【1日1文献】日常生活動作訓練が実動作場面で汎化困難であった 慢性呼吸不全患者に対する介入:症例報告#呼吸器疾患#高次脳機能障害#日常生活指導

参考文献:日常生活動作訓練が実動作場面で汎化困難であった 慢性呼吸不全患者に対する介入:症例報告
筆者:土井 胡幸(OT)
発行日:2019年
掲載元:第39回近畿作業療法学会
検索方法:インターネット
キーワード:呼吸器疾患,高次脳機能障害,日常生活指導

【はじめに】
・呼吸器疾患患者の作業療法(以下,OT) は日常生活動作(以下,ADL)訓練を通し,楽にADLが遂行できるよう,呼吸法の指導や動作様式の変更を行う.
・近年,慢性閉塞性肺疾患(以下,COPD)患者は 高頻度で高次脳機能障害を呈することが先行研究で報 告されている.
・今回,細菌性肺炎にて入院となった慢 性呼吸不全患者を担当した.ADL 訓練にて動作指導 を実施したが,実動作へ汎化できなかった.
・そこで, 高次脳機能に留意した介入を実施したので報告する.

【考察】 
・先行研究では,COPD 患者の前頭葉機能は FAB の類似性や語の流暢性,抑制で低下を認めると 報告しており,本症例も同項目で減点を認めた.
・日常 での関わりや認知機能スクリーニングでは,症例の高 次脳機能は年齢相応程度と思われたが,疾病教育や動 作指導を通して関わることで症状が浮き彫りとなった. 
・そのため,慢性呼吸不全患者の全般性認知機能に加え 前頭葉機能を評価の上,症状を考慮した指導方法で ADL 訓練を行う必要がある.
・また,COPD 患者には 言語機能に依存しないパンフレット等を用いた訓練が 推奨されている.
・本症例に対しても,イラストや短文 で簡潔に指導内容をまとめたパンフレットを用いた訓 練により,実動作への汎化や退院後の生活に影響を与 えたと考える

参考URL:
http://kinot39.umin.jp/pdf/abstract/P7-4.pdf 


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