「子どもが欲しい」夫を最初は信じられなかった

以前のnoteでも触れたが、我が家では夫のほうが積極的に子どもを望んでいる。

「結婚して子どもをつくることが、俺の人生の目標です。」と言われたとき、夫は25歳。私は24歳。

24歳のとき、私はまだ指定難病になっていない。
でも高校3年生で入院と手術をしたし、その後も体調を崩すことが多かった。幸いにも内部進学ができるだけの成績を取っていたから受験をパスして大学へ行けたし（大学のある私立高校に通っていた）、フルタイム正社員で働くこともできた。
症状は、見た目では全くわからない。
夫には付き合いたてで「私は体調を崩しやすくて、デートをドタキャンすることがあるかもしれない。」と伝えていたが、まだ夫も私の体質を理解できていなかったと思う。実際その頃は体調をコントロールできていたから、ドタキャンはしたことがない。
私自身も、その後に悪化して指定難病と診断されるなんて思わなかった😭

24歳の私は、夫の「結婚したい、子どもが欲しい」発言を信じられなかった。
夫とはマッチングアプリで知り合ったから、というのもある。
そのマチアプは公式HPで「結婚を目的としています💒」と記載しているから、正しい使い方をしていたのは夫で、結婚願望もなくただ彼氏が欲しかっただけの私の方が寧ろ間違っているんだけど。

夫は凄くモテる人だ。
なんと言っても見た目が良い。アプリでの「いいね」も私からつけた。
夫がアプリを始めた理由は「上京して、こっちに友達がいないから。早く結婚相手と出会いたかったから。」だった。
そんな25歳イケメン、嘘じゃん。
夫は地元でモテまくり、中学〜大学までずっと女の子から告白されてきた側の人だった。社会人になってからも最初の新人研修で同期に告白されたらしい。でも夫はバッサバッサと告白を断って生きてきた。
ちなみにアプリでは私も夫もお互いにしか会っておらず、1人目でお付き合いに至ったから私も夫もすぐに退会した。

夫曰く
「俺の地元に大学院を卒業してから働く場所はない。大人になったら上京するって中学から思っていたから、地元の女の子と付き合っても意味がない。社内恋愛も嫌だから、会社の女の子とも付き合えない。」
と。
嘘っぽい。25歳のイケメンが言うと全部嘘に聞こえる。
みんなが言う「結婚したい」はただの建前だと思っていたし（私が結婚したいと思ったことがないので・・・）
普通は、遊びたいじゃん。普通は。
所詮アプリで知り合った人だし、「結婚詐欺かな？」と疑った。
でも付き合いを重ねていくと「詐欺師じゃなくてガチなんだ。」というのを身に染みて感じた。

結婚したい、というはまぁ、わかる。
人生を共にするパートナーが欲しいってことでしょ。（私は日本の婚姻契約がクソだと思ってるけど👿）

でも「子どもが欲しい」は、正直なところ「は？」って思った。
誰が妊娠して誰が産むのかと。
貴方、産まないよね？
若干怒りにも似た感情が湧いたのを記憶している。

男性の言う「子どもが欲しい」＝「子どもを産んでください」だ。
気軽に言えるものなんだろうか。
私には「子どもを産んでください」が「俺のために命削ってください」「死んでください」に聞こえる。

それプラス、「特定の相手がいない状態で思う”子どもが欲しい”って、相手は誰でも良いのでは？」という懐疑心も湧いた。
男性は妊娠出産ができないから、自分の代わりに妊娠出産をしてもらうパートナーが必須だ。
言い方は物凄く悪いけど、容れモノを探している気持ち悪さを感じた。そう思ってしまう私の気持ちも、結婚前に夫へ打ち明けた。
夫は、「誰でも良いわけじゃない。結婚の前に１番重要なのはその人のことが恋愛的に大好きかどうか。あくまでも結婚は恋愛の先にあるし、子どもも、自然にできなければ諦める。」と答えた。

今、夫に対しては疑いの気持ちはない。
変わった子だな〜とは相変わらず思うけど、「そういう人」として受け入れられるくらいの信頼関係を築いた。
私は結婚前の同棲中に指定難病を発症したから、夫は私の体調が最悪だったところも目の当たりにした上で私にプロポーズをした。

病気のお陰で、というのは凄く変だし病気なんてしない方が良かったけど、夫は私のことが大好きなんだと実感した。他の誰でもない、恋愛的に私が好きなのだと。
もし夫が本当に子どもを産むだけの相手が欲しければ、私以外の健康な女性たちの中から選ぶはずだ。
若くて、カッコよくて、背が高くて、優しくて、面白くて、経済力もある夫なら、いくらでも選べる立場にある。

この先、夫が自分の子どもを抱ける日が来るかは不明だ。
私は死産のせいで、妊娠・出産に対する不安と恐怖心が更に増してしまった。もしまた妊娠したら、夫は第一子のとき以上に私のことを全力でサポートしてくれるだろうが、代わってはくれない。サポートしかできない。

夫が妊娠できたら良いのに。
最近はそればかり考えてる。
でもきっと、私以上に夫がそう思っている。