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奈良時代 今とつながり いとエモし。

こんにちは、ぷるるです。
今日本屋で、この本を知りました。

ヒット作なので、ご存じの方も多いかと思いますが。


立ち読んでニヤニヤしていたら、隣で本を物色していた人がそそっと離れていきました。

行かれてはちょっと傷つき、いとエモし。

ええ、使い方間違っているのわかってますよ!
だって普段『エモい』なんて言わないし。
使ったら無理してる感が出る世代ですしね。

でもね、この本のコンセプトを読んだら、『エモい』がストンと胸に落ちたんです。

過去と今がつながったぞい。歴史は続いてるぞい。


パラパラとめくれば、美しいイラストと今の感性で読み解かれた古典が、目の前にぱーっと広がります。過去と現在が重なり合う瞬間。

これが売れているとは、あなうれし。

1〜3章まで、イメージカラーで分けてあるのもイイ感じ。


書店の方に了解を取って撮影しました。


かなり迷ったけれど、私はこの本を買いませんでした。
本当に素敵でしたが、解釈が私の好みとはちょっと違ったからです。
でもそれはこの本が、あるいは私が間違っているという話ではありません。

ここから先は個々の感性の違い。そして感性に正解はなし、ですもの!

この本に深く胸打たれるのは、素晴らしい。
自分なりの解釈を考えても、素晴らしい。
それをぶつけ、語り合うのもやはり素晴らしいと思うのです。

また和歌や俳句の歴史や背景を学べば、別の印象に変わるかも。
それも良き良き、実に良き。

つまり、オールオッケー!!

そしてこれが出来るのは、原典の完成度がとても高いから。
この事実もまた、私の胸を熱くしたのでありました。


ところで「いとエモし」を立ち読みながら、私はある本を思い出していました。

橋本 治(はしもと おさむ、男性、1948年(昭和23年)3月25日 - 2019年(平成31年)1月29日)は、日本の小説家、評論家、随筆家。
イラストで注目され、『桃尻娘』(1977年)で作家に。博学、独特の文体を駆使し、古典の現代語訳、評論・戯曲など多才ぶりを発揮。
(以下略)

Wikipedia 橋本治より


高校の3年間、私は橋本治にかなり傾倒し、彼の本をたくさん読みました。

影響を受けた結果こじらせ女子高生になっちゃって、ほんとそれ良かったのか悪かったのか・・・おっと閑話休題。

橋本治の小説デビュー作「桃尻娘」は、その当時の現代っ子、トンでる女子高生(=桃尻娘)の恋と青春を描いた、計6冊のシリーズ物です。

ちなみに表紙は天才漫画家・高野文子。

4冊目「無花果少年と瓜売小僧」は、今も通じる気がします。

そう、桃尻語訳とは「枕草子をイマドキの言葉にしたよ」って意味なのです。

「清少納言って、要は平安時代の桃尻娘でしょ。そんな若い女子がさ『春は夜明けに趣がある』なんて言い方、するわけないじゃーん!」

この発想から橋本治は「春って曙よ!」の名文句を生み出し、本はベストセラーとなりました。

もちろん彼は、枕草子と清少納言を学びに学んだ上で女子語変換したのですが、識者からは結構叩かれていましたね。

それだけ「現代語訳」とは違う、「現代感性翻訳」の登場は画期的だったのでしょう。

「いとエモし」の祖先本と言っても、過言じゃないと思うのですが。


そして私が「いとエモし」に引かれたのは、noteの影響なのです。
なぜならnoteで俳句を詠む方の多さを、体感したから。

随筆ならちょっとだけ書けるけど、私は短い言葉に気持ちを乗せることは苦手です。詩や短歌、俳句なんて思いつかない。

だから詠む方達をすごいと思うし、なんだかうれしいんですよね。
日本独自の表現方法は、長い時を超え今も生きているぞって。

あ、でも季語辞典を見るのは結構好きなんですよ!


これ電書ですが、「本としての厚み」を感じずにおれないデータ量です。
日本語がいかに感性豊かな言葉であるかの証ですね。

せっかくですから、詠めない私の使い方をご紹介しましょう。
例えばこの言葉、私は季語辞典で初めて知りました。

七月は木陰も暑くていとエモし(何もかも間違った使用例)


美しくかつ的確に情景を表した、素晴らしき言葉です。

すると昼でも暗く涼やかな木陰に遭遇した時に、ふと思い出すわけですよ。
「ふむふむ、これが緑蔭か」と。

心の中で納得 → 満足からニヤつく →  周りから人が去る → 完。

うーん、私にはアウトプットが欠けていますね。
なら季語を我が記事に入れ込んでみるのはどうでしょう。

ただその場合は、季語にふさわしい記事を書かねばなりません。
プロゴルファー猿や餃子や、漫画美容室の話じゃ、ちょっとねえ。


・・・・やっぱり季語は学ぶにとどめようかな、口惜しう。









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