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影は薄いがコスパ最強?Tern Verge d9 2022

それはとあるキャンプ場でのこと。

👨ねぇ、このボタン押してみ?

👶ポチっ

1週間後。

営業所受け取りにしたけど、助手席倒しても荷室ギリギリでびびった

  自分で決心がつかないときは、何も知らない子供にボタンを押させる。

 なお、この子のお兄ちゃん(中学生)は値段を見てドン引きしていた模様。こんな大人になるんじゃないぞ(なれ)。


買っちった、verge d9

 買っちった。二台目のチャリンコ。
 20インチの折りたたみ小径車、verge d9。


 29インチのめちゃデカUnit Xと比べると、嘘みたいにちっさ。

助手席フラットにして、荷室の大半を占拠するUnit X
ちょこん。かわぃぃ。

 折り畳みがほしーなー、と悩みに悩み。
 折り畳みならやっぱ、vergeっしょ。

 そう、皆さんご存知。ternのverge d9。

 え?知らない?
 verge、知らないの?

 えっ?vergeは知ってる?
 n8とp10なら知ってる、だって?


イマイチ影の薄い、d9ちゃん

 認めましょう。
 d9は影が薄い。

ぱっと見違いがわからないvergeシリーズ

 n8やp10の圧倒的知名度と比べると、d9は無。

 なんでかって一応理由はあって、2019年に一度廃番になっているから。
 廃盤前のd9は、実質n8の変速機違い。

 n8が8段変速、d9は9段変速。
 他にもフレームが違ったりもしたけど、まぁー地味子ちゃん。

 どっこい。
 2022年、d9は復活を果たした。
 バージョンアップを引っ提げて。


新生★verge d9  2022★

 2022に舞い戻ったd9ちゃんはp10寄りの仕様。
 p10との主な違いは変速機とホイールとタイヤとフロントフォーク。

 え?2019年モデルと何が違うって??
 一番のバージョンアップポイントは!ココ!ディスブレーキ!!

っぱディスクよ


 そう、2019年以前のd9はVブレーキでしたが、新生2022モデルはp10と同じシマノのディスクブレーキ搭載になりました。
 ちなみにn8は2022年もVブレーキ。

 この差は大きい。
 変速機やらフォークやら、ハンドルポストやらなんやらは後からカスタマイズでどうとでもなりますが、ブレーキの種類だけはそうはいかんざき。

 Vブレーキかディスクブレーキかはフレームそのものの形状が変わるため、基本的には後から変更が効きません。

 例外的に、古いクロモリフレームのチャリを加工してディスクブレーキ台座を取り付ける改造事例もあります。
 ただ溶接を必要とする特殊加工で割高な上、強度的な課題もあります。

例外的に、クロモリで相性問題なければ加工業者で後付けもできる

p10じゃあかんの?

 であれば当然思うでしょ?
 ディスクブレーキ欲しいん?p10じゃあかんの?、と。

p10じゃあかん理由。

 p10高杉なんじゃ!!!1!!!

 コロナコロナで需要たかいたかい、からの値上げ値上げ。
 が春先にあったと思えば、夏、円安い安いからの値上げ値上げ。

 つい数年前は12万で買えたp10は、すっかり20万。
 買えるか!こんなもん!

 ところがどっこい。
 我らが影薄い系チャリのd9ちゃんは、知られていないが故に値上げ前の在庫が残ってます。

 自転車業界はその辺り非常に慈愛に溢れた販売店さんが多く、値上げ前に仕入れた在庫は、その当時の価格をベースとして販売してくれることが多いです。

 また年末が近づいてきたこともあり、2022モデルの在庫処分的な動きもあるのか若干割安。
 実際、d9の価格はこんな感じ。

・旧価格    ¥128,000- (2022年2月以前)
・現行価格   ¥159,500- (2022年8月以降)
ネット最安値 ¥110,000- (2022年10月26日現在)

ちなみにp10のネット最安値は¥163,500-。
最安値比較でも5諭吉の差があります。

d9とp10、どこがちゃうん?

違いは以下の5点。

・変速段数 
 d9は9速(Shimano, ACERA M3000, 11-36t)
 p10は10速(Shimano, Deore RD-M610, 11-40t)

・フロントフォーク
 d9はハイテンフォーク。ちょい重い。n8と共通。
 p10はアルミフォーク。ちょい軽くて、かっこいい。定価¥18,810-。

ちょいエアロ構造のp10フォーク

・ハンドルシートポストの長さ
 d9は320 mm。
 p10は290 mm。

・ホイールのグレード
 d9はフツーの451ホイール。
 p10はKinetixのちょっといい451ホイール。少し軽い。けどスポーク数が少なく、剛性不足でダンシング時にブレーキディスクがスレる、なんて声も。

・タイヤのグレード
 d9はCST, 37-451, light skinwall, 60 tpi。安タイヤ。
 p10はSchwalbe One, 451 , 20×1.1/8 F/V。451の定番。というか他に選択肢が……

 変速、フォーク、ホイール、タイヤのグレード加味すると、確かに価格差は5万円くらい。むしろ、p10のがちょい安?

 ただ、変速は10速と言わず、11速、その気になれば12速化のセルフ改造も可。

Unit Xで使用していたSRAMのSXイーグルは通常のシマノスプライン適応のため、12速化も夢じゃない

 フォークは中華カーボンフォークという選択肢も。

Amazonに溢れるノーブランドカーボンフォーク


 ホイールは、そもそも451を使い続けるのか、という話も。406でビッグベンも履きたいよね…
 タイヤはどうせ消耗品なので、などなど考えると、最初に5万増してp10買うよか、d9をカスタムベースとして考えた次第です。

 フレームはどっちも完全に共通だしね。


じゃじゃ、n8じゃあかんの?

 n8のネット最安値は¥95,802-。
 人気モデルなだけあって旧価格の在庫はほとんど残っておらず、値下げ率もイマイチです。

 もちろん、Vブレーキが欲しい人はn8一択になります。
 ディスクブレーキのメンテナンス性の面倒臭さは、確かにわかる。

オイルブリードをエンジョイする海外勢

 ただ、451と406のホイールを使い分けるならディスクブレーキモデルがおすすめ。

 n8を451化する場合、Vブレーキのロングアーチ化が必要だったりと、何かと面倒。

 対してd9やp10はディスクブレーキなので、ディスク対応ハブのついている406なら、ディスクのスレ調整程度で済みます。楽でいいね。

 ディスクハブのついてる406ホイールなんてあるん?と私も最初は思いました。
 あるんです。 大量に。

 そう、BMX用ホイール。
 BMX用ホイールはもれなく20インチ406ディスハブ。ひゃっほい、BMXサイコー。


 他にn8とd9の違いとして、
・ハンドル固定部
 n8は簡易ロック。
 d9はVROステムでしっかり固定。
 →ブルボーンバー化などの場合、n8の簡易固定では前方向に対する固定力が弱く、結局VROステムを導入する必要があります。その場合、ハンドルシートポストごとTハンドルバーというものに交換する必要があり、純正品は¥18,000-。ひえっ

・ハンドルシートポストの高さ
 n8は350 mm。
 d9は320 mm。
 p10は290 mm。
 →短いほど、前傾が強くスポーティーに。n8の350 mmはちょっと街乗り重視すぎて、お尻への負荷が強そうです。

 つまりn8とd9を比較すると、実売価格2万円程度の差で、
❕シマノ製ディスクブレーキ(+p10と同じ高剛性フレーム)。
❕合計2 万以上するVROステムとT-ハンドルバーが初期装備でハンドルバー交換の自由度高し(何気にここポイント)
❕変速8→9(ここはまぁ、後でいかようにも)
❕406→451(これも好み。タイヤグレードはn8のが良い)

 ね?
 つまるところ……

影薄グレードのd9ちゃん、実は一番コスパ良くない?!

ということでした。
ちゃんちゃん