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ぷらぷらり日記 2023.5.31 りんくうタウン周辺

大阪の私鉄のひとつである南海電鉄は、その名前の通りに南部の海沿いを走る鉄道なのですが、その路線のひとつは関西国際空港を終点としており、泉佐野市内の湾岸の埋め立て地を経由します。

その湾岸の埋め立て地はりんくうタウンと呼ばれるレジャースポットで、巨大なアウトレットパークがあるほか、観覧車があったり、海に隣接した公園があったりします。

そして、南海電鉄が誇る、デザインが先鋭的で超かっこいいラピートは、この関西国際空港、および、りんくうタウンへと赴く人々を乗せる特急電車です。

とにかく超かっこいいのです。メインを張る特急電車であるサザンがダサい(超失礼)ので、余計にかっこよく見える。いや、サザンのダサさも、あれはあれで好きだけどね……?

で、自由席なら追加料金なしで乗れるサザンには何度も乗ったことがあるのですが、ラピートに関しては、全席指定で特急料金520円。

とても速いので、始点の新今宮から終点の関西国際空港まで乗っても、たったの30分ほどで着いてしまい、のんびりビールでも呑みながらとか、ゆったり転た寝をしながら、という使い方は難しそう。

しかも、同じ方角へと走る空港急行というものも存在し、サザンの自由席と同じく追加料金なし。でもって、この空港急行とラピートとで、10分くらいしか所要時間が変わらないのです。

などの理由で、今までに一度も、超かっこいいラピートに乗ったことがない。

しかし、関西の民として、それでいいのだろうか?

ということを先週くらいにいきなり思いついて、Google先生とジョルダン乗換案内先生に相談し、ついでに軽いネットサーフィンをしてみたところ、とある情報をゲット。

基本的に特急料金520円という設定のラピートだが、泉佐野駅~関西国際空港駅間ならばそれが100円にまで値下がり、区間は短いものの、格安で乗れるらしい。

これは、試してみる価値があるかもしれない。

正直、ビールを呑んだり寝たりしづらそうなラピートに、特急電車としての快適さはそんなに期待しておらず、乗ってみたという既成事実を作りたいだけなので、お試しにひと駅やふた駅のあいだ乗ってみる体験さえできればいい。

そうと決まれば、まずは泉佐野まで行ってみよう。

夜に見たらどんな感じなんだろう……?

というわけで、南海泉佐野駅前。なんかゲシュタルト崩壊を起こしそうなホテルがある。

レフ関空泉佐野byベッセルホテルズ。今年の9月に開業予定で、宿泊予約はすでに受付中らしい。


昭和11年ごろの建築だそうな。

逆方向には、昭和の雰囲気を残した風情の、つばさ商店街があります。そこから繋がる入り組んだ路地に、さりげなく現れるのがここ、2017年まで営業されていた、大将軍湯という銭湯。

現在は閉鎖されていますが、市の協力により、カフェとして改装する計画があるそうです。

かつて近くで営業されていた朝日湯は、1995年の震災被害により廃業後に、改修して庁舎の一部として利用されているらしい。

このように泉佐野市は銭湯リノベーションの実績があり、文化財の保護に前向きのようなので、大将軍湯もきっと、この錚々たる唐破風の屋根は残したまま、内部は新時代のカフェに生まれ変わるでしょう。

昼風呂はいいぞ。

その大将軍湯跡から、昔ながらの商店街を抜け、大通りをしばらく歩くと、住宅地の中に、ガラス張りのの現代的な銭湯、なごみ湯があります。

もともとは笠松温泉という昔ながらの銭湯だったらしいが、リニューアルして屋号も変更、オシャレな外観に。

入浴料金は430円。大阪府の銭湯は基本的に490円なのでだいぶ安い。サウナを付けると580円。今回はさらっと寄るので入浴のみ。

さらっと寄ったので使わなかったけど、ロビーはけっこう広い。漫画も置いてある。『SKET DANCE』のはじめのほうの巻が置いてある。

一方で、浴室はコンパクトにまとまった感じ。露天あり。横長のベンチが用意されているので、サウナーには嬉しい。サウナ使っていないけど。どうせなら入れば良かった。

開店して間もない15時台に入ったので、お客さんはおそらく常連さんばかり。なぜか危険物取扱免許の話で盛り上がっていらした。

SiSりんくうタワー。日本で3番目に高いビル。

りんくうタウンに到着。途中でなごみ湯に寄ったのもあって、正確な時間は図っていませんが、泉佐野駅からここまで、徒歩で20分くらいか。

そんなに距離があるわけではないので、わざわざラピートで行くほどでも……。ん?ちょっと待って。

なごみ湯でなごんだせいで完全に忘れていたが、そもそも事の発端はラピートに乗ってみたいというところから始まっていて、ラピートの料金が100円になる泉佐野駅から乗るのが当初の予定だったはず……。

仕方ない。じゃあ、予定を変更して、りんくうタウン駅からラピートで関西国際空港まで行こう。しかしその前に、海を見たい。

海は睡魔を誘う。

おお。海だ。海である。

まあ、ここは過去にも何度か来たことがあるので、海があることも、ベンチがたくさんあることも、トイレが多いことも知っていた。土日は知らんが平日に行くとガラガラで、ほぼ犬の散歩中の地元の人しかいないことも。

静謐な時間が流れる。なんだここ。大阪府内とは思えん。

靴を脱ぎ、ベンチに寝転び、ただただ太陽の光を浴びよう。それこそが人間らしい姿なのである。海はそう言っている。たぶん。ああ、わたしはいま、海とひとつになり、そっとねむりにつく……。

うみ。
Sea.
うみ。

というわけで、しばらく昼寝しました。

目が覚めると、そこは海であった。海辺での昼寝は非日常感に溢れている。で、その海辺から徒歩10分もかからないところに、温泉があるという。

アクアイグニスの本部は三重県にあるらしい。

アクアイグニス泉州温泉。2019年に開業した施設で、まだ新しく綺麗。

海辺の温泉なので、絶景を見ながら湯に浸かることができます。ミストサウナがありますが、水風呂はなし。むしろミストサウナいらないから、交互浴ができるように水風呂を設置してほしかった。

入浴料金は700円。各所で100円引きのクーポンが配られています。漫画が読めて寝転べる休憩処も込みの値段として考えると安いかも。

近場にあれば、気軽に通える温泉施設として確実にリピートする。

向かい側にはりんくうの湯というスーパー銭湯がありますが、さすがにもう日が暮れてしまい、ハシゴする余裕はない。

ていうか泉佐野、徒歩圏内に銭湯も海も温泉もスーパー銭湯もあるとか素晴らしいな。

時間が時間というのもあってか、ガラガラだ……。

さて、泉佐野滞在7時間目にして、ようやく当初の目的、ラピートに乗車。ラピートαとラピートβの2種類が存在するが、こちらは平日の夜8時以降に運行されるラピートα。

残念ながらフロントマスクは写せませんでしたが、まあこのデザインがよき。

1994年デビューなのでもうそろそろ30年選手ですが、旧さを感じさせない。

確かにシートの高級感はある。

せっかくなので、通常料金からプラス200円の720円で乗れるスーパーシートなるものに乗ってみる。

スーパーシートはスーパーなだけあって、確かになんとなく豪華な感じがします。このように、手前のテーブルを下ろした状態でも、余裕で足が伸ばせる。

ただ、30分しかいられないので、そろそろ酔いが回ってきましたなあというあたりで下車することになる。案の定そうなった。ていうか、チーズ鱈が食べきれずにちょっと余ってしまった。

最近は角ハイボールのロング缶を2時間くらいかけてダラダラ呑むのがぷらーなさんの楽しい飲酒タイムの過ごし方なのですが、ラピートではできないな……。

まあ、快適であることには違いないし、全席指定だからもれなく座れるし、りんくうタウンから関西国際空港までは海景色なので、懐に余裕があるなら悪くないと思います。

遅くまで運行されているので、無駄に昼寝するなどしてのんびりしすぎた場合でも安心。

ヒゲが短いので、1980年代末期くらいの顔かな?違うかもしれない。

おまけ1。つばさ商店街の某店のショーウィンドウにいた、大山のぶ代さん時代の絵柄のドラえもん。昔のドラは目が小さい。

ていうか、左のイラストの作画と彩色はペンタブによるものっぽいんだが……。そこらへんにも隔世の感がある。

おまけ2。泉佐野中学校美術部の作品だそうですが、昔だったらアニメ絵といわれたはずのこういう絵柄が学校で公式に認定されているの、なんとなく隔世の感がある。

どちらに乗っても新今宮には着く。

おまけ3。JRと南海の共同使用駅であるりんくうタウン駅は、同じホーム内に別の鉄道会社の列車が停まるという変わった構造になっている。左側にはJR、右側には南海の列車が停まる。

仮に乗り間違えたとしても、どちらも行き先が同じ方向ゆえ、最終的には大阪市内に辿り着けるのですが、その場合は、切符はどういう精算になるのだろう?

サウナはたのしい。