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河川敷エリアの新しい価値をみつけよう!自由に活用できる面白い場所に生まれ変われるか?

「山国川DESIGN MEETING」は、山国川河川事務所と耶馬渓を拠点に活動している「星庭」さん企画のプロジェクトです。星庭さんは、九州・耶馬渓の山間に位置するデザイン事務所です。ロゴやパッケージなどのグラフィックデザインと共に、店舗デザイン、サイン計画、ディスプレイ、Webサイト、商品開発などを一貫してアートディレクションすることで、物語を持つブランディングを得意としています。また、過疎集落での田舎暮らしを基に、地域と都市を結ぶプロジェクトや社会課題解決に向けたデザインプロジェクトなど、様々な試みを行っています。

星庭さんと地域科学研究所PUBLIC+チームは、「デザイン思考」を用いた公共空間の地域課題解決プロジェクトを実施した経緯がありました。中津市三光村PUBLIC CROSSというコンセプトの下で、デザイン思考を活用し、エリアの課題を行政内の横断的なメンバーや住民、ステークホルダーとなる事業者などが本質的な地域課題を多面的に捉え、エリア再生の視点で公共空間を見直すワークショップを実施しました。

そういった経緯もあり、山国川の河川敷をデザイン思考を活用して活用する取り組みについて、星庭さんよりお声掛けいただき、PUBLIC+チームの西田がメンターとして参加させていただきました。

デザイン思考とは、ユーザーの視点から、本質的な課題・ニーズを発見し、アイデアを生み出す思考法です。 1人ではなく、参加者同士の多様な視点から共に考える手法です。デザイン思考の5つのプロセスから構成されます。
①共感(Empathize)
課題の中心にいるユーザーに共感する。
②定義(Define)
ユーザーの課題を定義する。
③概念化(Ideate)
課題を解決するためのアイデアやアプローチを考える。
④施策(Prototype)
試作品の作成を通じて、新たな視点や問題点を探る。
⑤テスト(Test)
実際にユーザーに試作品を体験してもらい、フィードバックをもらう。


デザイン思考を活用して、水辺の公共空間の課題と可能性を紐解く


山国川河川事務所では、上毛町と共に防災拠点と山国川河川空間の活用についてのプロジェクトを進めていましたが、河川空間を活用する関係者や地域の方々との連携方法を模索しているところでした。そこで、星庭さんが中心となり「山国川デザインミーティング」という企画のもと、行政機関と民間組織を超えたメンバーが集まり、デザイン思考の手法を用いたワークショップを企画し開催しました。これによって、公共空間、地域の資源、コンテンツ、関係者を組み合わせたビジョンを創造し、それを実現するためのアクションを展開するプロジェクトが実施されています。



デザイン思考を取り入れたワークショップの開催

このワークショッププログラムは、2日間に渡って開催されました。5人程度のグループに分かれ、ファシリテーターが取りまとめ役となり、アイデアをカタチにするプロセスを一緒に実践していきました。参加者は、地域の方々、事業者の方々、行政の方々など組織を超えたメンバーで既存の組織を超えたアイデア、コンセプト、プロトタイプづくりを行っていきます。

様々な専門性を持つ講師・ファシリテーターが取りまとめ役に。


コンセプトを小さくカタチにする。

この2日間のワークショップで生まれたアイデアコンセプトの一つ、リバー(川)をリバる(リバる とは、解放する、自由になること。)「リバリバ」というコンセプトアイデアを小さくカタチにするリバリバ・キャンプ、リバリバサップの実証実験を行い、プロジェクトを小さく具現化しながら、育てる活動が行われました。

現在、プロジェクトは進行中ですが、デザイン思考のワークショップがきっかけになり、アイデアをカタチにしながら、ブラッシュアップする活動を誘発することにつながり、そこからコミュニティづくりにもつながっています。


このワークショップをきっかけに、河川工事の設計デザインがつくられ、イベントが開催されています。
継続的に河川空間を使う人々が集まり、そこからさらに輪が広がることを期待しています。

Written by Toshihiko Nishida



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