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すきな服を着る話

服を買うのが苦手だった。
本当に、ほんの1,2年前まで。

1人ではなかなか服屋さんに入れないし、店員さんに話しかけられるのも苦手だった。「こんな子がうちの服を買うの?」と笑われるんじゃないか、と本気で思っていた。(自意識過剰なのだ、悪い方向に。)

要は自分に自信が無かったせいだと思う。服選びだけでなくメイクにも、1,2年前まではほとんど興味がなかった。コスメはたぶん片手で足りるくらいの数しか持っていなかったと思う。(今じゃその何倍もの量を抱えている) 自分を磨くことに興味がなかった訳では無い。よくライブやイベントに行っていた頃は、参加の度に服を見に行っていたしメイクも気合を入れていた。前日にパックだってしていた。

でも、逆に言えばそんな機会でなければ自分を着飾ることに抵抗があったのだ。自分なんかが、かわいい服や流行りの服を着ても服が勿体ないし、コスメだって、使いこなせないのに買っても仕方ない。…恥ずかしい、とまで思っていた、と思う。

本当は、昔からずっと好きなファッションがあったのに。ジェンダーレスの時代にこの言葉が適しているのか分からないが、フェミニンな服が私はずっと好きで、今でも大好きだ。ロリータだっていつか着てみたい。おっきなリボンやフリルがすきだ。ふわふわのプリンセスラインのスカートにきゅんきゅんする。

でも、そんな服たちをずっと遠ざけていた。
自分には似合わないから、もっと似合う人がいるから、みんなに笑われるから。「なんか今日の服すごいね…」って言われて、みんなに引かれてしまうから。それが、嫌で。「そんな服、恥ずかしい」って、自分に言い続けていた。


少しずつ、変われたのは。
周りに、何を着ても褒めてくれる人達がいたから。

ライブで少し目立つ服を着ていった時に、「お姫さまだ!」と目をキラキラさせて褒めてくれた、ネットの友達。
私がどんな服を着ても、「似合ってるから一生着ててほしい」なんて言ってくれる友人。
私が会いに行く度に、かわいいかわいいと褒めてくれた大人の人たち。

あーなんか、ちゃんと振り返ってみると、私って前から恵まれていたんだな。私には背中を押してくれる人がたくさんいた。それもどーん!と一度っきりで終わらせるんじゃなくて、少しづつ、でもずーっと長い期間、背中を押し続けてくれる人達が、色んなところに、たくさんいたんだな。
感謝。だな、本当に。

私は、いまは、自分のことが好きだ。
「自分大好き」って何が悪い?と思うタイプだ。
でもそれは、恵まれているからそう思えるのだ、ということも知っている。
好きな服を、着たい服を、着たいときに着れること。
誰かのちくちく言葉を、「好きな服きて何が悪い!」と跳ね除けるための自信を持てること。
そこに至るまでに私の味方をしてくれる人がいたこと。
誰もがそれらに恵まれているわけじゃなくて、だから私はすごくすごく幸運なんだと思う。


結局、何がいいたいんだっけ。
そうそう、だから私は、だれに何を言われても自分の好きな服を着るし、そんな自分はめちゃくちゃかわいいと思っているよ、という話。傍から見たら似合ってなくても、私はその服が好きなんだから、それでいい。何なら、似合う自分に変わればいい。

そしてそれは私だけじゃなくて、好きな服を着ている人はすごく輝いてみえるし、自分のこと好き!って思えることは最高だと思う。そして、私は私の味方でいてくれた人たちのように、誰かの味方でありたいなと思う。おこがましいけど、周りの様々な障害や自分の心と戦って、自分の好きな服を着ようと頑張る人がいるならどうか、
「誰がなんと言おうとそんな貴方は最高だ!」と隣で背中を叩きながら言わせてほしい。

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