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豪邸に閉じこもる13の夏・・・LA滞在記①

こんにちは、ぷるるです。
先日散歩をしていたら、ふとロスで過ごした13歳の夏休みを思い出しました。

輝く太陽、さらりとした風、都会と自然が融合する街、ロサンジェルス。
本当に素敵なところでした。

ただ私の場合、滞在期間の半分は「オレたちひょうきん族(*1)」を見て過ごしたんですけどね。

クーラーの効いた部屋で、お菓子食べながら満喫。


なぜそんな事になったのか。
今日はそんな思い出をご紹介したいと思います。


私には家族同然の「育ての母(通称おばちゃん)」がいました。
この経緯を説明すると相当長くなるので、今回は以下の表にてご理解願います。



おばちゃんは、私が7歳、9歳、13歳の夏休みに、私を連れて妹のさちよさんの暮らすロサンジェルスへ遊びに行きました。

さちよさんは陽気で優しく、私たちをいろいろな所へ連れていってくれたものです。

例えばカリフォルニアのディズニーランド・パーク(*2)

興奮しすぎて、鼻血を出した7歳。

シックス・フラッグ・マジックマウンテン(*3)

ライオンと写真を撮った9歳

ラスベガス(*4)

キッズ用のスロットマシーンに興じた、13歳。


7歳と9歳の時は、大学生だったジェニーとジャックがたくさん遊んでくれました。巨大ショッピングモールに、映画に、ドライブ・・・。

何もかもが素晴らしい思い出です。

おばちゃんと7歳の私。

ただ13歳の時は、さちよさん一家の事情が少し違いました。

①スーパーの3店舗目を出したばかりで、仕事が山積み。
②ジェニーとジャックが社会人になり、忙しくなった。
③山中の高級住宅街へ引っ越した。

そう、仕事で大成功したさちよさんは新しい家に引っ越したのですが、そこは町から車で30分ほど山(?)を登った場所にありました。

つまり、車がなければ自力ではどこにも行けないということ。

つまり私はスーパーの定休日以外の週6日を、おばちゃんと家の中で過ごすことになったのです。

十分すぎる歓待を受けた上での話です。

とはいえ、庶民の私には、地下室や3つのバスルームがある家なんて初めての経験。
まあ各部屋が広い!絨毯の毛足がながい!家具の1つ1つが豪華!
住むだけで楽しかったものです。

また当時洋楽にハマっていたので、ラジオからずっとロックが流れるのも最高でした。爆音を出し大声で歌っても、叱られないとは天国。

広い庭にあるデッキチェアに寝そべり、サングラスをかけて異常に甘ったるいジュースを飲めば、ちょっとした女優気分に。

無意味に指を鳴らしてみたりしてね。当然誰も来やしませんが。

3基のスプリンクラーが、定時に芝生へ水をまく。リッチ!!

ただ・・・こういう生活って3日もすると飽きるんですよね。

初めはミステリアスに思えた地下室も、慣れるとただの物置だし。
高い生垣に囲まれているので、庭から見えるのは空だけ。

面白く感じたテレビも、聞き取れないからだんだん苦痛に。
学生の本分たる勉強?・・・ロスに来てまでするわけないじゃないですか!

その間、おばちゃんは朝から晩まで家事に勤しんでおりました。
え?お前も家事を手伝ったらどうかって?

おばちゃんは一人で何もかもやりたいタイプなので、拒否られちゃうんです。
私が人でなしのポンコツだからじゃありませんよ。

そんなわけで、私はロスにいながら

死ぬほど暇でした。


あんまり退屈だから、隣家を訪ねてみようと思い決行。でも敷地から出て1秒で後悔しました。

だって車や人がいないんです。無音すぎて「シーン」という音が聞こえてきそう。

ホラー映画だったら、完全なる危険フラグです。

それでも5分ほど歩いて右の隣家に行けば、立派な門が私をシャットアウト
10分かけて左の隣家に行ったら、3匹のドーベルマンに吠えられました

吠えるドーベルマンは、まさに地獄からの使者。


そして夜には、さちよさんから激しく叱られました。
「家の敷地からでちゃだめ!!銃で撃たれたらどうするの!!」

銃?!?!


・・・・日米の差を実感した瞬間です。

では家の中で面白いことをしようと、長い廊下を前転で転がり続けてみましたが、すぐに首を痛め断念。
SNSのない時代ですから、友達と連絡を取る手段は手紙しかない。

私はすっかり途方に暮れてしまいました。


そんなある日、ジャックが私にビデオを持ってきてくれました。
「これ、日本で大人気って聞いたよ」と。

それは「オレたちひょうきん族」のビデオでした。

やっと前置きが終わりました。


優しい彼は、日本人街のレンタルショップでわざわざ借りてきてくれたのです!

でも私は小学生の頃からバリバリのドリフ派。裏番組たるひょうきん族を遠ざけてきました。ドリフを裏切るわけにはいかないから。

でも日本語の番組がうれしすぎ、そんな事言っていられない!

そして1本見た私はすぐに、

ひょうきん族派へ鞍替えしました。


女って薄情ですね。

そんなわけで私はロスにて、ひたすら1年遅れのひょうきん族を見て過ごしていました。仕方がないことだったのです。


もちろん虚しさに襲われることもありました。

特に日暮れ時・・・庭でスプリンクラーの音を聞いていると、思うんですよね。

「私、ロスまで来て何してるんだろう・・・」って。

ブラックデビルのモノマネばかり上達してどうすんだ、と。
英語はこれっぽっちも上達しないのに、と。

他の人ならもっと有意義に、この時間を過ごすのではないか・・・。
己のレーゾンデートルが揺らぐ瞬間を味わったものです。

まあ夜さちよさんたちが帰ってきて、みんなでおしゃべりしていると、忘れてしまうダメ中学生だったのですが。


ただ、こんな私の日々を苦々しく思っていた人物もいました。

ジェニーです。

彼女は「二人はもっと有意義にロスを楽しむべき!」と考えていたようで、ある夜私とおばちゃんを友人主催のホームパーティーに連れて行ってくれました。

手巻き寿司を家でやるアレとは違いました。


「ぷるると同い年の子たちが来るから、友達になるといいわ!」

そう、ジェニーは私のために”友達”を用意してくれたのです!!
本当に彼女は心の暖かい女性でした。

しかしジェニーは知りませんでした。
私が自意識過剰でこだわりが強い、昭和サブカル女子だということを。

そして私も知りませんでした。
本場の「ホームパーティー」や『THE☆アメリカンボーイズ&ガールズ』が、どのようなものかを・・・。


続きました↓↓↓



写真は無料サイト「O -DAN」から多用。

*1:オレたちひょうきん族
1981年に始まったお笑い番組。ビートたけしや明石家さんまなど、今のお笑い重鎮と言われる人がしのぎを削って作り上げた番組。当時ものすごい人気を誇った。


*2:ディズニーランド・パーク

私が行ったのはカリフォルニアのディズニーランド・パークです。まだTDLがなかった時代なので何もかもが初めての体験。私は興奮しすぎて鼻血を出し、翌日寝込みました。
ただ、写真はフロリダのディズニーランド・リゾートのものです。無料ではこちらしか見つけられませんでした。

*3:シックスフラッグ・マジックマウンテン

ジェットコースターで有名な遊園地。私が行った頃と今はかなりイメージが違います・・・当時もジェットコースターはありましたけど。私はライオンと一緒に写真を撮りました。昭和の画像クオリティをお楽しみください。


*4:ラスベガス
さちよさんたちがお休みをとって、2泊3日で連れて行ってくれました。
その心遣いに、今でも感謝の気持ちでいっぱいになります。
でも私は未成年なので、キッズコーナーしか行けず。夜はもちろんホテルの部屋で待機!
こういうところ、すごーく厳しいんですよね、アメリカもさちよさんも。
大人たちは散々楽しんだ模様です。いいなあ〜。

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