Aya Watanabe

翻訳者。天然石が好き。

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本日発売!

デーヴィッド・アイクの『答え』、最終巻が本日発売されました。 先日、「トランスジェンダーがSNSで伝染する」とする翻訳本の出版が中止になりましたが(引用記事とても…

Aya Watanabe
5か月前
14

くらしのアナキズム

読了。 この本は、発売当時に読みたいなと思っていて、それからしばらく忘れていたのだけど、ふとした時に図書館にあることがわかり、予約をして借りたもの。2〜3か月待…

Aya Watanabe
2週間前
3

デーヴィッド・アイクを導いたサイキック

読了。 数年来取り組んでいるデーヴィッド・アイクの翻訳、アイクが覚醒したきっかけとなったのがこの本ということで、何度も文中に出てきているのだけど、未読だった。図…

Aya Watanabe
2か月前
10

世界中の「禁断の果実」を食べ歩く

読了。 「禁断の果実」とは法規制されているものを指す。密造酒、ポピーシードクラッカー(シンガポールでは違法)、殺菌されていない乳で作ったチーズ(米国では違法)な…

Aya Watanabe
2か月前
6

アナーキック・エンパシー2:アイクの難解な論を読み解いてみよう

承前。 前回はエンパシーの闇落ちに関して、誰彼構わずエンパシーを向けるのは適切でないという論を紹介したけれど、逆にエンパシーを持つ人自身にかかわる問題もある。 …

Aya Watanabe
3か月前
6

アナーキック・エンパシー

敬愛する作家のひとりに、ブレイディみかこさんがいる。 彼女の著書にはよく「アナーキー」という言葉が使われる。 「アナーキー」とは「無政府状態」を意味し、「アナー…

Aya Watanabe
3か月前
8

脳のエラー

私は子どもの頃から推理小説に親しみ、そこでは大抵殺人が主題となっていて、人が人を殺す、という状況への関心が深まっていった。推理小説では犯行のトリックが重要だけれ…

Aya Watanabe
3か月前
7

何が獲れるかは自然が決める

読了。 子どもの頃から生き物好きだった筆者が、狩猟・採集したものを販売するハンターになるまで。 身近に食べられるものはたくさんある、食糧難などない、と筆者はいう…

Aya Watanabe
4か月前
6

ファーゴの女たち

大好きなドラマ『ファーゴ』、シーズン5がアメリカ本国と同時進行で配信されている(アマプラ)。 すべてのシーズンで共通しているのが、女性がかっこよく描かれていると…

Aya Watanabe
5か月前
2

損したくないと思うことをやめる

機械翻訳の台頭で、翻訳者は仕事がなくなる?などといわれたりもする昨今。 用途によっては機械で事足りる場合ももちろんあると思うけれど、一定以上のクオリティが必要と…

Aya Watanabe
6か月前
9

【地方住み子持ち翻訳者】東京出張

10年ぶりくらいに東京へ。 出産後初の単身一泊旅行。 夫の休み、子どもの休み、もろもろ考慮して、私がいなくても混乱なく回りそうなスケジュールを立てる。 行きは空港…

Aya Watanabe
6か月前
13

【翻訳】1日の仕事量を把握する

急ぎの仕事が入り、無理めのスケジュールだとは思いつつも、受けた。 がんばればいけるかな、ということで取り組んでみたら、1日1500ワードくらいいけた日もあって。 ※…

Aya Watanabe
6か月前
5

言葉選び

幼い頃から本、に限らず文字が好きで、読めるものはなんでも読んでいた。お菓子を食べる時は、箱に書かれた原材料表示もくまなく読んだ。 長じて書くことが仕事になり、こ…

Aya Watanabe
7か月前
14

君の名は

息子(6)がヴェルーカ・ソルトを気に入っていて、折に触れ 「タコさんかけて」とねだる。 このアルバムは、昔ちょっとだけ付きあった人から(わざとじゃないけど結果的…

Aya Watanabe
7か月前
12

女流とかセクシュアリティとか

原文中に引用があった場合、すでに世に出ている(定着している)日本語訳があれば、それに倣うことにしている。 ここ数日も、図書館で同じ本の違う版を3冊借り、分厚い3冊…

Aya Watanabe
8か月前
4

秋祭りでミニマルテクノ

若かりし日は週末といえば爆音を浴びに出かけていたけれど、子持ちの今となっては、もうそんな元気はない。でもダンスミュージックが好きなことに変わりはないので、家事を…

Aya Watanabe
8か月前
11
本日発売!

本日発売!

デーヴィッド・アイクの『答え』、最終巻が本日発売されました。

先日、「トランスジェンダーがSNSで伝染する」とする翻訳本の出版が中止になりましたが(引用記事とてもわかりやすいです!)

『答え』第4巻でも、1章を割いてトランスジェンダーについて取りあげており、発売中止となったシュライアーの本の内容と共通するところも多いように思います。

シュライアーはアメリカの事例、アイクはイギリスの事例を挙げ

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くらしのアナキズム

くらしのアナキズム

読了。

この本は、発売当時に読みたいなと思っていて、それからしばらく忘れていたのだけど、ふとした時に図書館にあることがわかり、予約をして借りたもの。2〜3か月待ったと思う。この本に関心を持つ人が沢山いて喜ばしい限り。というのも、

ということが書かれている、今まさに読むべき本だと思うので。

国を信じている人は多いと思う。国が推すワクチンが危険なわけがない、からみんなこぞって接種した、結果は? 

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デーヴィッド・アイクを導いたサイキック

デーヴィッド・アイクを導いたサイキック

読了。

数年来取り組んでいるデーヴィッド・アイクの翻訳、アイクが覚醒したきっかけとなったのがこの本ということで、何度も文中に出てきているのだけど、未読だった。図書館でふと目に入ったので、読んでおこう、と借りてみた。

アイクがこの本を手に取ったのは、書店で不思議な声に導かれたため。アイクは当時悩まされていた関節炎の治療(ヒーリング)を受けるため、ベティのもとを訪れる。ヒーリングを受けているときに

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世界中の「禁断の果実」を食べ歩く

世界中の「禁断の果実」を食べ歩く

読了。

「禁断の果実」とは法規制されているものを指す。密造酒、ポピーシードクラッカー(シンガポールでは違法)、殺菌されていない乳で作ったチーズ(米国では違法)など、ある場所では合法でも別の場所では違法なものもある。誰がどんな理由で違法と決めたのか? それは妥当な決定なのか? 違法であっても手にいれる方法はあって、著者は世界7か国で禁制品を摂取し、この本を書きあげた。

食も陶酔も、個人の自由であ

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アナーキック・エンパシー2:アイクの難解な論を読み解いてみよう

アナーキック・エンパシー2:アイクの難解な論を読み解いてみよう

承前。

前回はエンパシーの闇落ちに関して、誰彼構わずエンパシーを向けるのは適切でないという論を紹介したけれど、逆にエンパシーを持つ人自身にかかわる問題もある。

アイクも取り上げていた「ヘリコプターペアレント」、これは子どもの上空でホバリングして見張るような過干渉の親を指す言葉だ(同じネタが出てくるのは、ふたりの著者がともに英国在住で執筆時期も近いから?)。アイクはこれが子どもの自立を妨げるとだ

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アナーキック・エンパシー

アナーキック・エンパシー

敬愛する作家のひとりに、ブレイディみかこさんがいる。

彼女の著書にはよく「アナーキー」という言葉が使われる。
「アナーキー」とは「無政府状態」を意味し、「アナーキーな」と言ったら過激、斬新、混沌とした状況を指すことが多い。

けれども彼女がいう「アナーキー」において重要なのは「政府に依存しない」ということ。暴れて政権を転覆させるというのではなく、淡々と、粛々と、自分たちで自分たちの面倒をみるとい

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脳のエラー

脳のエラー

私は子どもの頃から推理小説に親しみ、そこでは大抵殺人が主題となっていて、人が人を殺す、という状況への関心が深まっていった。推理小説では犯行のトリックが重要だけれども、私の関心は殺人自体に向いていた。

といっても、私の興味は殺しではなく、「なぜタブーを踏み越えて殺すのか」というところにあった。犯行そのものよりも、どうしてそうなったのかということが気になる。

そこで、コリン・ウィルソンだとか、マー

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何が獲れるかは自然が決める

何が獲れるかは自然が決める

読了。

子どもの頃から生き物好きだった筆者が、狩猟・採集したものを販売するハンターになるまで。

身近に食べられるものはたくさんある、食糧難などない、と筆者はいう。

これは私も思っていて、今食べているものを同じ量確保するのは難しくなるかもしれないけれど、代わりになるものは探せばあるのではないかと。

量も、今ありあまるほど食べて、痩せるためのビジネスが盛況なのだから、減ったらむしろ健康的なので

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ファーゴの女たち

ファーゴの女たち

大好きなドラマ『ファーゴ』、シーズン5がアメリカ本国と同時進行で配信されている(アマプラ)。

すべてのシーズンで共通しているのが、女性がかっこよく描かれているということ。

シーズン5では、小柄で一見平凡な主婦かと思いきや、襲いくる暴漢を次々撃退する女性が主人公。その娘は男の子のような言動をし、義母もビジネスセンスのある強い女。

『ファーゴ』は人がゴロゴロ死ぬし、暴力シーンもある。昔ながらのア

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損したくないと思うことをやめる

損したくないと思うことをやめる

機械翻訳の台頭で、翻訳者は仕事がなくなる?などといわれたりもする昨今。

用途によっては機械で事足りる場合ももちろんあると思うけれど、一定以上のクオリティが必要とされる場面においては、まだまだ人間の手が必要だと私は感じている。

けど現実問題、単価は下がっていて。

これについて、自分を安売りしちゃいけないとか、安く請けることは後進のためにもならないという声が翻訳者から挙がっている。

私もギャラ

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【地方住み子持ち翻訳者】東京出張

【地方住み子持ち翻訳者】東京出張

10年ぶりくらいに東京へ。

出産後初の単身一泊旅行。
夫の休み、子どもの休み、もろもろ考慮して、私がいなくても混乱なく回りそうなスケジュールを立てる。

行きは空港まで車で送ってもらう。
車を降りて自分の足で歩きはじめたら、荷物が重い!たった一泊だけど、資料と私物の本(ハードカバー)3冊が効いている。

待ち時間にご挨拶先へのお土産を買う。
お気に召すといいのだけど。

飛行機が好きなので、機内

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【翻訳】1日の仕事量を把握する

【翻訳】1日の仕事量を把握する

急ぎの仕事が入り、無理めのスケジュールだとは思いつつも、受けた。

がんばればいけるかな、ということで取り組んでみたら、1日1500ワードくらいいけた日もあって。

※これから翻訳者になりたいと思っている人は、自分の1日の処理能力を把握しておいた方が良いです。1日に進んだ量をワードの文字カウントなどで確認して、記録しておく。仕事の依頼があった時、納期と見合わせて可否がわかりやすいので。

調べてみ

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言葉選び

言葉選び

幼い頃から本、に限らず文字が好きで、読めるものはなんでも読んでいた。お菓子を食べる時は、箱に書かれた原材料表示もくまなく読んだ。

長じて書くことが仕事になり、このような「読む」ことの蓄積が役に立っていると感じる。頭の中に言葉のストックがあるからだ。

私の仕事は翻訳。英文をインプットして、対応した日本語をアウトプットする。書かれていることの意味を理解したら、状況に最適な日本語を探してあてはめる。

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君の名は

君の名は

息子(6)がヴェルーカ・ソルトを気に入っていて、折に触れ
「タコさんかけて」とねだる。

このアルバムは、昔ちょっとだけ付きあった人から(わざとじゃないけど結果的に)借りパクしてしまって、今も私の手元にある。

私のたった一度のフジロック体験は、苗場ではなく晴海埠頭でおこなわれたもので、彼とはそこで知りあった。当時の私は、どろんこの野外は嫌いで完全にインドアクラブ派だった。(たぶん、ビヨークか誰か

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女流とかセクシュアリティとか

女流とかセクシュアリティとか

原文中に引用があった場合、すでに世に出ている(定着している)日本語訳があれば、それに倣うことにしている。

ここ数日も、図書館で同じ本の違う版を3冊借り、分厚い3冊からたったひとつの文を探していた。

その本は女性作家の日記で、当時彼女は30歳前後。恋愛のこと、承認欲求のことが多く記されている。私も昔はこんな感じだったかもな、などとも思うけれど、それだけに、同族嫌悪というか、忌避したい気持ちになる

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秋祭りでミニマルテクノ

秋祭りでミニマルテクノ

若かりし日は週末といえば爆音を浴びに出かけていたけれど、子持ちの今となっては、もうそんな元気はない。でもダンスミュージックが好きなことに変わりはないので、家事をしながら小躍りしたりの日々。

最近のお気に入りはEli Brown

そんな主婦が数少ない爆音を浴びられる機会、地元のお祭り。

お祭りというと、和太鼓のパフォーマンスがある。和太鼓の響きは、私にとってはミニマルテクノ(あるいはウワモノを

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