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イギリスの小・中学教育制度と中学受験:わが家の場合

各家庭によりますが、階級社会のイギリスでは、中学(secondary school)の進学先が日本の高校並みに重要なようで、この時期に受験をさせる家庭も少なくありません。

まだこちらに来たばかりの頃、同い年の子供を持つママが「セカンダリー受験の勉強はいつから始めるべき?」と先輩ママに聞いており、その答えが「小学2、3年生頃かなぁ」だったことに内心驚いていましたが、わが家にはまったく関係がないと、完全にひとごと状態でした。

ところがドッコイ、まさかの現地滞在延長。そこで突きつけられる、計算狂いとなった現実=中学どうする問題。急遽わが子ごととなり、大焦りです。以下、長くなったのと、以前の私同様、“ひとごと”の方のお時間を無駄にしないよう、“わが家ごと”、“関係はないけど知りたい方”向けに、有料とさせていただきます。なお、わが子が受験したのは私立校(受験校名の記載なし)のみなので、グラマー・スクールの受験体験をお求めの方は、ご購入にお気をつけください。

イギリスの教育システム:中学進学の重要性

日本ですと私自身も含め、大学受験の前に、まずは人生初めての高校“受験”に頭を悩ませた、という方が多いのではないでしょうか。それがイギリスですと、セカンダリー・スクール(7年生から11年生まで)こそが、その後の人生を左右しかねない、重要な分岐点のようです。

実際、保護者たちは子供が小学校高学年にもなるとピリピリし始め、放課後のクラブや習いごとをやめさせ、かわりに塾に通わせる、エスカレーター式に上がれる中学部つきの他校に転校させる、といったケースも出てきます。

子供が小学4年生(Year 5)に上がったときの、保護者への担任からの挨拶は、「受験に向けていかに効率よく点数を取れるかに注力していく学年になります」でした。まるで日本の私塾で聞くような発言ですね。これまた知らなかったのですが、私立ですと?シックスス・フォーム(6th Form)という、日本の高校にあたる学年(16〜18歳)がくっついている、つまり中高一貫になるので受けさせたい、という目的もありそうです。

でも、そういえばそれは日本でも同じですね。高校受験をしなくて済むよう、先に中学受験をさせておくとか・・。私の周りでも、中学受験をさせている友人が思いのほか多く、驚きました。では、どのような点で日本の受験とは異なるのか、以降はわが子が実際に受験するまでのプロセス、具体的な時期、日程などについて記載しているので、よろしければご一読ください。

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