ぷらぷらり日記 2023.4.5 大阪港周辺
そうだ、港区に行こう。
と思い立った、というわけでもないのですが、前から存在は知っていたものの、行ったことのない場所があったのを、先日に唐突に思い出し、普段はあまり使うことのない地下鉄中央線で、大阪港駅まで。
ああ、そうか。
普段あまりに使うことのない路線なので忘れていたが、中央線の大阪港駅は、大阪市が誇る日本でいちばん低い山こと天保山の最寄り駅であり、その天保山エリアの向かいには、クソデカ水族館の海遊館がある。
海遊館には過去に3回ほど行ったことがありますが、いずれも遠足だったり他人の付き合いだったりで、ひとりでこの辺りに来るのはなにげに初めてだ。
いつのまにかレゴランド?ができており、レゴで造られた麒麟さんが飾られている。
梅田三番街に飾られた三井淳平さんの作品群といい、ヨドバシカメラマルチメディア梅田店のおもちゃ売り場にいるレゴのダースベイダーといい、大阪をレゴの街として活性化しようとする動きがあるのだろうか。
真裏が港になっており、船が見られるのは知っていましたが、どうやらもっと奥地まで行くと、ダイヤモンドポイントという映えスポットがあるらしい。
ふむ。なるほど。海だ。良い。
が、映えはしていない気がする。私のカメラ技術の問題もあるが、あいにく天気が悪い。徒歩5分のところに大阪市内屈指のデートスポットのひとつがあるとは思えないほど誰もおらず、侘しさを覚える。
こんなところにはよっぽどの変わり者しか来ないのではないか。しかしそれも悪くない。喧騒を忘れ、しばし小波の音だけを聞いていよう。
と、ぼんやりしていると、外国人3人組がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。歩きながら談笑していた彼らだが、埠頭についた途端に真顔になり、「Oh……」と感嘆の声を漏らしていらした。
さすがダイヤモンドポイント。遠き異国から来た人々に言葉にならぬ感動を与える魔力があるらしい。
ジーライオンミュージアム。
もともと住友倉庫が使っていた赤レンガの建物を引き継ぎ、中身をクラシックカーの展示施設にしたらしい。
一部のクラシックカーは売り物であり、ディーラーが横にあって商談がすぐにできるほか、結婚式場も併設されているのでブライダルの相談も受け付けている模様。
残念ながらヴィンテージな代物を維持できそうにもないし、結婚する予定もないので、自分の目的はミュージアムのみ。入館料1200円。PayPay支払い可。
この値段を高いと感じるか安いと感じるかは難しいところ。クラシックカーのみならず、この建物そのものの維持費も込みと考えたら、まあ妥当なのかな……。
写真撮影は可ですが、フラッシュを炊くのは禁止とのこと。館内はけっこう暗いので、車体の一部が影にならないように撮るのはそれなりに難しい。
2018年に愛知県のトヨタ博物館に行った時も思ったのですが、黎明期の自動車はでかい。とにかくでかい。そしてボンネットが長い。
左ハンドルだと右折めっちゃこわそうだし、車庫入れも大変なのではないか。狭い駐車場に後ろ向き駐車で入れたら出られなくなりそうだな……などと、現代の日本の感覚で余計な心配をしてしまう。
アルピーヌA110。
田宮模型の1/24スケールのプラモデルでよく見た。最初はアルピーヌというメーカーを知らなくて、ポルシェだと思っていたんだよな。間近で見ると超かっこいい(語彙力)。
こいつがよく見られる位置に椅子が用意されているので、しばし眼福を楽しむ。
向かい側ではレジェンド高級車たちが鎮座している。
ロールスロイス・ファントム。右がV(5代目・1959〜1968)、左がⅥ(6代目・1968〜1991)。
VはV型8気筒エンジンを積み、最高時速165キロを誇りつつも車内の静粛性は素晴らしく、ほぼ無音で、要人はゆったりとシートに腰を下ろすことができた。初期はそれまでのモデルに倣って左右1灯ずつ、2灯ヘッドライトだったが、1963年の改良によって4灯に変更された。
ほぼキープコンセプトのまま、Vのデビューから約10年後の1968年にⅥに移行。1991年まで生産されるロングランモデルとなる。
トミカになっていたのもこのⅥで、自分も持っていたので印象深い。車の名前などろくにわからない頃から、なんかフツーの車ではないとは感じていた。トミカですらそうなのだから、実車はとてつもなく荘厳である。
余談ですが、このミュージアムの入口には現行のロールスロイス・ファントムのリムジンが停まっていました。何者の所有物なんだあれ。
俺たちのトヨタ2000GT。トヨタ博物館では特別っぽく飾られていましたが、ここでもミュージアムのいちばん端っこで、トリを努めています。これはもう問答無用でかっこいいですね(語彙力)。
あまりに美品なのでレプリカっぽいですが、この形状を拝めるだけでもう満足なんですわ。
野外に置かれているいすゞベレット。ボディの流麗さに定評のある117クーペは何度か見たことがあるけど、ベレットの実車は初めてかもしれない。ベレットの中でも後期型のGTtypeR。生産台数1400台の希少車なので、117クーペと同様に今どのくらい残存しているのか不明。
さっきまで見ていたのが歴史上の車たちなので、最近のモデルのように思えてくるが、これも半世紀前の車なんだよな。
天保山運河に架かる橋を渡って八幡商店街というところのほうまで行くと、レトロなビルが見えてくる。これがテルメ龍宮。
一般銭湯ですが、天然温泉があります。券売機でチケットを買う仕組み。
3年くらい前に一度おとずれたことがありますが、その時は遅い時間帯だったこともあって、本当にサラッとしか入っていません。今回はかなり余裕があるので、サウナセットも付けて690円。バスタオル持参なら590円でも入れるようです。
浴室は2階建てで、地階と地下階があります。まずは地下階で身体を洗い、ジェットバスと寝転びバスでふつうに風呂を楽しむ。
備え付けのテレビでは『孤独のグルメ』が流れている。夕方の6時にやっているのか……孤グル……。もう終わりかけで、原作者の久住昌之さんが作中に出てきた店舗でグルメを楽しむ例のコーナーが始まる。ビール美味そうだな……。
地階はサウナが2種類あり、有料のドライサウナとは別に、スチームサウナがありますが、ここはスチームサンソ室という名称らしく、酵素が通常の2倍という説明がガラス張りの窓に大きく書かれている。
中はとてつもない蒸気で、1分も入ればもう限界。ていうかサウナではないのかなこの部屋?よくわからない。この酵素の強さ?はもはや暴力。都島区の桃の湯のラドンスチームバスもなかなかに激しいが、あそこはまだ3分いられたからなあ。
ドライサウナは普通で、窓からテレビが視られるほか、スピーカーが近くにあるようで音がはっきりと聞こえます。けっこう響くので好き嫌いは分かれそう。
水風呂はほぼひとり用で温度はそれなりですが、その隣に半露天みたいなエリアがあり、そこも温泉らしい。
さらに、廊下みたいな通路を越えたところにある露天の浴槽はすべて温泉。寝転べるようになっているところもあり、極楽浄土へと飛べる仕様。
雨さえ降っていなければもっと良かったんだけどなあ。これからの時期の夜とか確実に気持ちいいだろこれ。
2階に広い休憩室と宴会場があるのですが、あいにくこの日は休止中とのこと。以前にちょっとだけ上がってみたことがありますが、なんだかとてつもなく楽しい空間っぽかったので、例のアレも落ち着いてマスクも緩和された今ならゆっくりできるかも……とちょっと期待していたのですが、まあ仕方がない。
寝転べる温泉と、謎のスチームサンソ室、そしてテレビの音がよく聞こえるサウナ、地階と地下階にそれぞれある水風呂で充分に元は取れています。
おまけ1。ビルに唐突に現れるTAKOYAKI。いくら大阪だからといって、こんなオフィスビルっぽいところに唐突にたこ焼きが出てくるのは異例である。
おまけ2。タバコの自販機にライターがあるのは珍しい。無煙タバコに移行しつつあるこのご時世に於いて、紙巻きタバコの灯火を消してはならないという矜持を感じる。知らんけど。でも、今のタバコってほぼ500円オーバーですよね?値札が昔のまま……。
おまけ3。そろそろ終わりかけでしたが、多少は桜が残っていました。
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サウナはたのしい。