総括2020(ラーメンズと私)

コロナ以外に今年を表す言葉は無い。

神仏の存在はどうでも良いが、いざという時に頼りにならない事は良く分かった。コロナが、リーマンショックが、震災が、「いざ」でないならば、何が「いざ」であるのか腹落ちする説明が出来る神仏としか分かりあうつもりは無い。


コロナ以外のトピックを無理矢理引きずり出すと、小林賢太郎のパフォーマー引退。即ち、ラーメンズの活動休止。


自分を形作ったのは、実兄が小2の時に作った「はしれラーメンや」というフルスクラッチフィギュアであるのは間違いない。小学校の文化発表会的な催しで展示されていた、おっさんが必死の形相で屋台を引っ張るそれは、同級生のクソつまらない作品群とは一線を画していた。

普通の中にポンと現れる様子のおかしいもの。

面白いという概念の大半は「はしれラーメンや」を見た瞬間に定義され、それは今でもブレてない。


ラーメンズを初めて見た時、「はしれラーメンや」で味わった心のザワつきが再び。確か不法就労の外国人のネタ。これはとんでもないコンビが現れたと思い、出演していた「オンエアバトル」の審査員に応募した。ゴルフボールを転がしにテント2000には何度か行った。審査員として行った時にラーメンズは出なかったが、当時中高生だった妹を東京に連れて行ったのは、生涯で数少ない妹に対する善行だった。この辺りの不明な点は各自検索にてご確認頂きたい。


当時発売されていたビデオやDVDは全て観て、やっぱ面白い。ライヴだとちょっと危ないアドリブが入るような情報があり、生で観たい欲求が募ったところ、DVD発売記念か何かでライヴが当たる抽選に運良く当選!名古屋まで観に行った。


期待を昂らせ会場へ。何か様子がおかしい。気のせいかと思いライヴ開演。やはり変。面白いんだけど何か違和感。

途中で気付いた。会場にいる大半の人が、面白いラーメンズが好きな訳ではなく、ラーメンズの事を面白いと思う自分に酔っている事を。見た事あるネタでは「それ知ってる。面白いよね」とばかりにクイ気味に笑うし、下ネタにはあまり反応せずに文学的なネタで過剰な反応。私はドストエフスキーやら芥川知った上で笑ってます感が凄かった。「罪と罰」書いたのがオナニーマシーンだったら笑わなそう。謎の選民思想。

「何でこれが面白いのか」という事をいちいち反芻しなければ面白い事が分からない時点で物事を面白がるセンスは無いと自覚した方が良いと思うが、そんな人達が大半を占めていた印象。


ネタバレ無い範囲で「ラーメンズ観た」と当時のブログに書いたら「観れなかった人もいるんだからそんな事書くのは良くないと思います」とウンコに失礼なクソリプが飛んできたのも今となっては良い思い出。


2020、志村けんのお陰で、眠っていたベースが息を吹き返した上、ヒゲのテーマが完璧に弾けるようになりました。


それでは皆さん良いお年を。

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