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くるりのツアーに参加した話

 こんにちは、うおです。
 初めての音楽関係の投稿はアルバム紹介にしようかとも思ったのですが、ライブのレポートについては時間が勝負だと思うので先に書かせていただきます。

 今回のライブ、存在自体はSNSや音楽雑誌などを見ていたので以前から知っており、ライブ当日の数週間前になって金銭面、スケジュール面に余裕を感じたので行く事を決心しました。名古屋に。

 今回の会場はZEPP Nagoya。
 収容人数は1,800人ほどで大規模なライブハウスだな、という印象でした。チケット申し込みが遅れたために後ろ側で鑑賞していたのですが、前の人の身長がある程度あったとしても、床が段になっていたのでステージがよく見えました。音質に関してはリズム隊のパワフルな音からギターのアルペジオやピアノの繊細な音までよく聴こえる良いハコでした。

そしてこちらが、名古屋公演のセトリです。

  1. LV69

  2. doraneco

  3. happy turn

  4. I'm really sleepy

  5. 朝顔

  6. California coconuts

  7. In Your Life

  8. The Veranda

  9. ナイロン

  10. watituti

  11. Morning Paper

  12. お祭りわっしょい

  13. さっきの女の子

  14. 虹色の天使

  15. 益荒男さん

  16. 冬の亡霊

  17. 琥珀色の街、上海蟹の朝

  18. There is (always light)

  19. 地下鉄

  20. HOW TO GO

  21. お化けのピーナッツ

  22. 世界はこのまま変わらない

  23. 尼崎の魚

  24. 東京


 前半の7曲は2023年の新譜「感覚は道標」の収録曲で、ドラムは初期メンバーで最新アルバムの収録に参加された森さんが叩いていました。「LV69」と「doraneco」は曲間無しで演奏され、その後一旦ストップ。岸田、佐藤、森(敬称略)の3人が何かしている?と思いよく見るとその手には細くなったティッシュが。

そう、こよりです。

 アルバムの第一声が岸田さんのくしゃみである様に、ライブでも実際にくしゃみをされていました。(位置的に見えづらかったのですが恐らく)森さんのくしゃみが一番乗りで、4カウントから「happy turn」の演奏が始まりました。ツアー初日でメンバーの皆さんは緊張されていたようで、なかなかくしゃみが出なかったのが個人的にツボでした。その後も緊張から「Carifornia coconuts」のイントロを少し間違えた(そう岸田さんがおっしゃっていた)ようでしたが、目立ったトラブルもなく7曲が終わりドラマーが交代します。
 ここで岸田さんいわく「軽トラからアメ車に乗り換え」登場したのがクリフ・アーモンド。2004年のアンテナ辺りで数曲レコーディングに参加、ライブやフェスにも参加していた、これまた凄腕ドラマーです。彼の根底にはジャズがあるのか、テクニカルなドラムを叩く人だな、と未経験ながらに思いました。
 交代後最初の曲はシングル「Baby I Love You」のカップリングである「The Veranda」。アコースティックギターから始まり、バンドが加わって最後はテンポアップして終わるという構成には驚かされました。カップリングまでは追えていなかったので初めて聴いたのですが、歌詞や曲の流れにくるりらしさを感じられました。そして照明の雰囲気ががらっと変わり、次の曲へ。まずは「天才の愛」収録の「ナイロン」。リズムが特徴的で思わず踊りたくなるようなイントロから始まるこの曲は演奏時間こそ短いものの、異国感のある歌詞やメロディーが印象的でした。次の曲も同アルバムより「watituti」。歌詞が「watituti」のみのほぼインスト曲のような構成。音源で聴くのももちろん良いのですが、ライブだと大化けします。今回のライブではギター、キーボード、ドラムパートのサポートメンバー三名に岸田さんが今回のライブのテーマを質問していき、そのテーマに沿ったソロを披露されていました。特に印象的だったのはギターの松本大樹さんでそのテーマは「インド」、エキゾチックなスケールを操るソロは絶品でした。
 その後はライブ定番曲、僕も大好きな「Morning Paper」、会場が一体となって盛り上がれる「お祭りわっしょい」と続き「thaw」収録の「さっきの女の子」、「NIKKI」収録のロックチューン「虹色の天使」、毛色が変わり「益荒男さん」、ユニークな比喩表現が光る「冬の亡霊」を演奏。これらの曲間には岸田さんと佐藤さんのゆるい雑談もあり会場内に穏やかな空気が漂っていました。
 次の曲の前に印象的なMCがあったので紹介させて頂きます。内容は岸田さんが音楽生成AIについて思っていること。内容をはっきり覚えている訳ではないのですが、要約するとこんな感じでした。
「AIに負けないため人間は人間にしか作れない曲を作っていくべきですよね、例えば…上海蟹の曲とか(笑)」

ここでザワつく会場…!

そう、誰もが待ち望んでいた「琥珀色の街、上海蟹の朝」です!最近くるりを知った人や若い世代にも比較的認知されている現在のくるりのキラーチューンです。ギターソロから始まりラップや中国語の歌詞を織り交ぜた遊び心のある歌詞に複雑な構成や手数の多さ、これこそくるりにしか書けない曲だと思いました。演奏中、観客の多くは蟹のように両手をチョキにして手を振っており、その場にいた全員で良い時間を共有できたと思います。これこそライブハウスの醍醐味…!!
 その後も勢いは止まらず、パワフルな曲が続きました。「THE PIER」収録の背中を押してくれる「There is (always light)」、EP「HOW TO GO」収録の6分超えのボリューミーな「地下鉄」、そしてクリフのカウントから始まり、哀愁や後ろめたさ、そしてその先の未来への淡い希望に溢れた名曲「HOW TO GO」を演奏。じっくりと聴き入ることができた3曲でした。
 ここでライブは一旦終了。歓声の中、メンバーたちはステージの袖の方へ。長い拍手は徐々にリズムを刻み、アンコールへ。戻ってきたメンバーはまさかの全員で、ツイン・ドラムでの演奏でした。7人体制となったロックチームくるりは「感覚は道標」より、ラテン音楽を取り入れたリズムが特徴的な「お化けのピーナッツ」、ジャム・セッション風のリフと独特の歌詞が耳に残る「世界はこのまま変わらない」を演奏。どちらもグルーヴ感が心地よく、小さく踊る人が何人も見られて会場が多幸感に包まれていました。ここで7人のメンバーは退場、このままライブが終わっても「良いライブだったな」と思えるのですが、くるりは想像を超えてきました。なんと岸田、佐藤、森のオリジナルメンバー3人の演奏は続いたのです。2段階のアンコールにファンは歓喜。3人のグッズ紹介などMCを少し挟んだ後、演奏へ。スケールをなぞるリフが繰り返される「尼崎の魚」。若さを感じる歌詞で、時を超えて生で聴けたことが何より嬉しかったです。その喜びはまだ続き、締めに「東京」を披露。スリーピースの少ない楽器数ながらそのひとつひとつの音が合わさった迫力は凄まじく、僕の大好きな曲なので思わず泣きそうになるほどでした。
 この「東京」を最後に全予定が終了。新旧問わず様々なアルバムからの選曲で、ベスト盤のようなパワーがあり終始聴こうと必死でした。僕は2023年の8月に福井で行われたONE PARK FESTIVALでもくるりを見たのですが、その時とは異なる良さを発見することができ、もっと早く出会いたかったと強く思いました。
 ここまで少し長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!このライブレポートを通じてあなたが少しでもくるりというバンドに興味を持っていただけると嬉しいです!

ありがとう、くるり!



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