ぷらぷらり日記 2024.2.28 大阪府堺市三国ヶ丘
どうも月に一度くらいのペースで「なんか漠然と、どっか普段は行かないところに行きたい」と思う周期が訪れ、次の休日はどこに行くべきか、という脳内会議が開かれるのですが、「寒いから帰るの怠くなるようなくらい遠いところはイヤ」「できれば行ったことのないところ」「新規銭湯の開拓はしたい」「noteのネタになりそうなやつ」「行ったことを自慢できそうなとそろ」「名前がかわいいところ」などと、脳内でたくさんのぷらーなが喧々囂々、侃々諤々と熱い闘いを交わした結果、堺市の三国ヶ丘が選ばれました。
まず、堺市というのは大阪市のすぐ隣の市ではあるのですが、京都寄りの北大阪の民である自分としては、なんば及び心斎橋よりも南側は別の国であるという感覚があるのです。というかもっといえば、梅田よりも向こうに行くのは遠出、天王寺よりも向こうに行くのは旅行。
天王寺駅から9駅も離れている三国ヶ丘駅まで行くのはそれはもう大……、まあそれよりもずっと先でほとんど和歌山県の山中渓駅まで過去に行ったので、それに比べればしょぼいが、まあ中旅行であるとはいえる。
御託を並べているうちに、三国ヶ丘駅に着いちまった。三国ヶ丘そのものにはたいして用はない。
「みくに」という名前はなんとなく美少女っぽくていいが、もっと近所の淀川区に阪急の三国駅があるのでみくに分はじゅうぶん間に合っている。みくに分ってなんだよ。
ちなみに阪急の三国駅はaikoさんの楽曲『三国駅』のまんまモデルであり、歌詞に出てくるボウリング場はアルゴ7(旧新三国アルゴ)というところがモデルであり、隣のスーパー銭湯のあるごの湯の岩盤浴はいいぞ。
全く関係のないトリビアを語っているうちに、大仙陵古墳の正面に到着。仁徳天皇のお墓であり、日本最大の古墳として、2019年に世界文化遺産として登録された。そして、その2019年から、大阪府内の駅構内などで、この古墳があらます百舌鳥古墳群を推すポスターをよく見かけるようになりました。
正直なところ、史跡にそこまで深く興味があるというわけでもないのですが、世界文化遺産なのだからさぞかし凄いのだろうというミーハー気分で訪れた次第でござる。
で、まあ、周りがお堀と木々に囲まれているので古墳そのものはあんまりよく見えないのだが、まあ、これがひとりの人のお墓だと思うとまあ凄いんだなあと思いました(こなみかん未満)。
堺市博物館。入場料200円ですが、会社の福利厚生サービスを使って160円。
まずここに博物館が存在することを知らなかったので、安いし、せっかくなので、という軽薄な気持ちで入ったのですが、これがめっちゃ良かったです。
江戸時代の商家を再現したセットがとても良かった(古墳ちゃうんか)。なんといっても扉の小ささよ。昔の人は小柄だったというのがよくわかる。170センチ台前半の自分でも潜るのにひと苦労。大谷翔平さんはこれ潜れないと思う。
あと、最後のほうに昭和時代の暮らしと現代の暮らしとを比較するコーナーがあったのですが、そこで『小学8年生』なる雑誌が令和に存在することを初めて知りました。
小学校を2回ダブっている子たちのための雑誌……というわけではなく、数字をデジタル表示にすると、8は2~6のすべての数字になれるので、2~6年生すべてに適応できる雑誌にするべく、この名前を付けた、のだそうです。小学一年生だけは今もあるので1はカバーしなくていいらしい。
しかし、デジタル表示にすると、……って。確かに、デジタルの時計などは、うっすらと8の形が下書きのように見えるのが一般的ですが、これを小学生に説明するの、けっこう難しいぞ……?
そんなことより古墳についてはどうなんだという話ですが、大仙陵古墳の全長は新幹線16両の全長より長く、面積はエジプトのクフ王のピラミッド2個ぶんで、とにかくクソデカイということを学びました。
……『小学8年生』を買って学習しようかな……。感想がこなみ未満だし。
ちなみに、価格は1300円らしい。
館内では昭和初期の『せうがく三年生』が5銭(だったかな?)だったことと比較して、「お金の価値がかなり変わったことがわかります」と説明されていたが、自分が『水色時代』を読んで、学校の保健体育で習うよりも先にあれやこれを個人で学習していた平成中期と比べても、倍以上の値段になっているのですが。
千利休さんの像。これも知らなかったのでたまたまなのだけど、今日2月28日は、千利休さんが切腹された命日なのだそうだ。
天下を獲っていた豊臣秀吉さんによって切腹を命じられたとのことだが、その理由については諸説あり、今でも明確なことは謎のままなのだそうだ。
もともと秀吉さんと利休さんは仲良しだったみたいなので、何がきっかけでそうなってしまったのか。晩年の秀吉さんはヒステリックなところがあったなどという話もあるが……。うーん。命だいじに。お互いムカつくことがあっても命だけは大事に。
三国ヶ丘駅に戻り、駅ビル内にある「らーめん砦」へ。
大仙陵古墳の周辺は大仙公園というクソデカ公園があり、公園内外にはカフェがいくつもあるのですが、実は駅を下りて見つけた時点で、絶対にここにしようと決めていました。
以前は大阪環状線の寺田町駅の近くに店舗があったのですが、残念ながら閉店してしまったのですよね。隣の桃谷駅からも歩いて行ける距離で、銭湯激戦区のこのあたりではしご銭湯を決める合間に寄っていたんだよ……。
それだけに、駅を下りて10秒で「らーめん砦」の名前を見たとき、もう今日これだけで勝ったわ、と思った。というか、チェーン店だったんですね。知らなんだ。長崎発祥らしい。
長崎発祥なのが関係あるのかどうかはわかりませんが、ラーメンでありながら、ちょっと長崎ちゃんぽんっぽいあっさりした風味があります。
そして、日替わり丼のあさり&ほたてライスが何気にやたら美味い。家系ラーメンっぽくないので邪道な気はするのですが、半分くらい食べたところで、あさり&ほたてライスをラーメンにIN。
そしてニンニクをガバガバ。どうせこの後に行くのは風呂屋なので、徹底的にニンニク臭くなってやるぜ。寺田町店はなぜ閉店しちゃったんだろうなあ。駅から至近距離だし、繁盛していた印象もあったし、Googleのクチコミの評価も悪くないんだけどなあ。
さて、風呂屋である。実は道中にスーパー銭湯の亀の湯もあったが、今回はあえてこちらへ。「フォーユー」なる横文字の屋号の銭湯である。銭湯で屋号がすべて横文字というのはなかなか珍しい。
広さは平均的ですが縦に長く、露天スペースがわりと大きめ。5~6人は入れると思う。なぜか浴槽の段差がかなり高いので気をつけて。
今は故障しているようだが、かつては打たせ湯もあった模様。この打たせ湯のあるところ、今は何もないフリースペースになっているが、ここは何気にサウナ後の外気浴に使えそう。実際に使っている人もいるのではなかろうか。
ここは三国ヶ丘の東側にあたるそうですが、昔ながらの商店街と新興のマンションが混在する温故知新みたいな街並みで、このフォーユーもまた、瓦屋根ふうの玄関の装飾と、現代風のガラス張りの建物とのギャップが面白い造りになっています。
こういうビル型の銭湯でわざわざ瓦屋根っぽいのを付けていて、しかもそれがわざとらしくないのは、なかなかのセンスだと思う。
おまけ1。ピアノ・茶道・フラメンコ・剣道なと、習い事の教室が揃ったビル。幼児体操の文字だけやたらと年季が入っている。すべてマスターした人はいるのだろうか。
おまけ2。フォーユーの向かいにあった、なんか虚無の公園。公園というかグラウンドっぽいが、それにしても虚無だ。真横にある公園はふつうに子供が遊んでいてちゃんと機能しているので、余計にここの虚無感が目立つ。
おまけ3。今はレアなデルカップの自販機。2003年に会社が倒産したので、現在のこっている自販機はその頃から放置されていてボロボロのものばかりですが、この筐体はスーパードライ自販機として再利用されているらしく、まともな状態で保存されている。
このイラストはいつ描かれたのだろう。今ふうにも見えるし、レトロにも見えるんだよな。
おまけ4。令和の世に……ホンダプリモ店がある……だと……?正直なところ、古墳よりも先に、こっちに感銘を受けた。
かつてホンダは販売する車種によって店舗を分けていて、ベルノ店・プリモ店・クリオ店の3種類が存在したが、2006年にすべての店舗がホンダカーズに統一されました。
今でも看板の一部を残している店舗はありますが、ここまでがっつりと建物すべてがホンダプリモのままなのは激レアと思われる。車オタにとっては大仙陵古墳と同レベルの価値があるぞこれ。
今日は定休日ですが、現在もバリバリ営業中らしい。令和時代にバリバリ営業中のホンダプリモ店なんて日本に数えるほどしかないだろ。もしかしたら唯一かもしれん。ビート買えるのかな……?トゥデイも……。
サウナはたのしい。