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あなたの英語はネイティブ何歳レベル?vol.6<イギリス「世界本の日」>

毎年3月第1木曜日は、「ワールド・ブック・デー」という世界本の日で、今年は先週の3月4日でした。ユネスコで1995年に制定されて以来、読書に親しむことなどを目的にした行事で、イギリスに限らず世界中で実施されているようです。

かの有名な劇作家、シェイクスピアの国であるイギリスでは、公立私立校を問わず本を使った教育を重視しているので、1£分の図書券を配るなど世界本の日にも国総出で力を入れています。

わが子が通うイギリスの現地校では、幼稚園の頃から毎日1冊ずつ本を家に持ち帰ってきては読ませる習慣があります。10月にはbook weekと銘打った読書週間があるほどで、読書の大切さを日頃から切に説きます。

コスプレ好きなイギリス人

海外にいるとやたら仮装する機会が多いですが、イギリスでもやはりそうでした。本の日当日も仮装するのですが、わが子の学校ではほかにも年がら年中、仮装する日があります。

クリスマスは「クリスマス・ジャンパー」(関連記事)と呼ばれる、日本でも「ダセーター」として知られた、あえてダサいクリスマス柄のセーターを着てくる日、2月にパターン(pattern)デーと、模様を学ぶためにボーダーや水玉など、なんらかの「パターン」が入った柄物のシャツを着てくる日、5月にハット(hat)デーで派手な帽子をかぶってくる日、6月には(Medieval Feast)と言って、中世時代の生活様式を振り返るため、中世当時の格好をし、この日のお弁当は当時の様子を思い起こすような、昔風のランチ・ボックスにわざわざ入れて持って行かなければなりません。

やるからには徹底的に、がイギリス式

今ではもうすっかり慣れましたが、越してきたばかりの初年度は、どういった格好をさせればよいのか、都度頭を悩ませました。中世の食事を再現したお弁当に至っては細かな指定があり、例えばチーズ・スティックは現代風で、昔はなかったであろう個包装された便利グッズなので、NG

イギリス古来の物であるべきなので、トマトはイギリス生まれでないので却下。チーズでも、イギリス固有のチェダーや、文句なしの象徴的なリンゴ、イギリス種のハムなど、なんだかオツマミのようになってしまいそうでどうしたものか、と考えたり。

容器も日本人の私には思い至りませんでしたが、バスケットが当たり前のようで、オプションで、強制ではないよね、と思っていたところ、かなり「当然」な雰囲気で、急遽花を飾る用のバスケットで代用したり・・。

海外では必須アイテムの和風モノ

10月はインターナショナル・デーで、好きな国の民族衣装を着て登校する日。これは日本にいる時から予想できていたので、甚平と浴衣を日本から持参してきており、慌てなくてすみました。

そのほかにも、詩や劇の発表会でテーマに合わせるため、カラフルなレインコートや傘、長靴といった雨具を用意せよだの、なのに無地の茶色い長袖をと言われ、季節柄なかなか手に入りにくく、苦肉の策で柄物のシャツを裏返して着せたり、こうして羅列するだけでも、かなり毎回用意を迫られていますね。

世界本の日の様子

話は舞い戻って、ワールド・ブック・デー当日はどこの学校でも、好きな本の登場人物に仮装して登校するのが一般的です。今年はコロナ禍で、残念なことにギリギリまだ学校閉鎖中で実現しませんでした。と、思ったら、ちょうど今週から再開され、本の日は来週に延期されることになりました!家庭学習終了(涙)

例年ですとわが子の学校では、学年ごとに対象の本が決まっており、それら複数の本のキャラクターに扮する決まりになっています。それもまた、かぶり物の帽子をひとつぐらいかぶらせとけばいいよね、と甘く見ていると、そのあまりの本格っぷりに驚かされます。

この日は終日ワークショップなど、さまざまなアクティビティを楽しんだあと、最後は各学年のベスト・ドレッサー賞の発表で締めくくられます。それもあってか、どの子もが夜鍋で?かぶり物や衣装を手縫いしたと思われる、個性あふれる本格的な装いをしており、毎回「にわか仮装」でやり過ごされているわが子はちょっとかわいそう⁉︎いつもながら、本人はあまり気にしてませんが・・。

テーマ柄、幼稚園までは各種動物、小学生低学年までは赤ずきんちゃんなど、かわいらしい童話の格好、中学年はハリー・ポッターやウォーリーといったおなじみキャラクター、高学年になると、騎士や貴婦人、町人のような、歴史上の人物っぽい大人びた姿が多く見られます。

もちろん、先生たちも、むしろ生徒たちよりテンション高いんではないか(必要に迫られて⁉︎)というほど、ヘアメイクもファッションも本気仮装なので、気合い十分です!

ただ、おもしろいのが、毎年「気分が乗らない」など、当日仮装して来ない子がクラスにたいていは1人、2人いることです。それが許されることに、欧米式教育の柔軟さを感じます。


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