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田舎出身の芋女

先日、自分のニュースフィードに、下記の記事が流れてきました。

どういうプロセスでこの記事を選定され流れてきたのか気になるところですが、何かの縁だと思って開いてみたところ、色々考えさせられたのでまとめてみました。
(これもこのサービスの思う壺ですかね)


出身地でその人の行動理由が説明できると思ってしまう思考

育ってきた環境がその後の価値観や考え方に大きな影響を与える可能性があるのは分からなくもありません。

統計データを分析する際、年齢、性別の次に出身地(特に都道府県)で見られるが多いのも、評価基準が明確で分けやすいから。

その延長線で、「○○県だから~」と地域で分類し、異なるグループ同士の考えをぶつけ合うメディアが不思議だな、と幼い頃から思っていました。

異なるもの同士の考えを披露し、最終的にはお互いを尊重し合う、という風に美化して考えることもできますが、
出身地のみならず、血液型や星座×性格/考え方等、因果関係があるか微妙な物事をカテゴライズしてはそこに自分を当てはめ、「こういう人だから分かってほしい」と遠回しに伝えたい人が多いと感じることがあります。

また、その中には「(あなたは)この分類に入るから、こう思うんでしょ」と決めつけてしまう人もいます。


もう少し視野を広げてみる

私のバックグラウンドは少し特殊で、生まれから大学入学までは海外に住んでいました。
いわゆる帰国子女です。これもまた一つも分類。

今回は、自分の考えを述べる上で背景を説明しただけで、特に自慢したいという訳ではないことを理解していただければ幸いです。
プロフィールで触れていないことも色眼鏡で見てほしくないからです。

(ただこの投稿に巡り会えたことで、「だからたまに言い回しが独特だったんだな」と納得したり、「仲間がいた」と思えたのであれば、それもそれで良いと思います。🙆)


上記を踏まえて話しますと、私が通っていた現地校には多種多様な人種や宗教、家族構成の子供たちがいました。

週のほとんどを背景が全く被らないもの同士で過ごしたものの、今さら変えられない事実でグルーピングしては対抗し合うといった発想にはなりませんでした。

一瞬ピリついたのは歴史の授業で、第二次世界大戦で起きたパールハーバー事件を教わったとき。
非日本人の観点から歴史を語られたとき、周りが気まずくなりましたが、そのときは別の人種の同級生がフォローしてくれたので、いじめに発展せずに済みました。

本能的にステータスで差別すると殺されかねないとでも思ったのでしょうか。


理解者がほしいから、丁度良い単位で自分を分類する

曖昧な記述を、自分もしくは自分が属する特定の特徴をもつ集団だけに当てはまる性格だと捉えてしまうことを『バーナム効果』と言うらしいです。

それを信じてしまうのは、人間の本能として自分に関する情報を知りたいという《自己認知欲求》があるため。

特定の人種だらけの環境で、かつ育ちの背景もほぼ大差ないとどうしても自分が何者なのか分からなくなり、
もっと存在を認めてほしい
→他人とは違う部分を比較してしまう
→次第に優劣をつけて、自分をアピールしたくなる
のではと思いました。

《都道府県》単位で比較するのは、日本において他者との違いを認識しやすく、かつ社会に出て別のグループに所属してもある程度仲間がいるという安心感がある“丁度良い”単位であるため。


将来どうなるのか

出身地でイジれるというのは、言っても大事に発展しづらい=それだけ日本は平和である、という風に考えることもできます。

それは元から日本人は、あまりイジられても気にしない大らかな人種ということではなく、メディアが何年もかけて定番ギャグとして定着させようとし、「言われても大したことがない」「コミュニケーションの一種」という風に捉えるように無意識に誘導してしまっただけなのかもしれません。

一方、上記のリンクのように「地方いじり」が取り上げられるということは、メディアが報道し続けたイメージと世間の考え方に乖離が生じている(=転換期)という見方もできます。


言って良いこと悪いことだけではなく、日本独特の「間」の取り方や物事の捉え方も、私が帰国した当初から少しずつ変わってきていると思います。

今報じられている内容が将来どのような影響を及ぼし結果を生み出すのか、その時にならないと分かりませんが、その頃は日本に染まりすぎて、気付ける自信がない気がします。
╮⁠(⁠^⁠▽⁠^⁠)⁠╭


余談🍠

ちなみに冒頭に載せた記事で《地方出身者》という言葉がでてきます。

そういえば自分も大学生の頃、日本語の発音が変わっていたらしく、同級生から
「初めは、えらいド田舎からきた芋っぽい子だと思ったわーw」
と言われたのを思い出しました。

おい、田舎は百歩譲って、「芋」って。笑 

その子のおかげで、周りから話しかけてくれるようになったのも良い思い出。


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