@PTkokushi_taisaku

@PTkokushi_taisaku

最近の記事

閉塞性換気障害の各論【PTOT国試対策】

閉塞性換気障害の種類 慢性閉塞性肺疾患(COPD) びまん性汎細気管支炎 気管支喘息 1.慢性閉塞性肺疾患(COPD)慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD)は、主に肺の気道に影響を与える進行性の呼吸器系疾患です。COPDの主な特徴は、呼吸に必要な空気の流れを妨げる気道の狭窄や閉塞です。 COPDの2つの主要な形態 慢性気管支炎:気管支の慢性的な炎症と粘液の過剰産生が特徴。 肺気腫:肺胞の壁の破壊

    • 換気障害の分類

      換気障害とは 呼吸器系の機能障害の一種で、肺や気道、胸郭の異常によって正常な呼吸が困難になる状態を指します。拘束性換気障害と閉塞性換気障害、ふたつの性質を両方持つ混合性換気障害があります。 分類方法 スパイロメーターの結果によって分類されます。 肺活量の内、呼気開始から1秒間で吐いた量(1秒量)を1秒率(%FEV₁)といいます。その%が70%以下だと閉塞性換気障害になります。 また、その被験者の同年代、性別、身長などの平均から肺活量の予測値を算出し、予測値と被験者の実測

      • 貧血の種類と原因

        貧血とは 貧血は、体内の赤血球量が減少し、ヘモグロビン(Hb)またはヘマトクリット値が正常よりも低い状態と定義されます。具体的には、以下のように定義されます: 赤血球の総数または血液中のヘモグロビンの割合が減少する状態です​​。 通常、ヘモグロビン(Hb)またはヘマトクリット値が女性で12 g/dl未満、男性で13 g/dl未満の場合に診断されます​​​​。 貧血は、末梢組織への酸素供給が不十分な赤血球量の減少によって引き起こされるとも定義されます​​。 症状 疲

        • アレルギー

          タイプIアレルギー(即時型またはIgE媒介性過敏症) 抗体:免疫グロブリンE(IgE)。 抗原:空中の抗原、外来性抗原、ハウスダスト、ダニ、花粉、真菌、薬剤、化学物質。 メディエーターサイトカイン:マスト細胞と好塩基球がヒスタミンなどの炎症性媒介物質を放出。ECF-A、ロイコトリエン、PFAなどもある シグナル伝達:特異的なIgEによるアレルゲン認識。 反応時間:即時反応(30分以内);露出後4-6時間続く。 代表疾患:蕁麻疹、アナフィラキシー、喘息、アレルギー性鼻

        閉塞性換気障害の各論【PTOT国試対策】

          脊髄損傷と合併症

          原因 外傷性:交通事故・転倒転落・スポーツ 遅発性:腫瘍・後縦靭帯骨化症・脊髄空洞症 分類完全損傷 脊髄ショック期を除いて、肛門周囲(S4/5領域)の運動・感覚が消失します。 不完全損傷 中心性脊髄損傷 脊髄半側症候群(ブラウン-セカール症候群) 前脊髄動脈症候群(前部脊髄損傷) 脊髄円錐症候群 馬尾神経症候群 後索症候群 側索症候群 横断性脊髄炎 脊髄ショック重度の脊髄損傷を受けた際に脊髄反射が一過性に消失した状態 期間は受傷直後から数日、数週間と

          脊髄損傷と合併症

          【PTOT国試対策】パーキンソン病

          パーキンソン病の概要 パーキンソン病は、神経変性疾患の一種で、特に黒質ドパミン神経細胞の変性によって引き起こされる錐体外路系の代表的な疾患です。進行性のこの病気は、主に孤発性と家族性(遺伝性)の二つに分けられ、大部分は孤発性に分類されます。孤発性の原因はまだ完全には解明されていませんが、神経毒説やフリーラジカル説などが提案されています。一方、家族性の原因遺伝子は既に特定されています。通常、好発年齢は50歳から60歳ですが、40歳未満で発症する場合は若年性パーキンソン病と呼ば

          【PTOT国試対策】パーキンソン病

          【PTOT国試対策】遺伝性疾患・染色体異常

          遺伝性疾患遺伝性疾患とは 遺伝性疾患とは、個人の遺伝子に存在する変異(DNAの構造上の異常)によって引き起こされる疾患です。人間の特性(形質)は遺伝子によって決定されますが、これらの遺伝子に生じる変異が病気を引き起こすことがあります。このような疾患は、一般に以下のように分類されます: 単一遺伝子疾患:一つの遺伝子の変異によって引き起こされます。例えば、シクル細胞性貧血やハンチントン病などがこれに該当します。これらは通常、親から子へと直接遺伝する特徴があります。 多因子遺

          【PTOT国試対策】遺伝性疾患・染色体異常

          変形性膝関節症【国試対策】

          はじめに 変形性膝関節症は理学療法士としては避けられない疾患であり、国試においても必出となっています。年度によっては問1-20の間でケースの画像問題、治療などで出され、それだけで6点分となっています。疫学、病態ではリウマチと比較して出されることが多いので、よく理解しておきましょう。 疫学 変形性膝関節症の発生は年齢とともに増加します。日本では、60歳以上の人口の80%以上で、膝関節・肘関節・股関節・背骨に変形性関節症の所見が見られることが報告されています​​。 日本に

          変形性膝関節症【国試対策】

          重症筋無力症

          概要 自己免疫機序による神経筋接合部の神経筋伝達障害であり、神経障害ではありません。筋細胞のアセチルコリン受容体に対しての自己抗体が生成や、筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(Musk)が原因となります。 女性に多く若年者でも発症します (20-40歳で好発) 新生児でも発症し、その場合新生児無力症という 症状 随意筋の易疲労性・脱力が主症状で、外眼筋・顔面筋に好発します 四肢近位筋力低下、呼吸筋筋力低下による拘束性換気障害 初発症状:眼瞼下垂・複視・球麻痺症状(嚥下障害

          ギランバレー症候群【国家試験対策】

          イントロダクション ギランバレー症候群(GBS)は、突然発症する末梢神経の障害であり、自己免疫疾患と関連しています。急速な進行と様々な症状が特徴的なこの症候群は、適切な理解と対応が必要です。 病因とタイプ GBSは通常、感染症(上気道感染、下痢症)に続いて発症します。この症候群には二つの主要なタイプがあります:脱髄型と軸索型です。日本では軸索型の発症率が欧米に比べて高く、これは脱髄型よりも予後が悪い傾向にあります。 症状の概要 末梢神経症状:GBSの典型的な症状は、

          ギランバレー症候群【国家試験対策】

          多発性硬化症【国試対策】

          脱髄疾患国家試験にはギランバレーと合わせて脱髄疾患として毎年1問は必出となっているので必ず押さえておきましょう。 多発性硬化症(MS)の概要: 中枢神経系の脱髄が時間的空間的に多発する疾患。 MSは特定疾患に分類される。 視神経(例外)、脊髄、脳幹、大脳、小脳の脱髄 MSと他の脱髄疾患との比較: ギランバレー症候群も脱髄疾患だが、MSとは異なり特定疾患には分類されていない。 ギランバレー症候群は末梢神経系の脱髄疾患である。 MSの臨床的特徴: 好発年齢は15

          多発性硬化症【国試対策】

          感染症

          不顕性感染 定義: 感染しても発症しない状態。 例: ポリオウイルス。 潜伏感染 定義: 感染後も発症せず、ウイルスが体内に残り続ける状態。 例: ヘルペスウイルス。 日和見感染 定義: 通常は問題を引き起こさない病原体が、免疫力が低下した状態(例: AIDSや糖尿病)で感染し、発症する。 関連疾患: カンジダ症 サイトメガロウイルス ヘルペスウイルス MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) 緑膿菌 トキソプラズマ症 ニューモシスチスカリニ肺炎

          感染経路の種類

          感染経路による感染症の分類です。理学療法士国家試験においても出題される範囲です。注意すべきは複数感染経路がある感染症で、安易に選ばずにすべての選択肢を見るようにしましょう。 飛沫感染 定義: 咳やくしゃみによって放出される飛沫に含まれる病原体を吸引することによって起こる感染。他者の口や鼻の粘膜に付着する。 感染距離: 約1-2メートル以内。 風疹 エボラ出血熱 インフルエンザ ジフテリア 発疹熱 発疹チフス 細菌性肺炎 SARS(COVID-19) 飛

          感染経路の種類

          関節リウマチの概要

          理学療法士国家試験対策疫学: 原因不明の全身性自己免疫疾患(膠原病) 40-50代の女性に多い 慢性進行性で、重症化は薬物の発達により減少(約15%) 診断基準: 一時間を超える朝のこわばり 三カ所以上の関節腫脹 手関節、MP関節、PIP関節の腫脹(DIP関節は除く) 左右対称性の関節腫脹 リウマトイド皮下結節の存在 リウマトイド因子の検出 X線での関節変化の確認 病理: 滑膜の炎症増殖によるパンヌス形成 骨軟骨の破壊 関節周囲の腱断裂 変形、

          関節リウマチの概要

          リウマチの変形と拘縮

          関節リウマチ(RA: Rheumatoid Arthritis)は、自己免疫疾患の一つで、関節の炎症を特徴とし、長期にわたる病態が進行することで関節の変形や拘縮を引き起こすことがあります。変形拘縮は、関節と関節を支える組織に病的な変化が生じ、正常な運動範囲が失われた状態を指します。ここでは関節リウマチによる特徴的な変形拘縮について概説します。基本的に変形は身体の中心に向かって変形することをイメージしましょう。 頸椎 環軸関節亜脱臼:首の骨である環椎と軸椎の間の不安定性が生

          リウマチの変形と拘縮

          関節リウマチの評価指標

          steinbrockerのステージ分類 関節破壊の程度 ステージI: X線で骨の破壊が見られない初期。 ステージII: 骨破壊が軽度で、関節運動の制限があるが変形はない中期。 ステージIII: 骨と軟骨の破壊が見られ、関節変形があるが線維性または骨性の強直がない高度進行期。 ステージIV: 線維性または骨性強直がある末期​1​。 steinbrockerのクラス分類 ADL障害の程度 クラスI: 日常生活の活動が普通にできる。 クラスII: セルフケアと職業

          関節リウマチの評価指標