただけに、「エネルギー切れ」を理由としたキャリアの停滞に、世界中のファンも胸を痛めているかと思います。

私は、クロップ監督の輝かしいキャリアだからこそ、訪れるべくして訪れたキャリアの停滞なのではないかと思うのです。
昨年4月に読了した『人生後半の戦略書』が、頭に思い起こされました。

仕事で成功した人が、一般的に、というよりもほぼ例外なく、抱えている密かな苦悩の種である。これを「ストライバーの呪い」と呼ぶ。
また、スタインの法則では「永遠に続かないものはいずれ終わる」とされる。人の命でも同様。

『人生後半の戦略書』より

職業人として極めて順調な人生を送れば送るほどに、成功者が陥る「ストライバーの呪い」が訪れるのです。
永遠に成功することなんてありません。

例外的な存在として思い出されるのは、アルゼンチンのメッシでしょう。
メッシは長らくアルゼンチン代表でタイトルを獲得できずに苦しんでいました。むしろ、苦しんでいたからこそ、2022年のカタールW杯でトロフィーを掲げることができ、「終わり良ければ全て良し」が達成できたのだと思います。(あるいは、メッシは神の子だから例外的存在なのかもしれません👼)

多くのサッカーファンは、ユルゲン・クロップ監督最終年度は「監督のために優勝」というサクセスストーリーを想像・妄想していましたが、クロップ監督も「ストライバーの呪い」に悩む1人の人間なのかもしれません。

人々から注目を集めること、大成功することは、必ずどこかで大きな失速を生みます。
とすると、私を含む凡人の皆さまは、”大器晩成型”を標榜し、未来に焦点をあてて今に一喜一憂しない。地道に前に進むことを繰り返すほかないのでしょう。

本書の要約はInstagramにアップしています。
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本書の要約

人生後半の戦略書
本書は、一流シンクタンクの会長が、社会科学を基に人生後半の戦略を探求する内容を扱う。著者は、仕事での成功から生じる「ストライバーの呪い」と向き合い、脳科学、哲学、神学、歴史からインサイトを得る。重要なポイントは、仕事の成功者が抱える共通の苦悩と、それを克服するための自己再発見のプロセスである。

第1章:キャリアの下降と向き合う
キャリアのピークは思っているより早く訪れることが多い。ダーウィンや他の偉大な科学者たちも、年齢とともに独創性が低下し、落胆することが多かった。これを乗り越えるためには、キャリアの再設計と新しい強みの発見が重要である。

第2章:第2の曲線を知る
年齢とともに流動性知能は低下し、結晶性知能が向上する。この変化を理解し、新たな強みとして活用することが後半生の成功につながる。生涯学習と適応が鍵となる。

第3章:成功依存症から抜け出す
成功への依存から抜け出し、本当の幸福を追求することが大切である。本章では、特別であることを追求する代わりに、真の満足と幸福を求める方法を探る。

ポプラの森を育てる
人間は本質的に他者とのつながりを求める生き物である。生涯を通じて健康的な人間関係を保つことが、人生の満足度を高める上で最も重要である。友情や愛情は、人生の質を大きく左右する。

本書は、人生後半の戦略についての洞察と、個人が直面する可能性のある課題とその解決策を提供します。自己理解と変化を受け入れることが、充実した後半生を送るための鍵です🔐

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