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「発達障害児は、私立学校が向いている」ってホンマかいな。

まず最初に述べておくと、「結論」はない。
これって、まったく同じ発達障害児を、公立バージョンと私立バージョンと、二つ通わせて比べてみないと、分からない答えだよね。

しかも、たまたま「私立が良かった!」場合も、「公立こそよかった!」場合も、それは「たまたまその学校とその子の性質が合っていただけ」かもしれず、一般化なぞできやしない。
私立だって千差万別だし、公立だって地域性があるだろう。当の子どもだって、性格も違えば強みも弱みも違うわけで、「そんなんあんたの子だからだろ」で終わる。

ならば、なぜこんなタイトルを掲げたのか。

1歳の頃からASDと言われてきた我が子が、幼稚園前も、幼稚園入園後も、就学前相談時も、小学校入学時も、転校しても、ずーっと言われ続けてきたのが、このフレーズだから。

ホンマかいな。

もっとも、こういうフレーズを言う人に限って、「例えば、どこの私立がいいんですか?」と尋ねると、「いや、それは知らんけど……」的な反応で、なんのこっちゃ……で、会話は終わる。

アドバイスとも言えないくらいアバウトで、むっちゃ大風呂敷なアドバイス。だけど、複数の人が、異なる場で同じようなことを言うということは、何かしらの複数の実体験がそこに込められているのだと推察され……。

理由を無理くり考えてみた。

①私立は「選ばれる」必要があるがゆえに、学校の特色も出すし、子どもたちに対するケアが厚い。
②特定のこだわりが多いASDなどにとって、勉強は得意である確率も高い。いわゆる「勉強はできるが、社会性がちょっと……」の後半部分も、私立中学受験ではほとんど無視されるため、弱み部分が隠される。強みで勝負した結果、似たような傾向を持つ子が私立には集まりやすい……かもしれない。
③公立学校は、意外とオールラウンドな才能が要求される。勉強もそこそこ、運動系もそこそこ、社会的コミュニケーション力もそこそこ、愛嬌もそこそこ、ないと、クラスの中で無難に生きていけない!

特に③の部分で、苦労している発達障害系は多いのではなかろうか。クラスに馴染めず、担任にも疎まれ、同好の志も少なく、人数の多いガヤガヤした教室で忍耐を強いられるのは、案外「私立受験」よりもハードルが高かったりする場合もある。

あとは①の部分、「選ばれる」ために特色を出す必要のある私立の学校は、「我が子に合うか、合わないか」がはっきりしている。例えば、寡黙で内気なASDタイプは、「質実剛健、闊達に学校生活を充実させます!」を謳う学校より、「理科実験など、STEM教育に力を入れています!」をアピールする学校のほうが、馴染める確率は高い。

結果として、「これが好き!」「これが得意!」な子たちが、一つの場に集まってくる。いわゆるオタク系なんか、公立校より、私立の方が伸び伸びと過ごせる……なんてことはある??

まあ、いろいろ考えるんだけど、いかんせん我が子がまだ全員小学生なので、よくわからないというのが、現実。

あとね、仮に「私立がいい」としても、学力・知力・体力・財力的に、現在の日本の狂気じみた中学受験戦争に、親子ともども勇猛果敢に取り組めるか、というと、それはまた別の話になってくるんだけどね。

公立学校でコミュ力高い定型発達の子たちと、社会性競争をするのも地獄、
受験戦争を勝ち抜くのも地獄、

なんだかなぁ、日本の教育環境の硬直性は、いろいろなひずみを生んでいるよね。という雑感でした。


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