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倒錯する欲望。鬼畜文学の金字塔、マルキ・ド・サド著『ソドム百二十日』

 禁断の一冊を紹介したい。  マルキ・ド・サドの「ソドム百二十日」である。  この小説はフランス革命がおこる直前の一七八五年ごろから作者がバスティーユの獄中で書き始めた。  本名ドナティアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドはパリに生まれた貴族であったが、淫行と放蕩を好み、催眠剤を飲ませた上の婦女暴行や乱交パーティーの開催などで度々投獄されており、人生の三分の一におよぶ日々を獄中で送った。彼の私生活もさることながら、書かれた作品すべてに暴力的かつ不道徳極まる世界観が一

    • 銃を手にしてはいけないいくつもの理由ー映画「タクシードライバー」考ー

      「おい大変だ」 「どうしたの?」 「元首相が銃撃されたぞ」 「それいつの新聞よ」 「ずいぶん前だ」 「新聞とるお金もないわけ?」 「冗談だ。興味深いことだから取っておいた新聞なんだ」 「そりゃあれだけの事件だもの。誰にとっても興味深いでしょうよ」 「『タクシードライバー』は知ってる?」 「映画の? ロバート・デ・ニーロ主演でしょ? カンヌ国際映画祭のパルムドールも受賞してるし、超名作じゃない」 「監督はマーテイン・スコセッシ、脚本はポール・シュレイダー」

      • 殺人鬼はお好き?ー映画「羊たちの沈黙」考ー

        「ちょっと聞いてよ」 「何?」 「すごい映画観た」 「何の映画?」 「『羊たちの沈黙』」 「観たことなかったの?」 「なかった」 「うっそ」 「すごかった」 「すごいのは知ってる。僕もビデオテープが擦り切れるくらい観たからね」 「え、そんな時代から観てたの?」 「そうだよ。三倍とかで一本のテープに三本くらい映画を録画してた時代から観てるよ」 「うっわ。懐かし」 「で、感想聞かせてよ。どんくらいすごかった?」 「えっとね、わたし感想言うの苦手なんだよ

      倒錯する欲望。鬼畜文学の金字塔、マルキ・ド・サド著『ソドム百二十日』