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母の日に ちなんで

うちのお母さんにも神が降りてきていた。
神がかってた。
めちゃくちゃ芸術的だった。

金にならないことに、あんなに情熱を捧げられる人、なかなかいない。

もうこの世にはいないけど、さっき私がラの音を取れないな〜と思ってたら、私にラの音を届けてくれた。

それは、私の思い出の中の声。
「ぷーらー」って呼ぶ声の高さが、ラの音だった。

私は、なぜだか、ラの音が取りづらくて。

ラの音って、産声の音なのに、みんなその音を持ってこの世に誕生するのに、どうして私は取りづらいんだろ、って思って、よく考えてみたら…
私は、「赤ちゃん」じゃなくて、「白ちゃん」で生まれてきたってことを思い出した。

私は、泣かなかったんだ。
産声を上げなかったんだ。

長時間の出産で、最後は鉗子分娩でこの世に生まれてきた。

おかげで、あちこち、身体に地味な不調を抱える子どもだった。

おねしょは、中学1年生までしてたっけ。

鉗子分娩って、結構、暴力的だよね。
鉗子で頭を挟んで、引っ張り出す。
頸椎とか、軽く損傷したかもしんない。

まぁ、それは置いておいて。

お母さんが神がかってる場合、お父さんが眩し過ぎなかったかってこと。

さくらももこさんも神がかっていて、元夫の宮永さんは、徐々に悪を宿していったのではないか。
あんなに楽しそうに二人でオールナイトニッポンをやっていたのに…。


死んでしまったお母さんの枕元で、「本当は結婚なんてしたくなかったんだ」としみじみ言ったお父さん。
私はその言葉を許せなかったけど、何がお父さんにそう言わせたんだろう。

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