倒錯する欲望。鬼畜文学の金字塔、マルキ・ド・サド著『ソドム百二十日』
禁断の一冊を紹介したい。
マルキ・ド・サドの「ソドム百二十日」である。
この小説はフランス革命がおこる直前の一七八五年ごろから作者がバスティーユの獄中で書き始めた。
本名ドナティアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドはパリに生まれた貴族であったが、淫行と放蕩を好み、催眠剤を飲ませた上の婦女暴行や乱交パーティーの開催などで度々投獄されており、人生の三分の一におよぶ日々を獄中で送った。彼の私生活もさることながら、書かれた作品すべてに暴力的かつ不道徳極まる世界観が一