基礎代謝

1. 基礎代謝とは?

  • 定義: 体が安静時、つまり何もしていない状態で必要とする最低限のエネルギー。

  • 重要性: 体重管理や健康維持において、日常のエネルギー消費の大部分を占める。

2. 基礎代謝の計算方法

  • 基本的に同性、同年齢だと対表面積に比例する。

  • 基本的な計算式: Harris-Benedict方程式やMifflin-St Jeor方程式などが知られる。

  • 代表的なオンラインツール: 基礎代謝計算サイトや健康アプリなどが利用できる。

3. 基礎代謝を高める要因

  • 筋肉量の増加: 筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費するため。

  • 食事: タンパク質は消化する際に多くのエネルギーを必要とする。食事後に体温が上昇する作用を特異動的作用(または食事誘発性熱産生)といいます。食事後1時間から6時間くらいまで代謝率が高まります。
    特異動的作用に使われるカロリーはタンパク質は30%、脂質は4%、糖質は6%と言われています。タンパク質中心の食事にすると、摂取カロリーは同じでも実際に体に吸収されるカロリーはかなり抑えられることになります

  • 有酸素運動: 定期的な運動は心肺機能を向上させ、代謝を活発にする。

  • 外気温の低下:夏やサウナなど汗をかく環境ほど基礎代謝が高まって痩せると誤解されがちですが、体は寒いと体温を上げようとして熱産生をします。

  • 体温の上昇

4. 基礎代謝が低下する原因

  • 年齢の影響: 筋肉量の減少やホルモンの変動による。

  • 筋肉量の低下: 長期的な運動不足や高齢化。

  • 生活習慣の悪化: ストレス、不規則な食事、睡眠不足など。

5. 基礎代謝を上げるための具体的な方法

  • 筋トレ: スクワットやデッドリフトなどの大きな筋群を使う運動。

  • 栄養補給: タンパク質を多く含む食品(鶏むね肉、豆腐)や、ビタミン・ミネラルを摂取。

  • 質の良い睡眠: 深い睡眠を7~8時間確保する。

6. よくある誤解と真実

  • 誤解: 「基礎代謝は年齢とともに必ず下がる」

    • 真実: 筋肉量を維持・増加させることで、基礎代謝の低下を抑えることが可能。

  • 誤解: 「食事を抜くと基礎代謝が上がる」

    • 真実: 長期的な食事制限は、むしろ基礎代謝を低下させるリスクがある。

7. まとめ

基礎代謝は私たちの健康や体重管理において非常に重要な要素であり、日常生活の中で意識的に向上させる努力が求められる。正しい知識と実践で、健康的な体を維持しましょう。

8. PTOT国試対策

1. 基礎代謝と体表面積

  • 同性、同年齢であれば、基礎代謝は体の表面積に比例する。

2. 性別による違い

  • 男性の基礎代謝は女性より高い。成人男性の平均は1400kcal/日、成人女性は1100kcal/日。

3. 睡眠と基礎代謝

  • 睡眠中は基礎代謝が6-10%低下する。

4. 基礎代謝の計測条件

  • 基礎代謝量は以下の条件で計測される:

    • 安静臥位

    • 早朝

    • 空腹

    • 覚醒後

    • 室温20℃

  • しかし、エネルギー消費の基準としては安静座位が用いられる(Metsの計算に関連して)。

5. 外気温と基礎代謝

  • 外気温の低下に伴い、基礎代謝は上昇する。

6. 基礎代謝を影響するホルモン

  • 基礎代謝を上昇させる主要なホルモンには以下が含まれる:

    • 甲状腺ホルモン(特にサイロキシン)

    • アドレナリン

    • ノルアドレナリン

    • 成長ホルモン

7. 食事後の代謝率の増加

  • 食事後には代謝率が増加する。この現象を「特異動的作用」または「食事誘発性熱産生」という。

8. 代謝率の変動

  • 乳児期の代謝量は1kgあたり50kcalと、成人男性の1400kcal/65kgに比べ倍以上である。

  • 思春期には一定となり、加齢とともに減少する。

9. 体温と基礎代謝

  • 体温が1℃上昇すると、基礎代謝量は約14%上昇する。

10. 安静時のエネルギー消費の分布

  • 安静時のエネルギー消費量において、心臓・呼吸器は約16%、脳は約18%、骨格筋は約25%、肝臓・脾臓・消化器は約30%を占める。

終わりに

これからも理学療法士国試対策の資料を作成していきます。間違いの訂正や足りない情報などありましたらお教えください。

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