【体験記】Vulcanus in Europeを受験して
最近コロナの状況が良くなりつつあり、海外への観光ももうすぐしやすくなるのではないかと思います。
今回は、私が受験した「Vulcanus in Europe」というプログラムの選考について紹介します~
このプログラムの詳しい内容はホームページにて。
ざっくりいうと、
というものです。私の大学ではあまり知られていなくて結構穴場なのではないかな...と思います。
このプログラムの選考については、ブログやTwitterで検索すると出てきますが、少し古い年度のものも多いので2021年受験体験記としてお話します。
1.私のプロフィール
今思い返しても、なんで選考に通ったのかわからないです。
特にプログラミングとかデザインとかやったわけではなく、数学も苦手でした。語学力に関しては、だいぶ前にとったIELTS(英語試験)と、趣味でやっていたフランス語のみだけでした。
ただし、フランス人と日本人の交流団体に入っていたので、欧州とのつながりは若干ありました。
2.なんでこのプログラムに応募したか
①社会に出る前に、「働く」とは何かを海外で経験したかった。
私は今まで社会の現実を見るために、サークルや学生団体に出入りしていて、社会問題をほんの少し見てきましたが、自分が将来どうやって活躍しようか、どんなセクターで働こうか全く見えてこなかったのです。また、お金稼ぎをしたいとか、将来有名になりたいといった願望はないため、働くことにどんな価値を置こうかとても悩んでいました。そしてなんといっても、日本で就活っぽいことをした時に
「あ、これは無理だ」
と思いました。自分がやってきた活動でエントリーシートを書くことはいくらでもできそうですが、就活で生かすためにやっているわけでは決してなく、学生団体やサークルで得た出会いや学びを就活で利用することに抵抗感がありました。
さらに、日本の労働環境のマイナス面は、学生の私でもなんとなく耳に入ってきていて、こんなところで働いて私は幸せなんだろうか?と疑問に思いました。仕事とプライベートがはっきりと分かれている、働くことを完全に自己実現のための目的でも、時間をお金に換えるための手段でもなく、別の価値を見出していそうな海外に行きたいなと思うようになりました。
②私の理想とする社会に最も近いのは欧州だったため、観光客や留学生としてではなく生活者として暮らしてみたかった。
私は前述のように、日本で働くことについて不安を持っています。また、人との繋がりが希薄であることや、都市構造の中に分断や孤独を感じる要素が非常に多いなと感じています。もやもやしていたところ、”healthy city"なる概念があることを知りました。欧州で作られた概念なので当然ですが、欧州の多くの都市は日本よりも健康的だという研究もあります。そこで、実際に欧州に住んでみて、ウェルビーイングが保たれている都市で暮らすとはどういうことなんだろうか、と経験してみたくなったのです。また、移民が多い欧州で、どのように人が共存しているのか(または争っているのか)を知ることで、日本にいる外国籍の人たちの暮らしやすさを考えることができるのではないかとも考えました。
現地語が話せない外国人に、どんな待遇が待ち受けているかは、日本にいても感じることができます。自分がその立場になることで、どんな感情になるのだろうか、どんなことに気付けるだろうかという気持ちもありました。
③新しい言語を学びたかった
これはおまけみたいなものです。フランス語をやっていたので、フランス語圏に行きたかったですが、せっかくなのでドイツ語や、東欧のマイナー言語も学べたらいいなと思っていました。このプログラムではバルト三国やチェコ、ルーマニアなどの東欧企業への送り出しも積極的に行っているようです。
プログラムを知ったのは、8月の下旬で、実際に出願しようと思ったのは9月に入ってからだったので、時間があまりなくて大変でした。
3.一次審査
一次審査で出す書類は以下の通りです。たくさんあるので見落としがないか心配でした。
特に厄介だったのは(2)です。私は研究室に所属していなかったので、学部3年前期で受講したプロジェクト演習でお世話になった先生に、9月の頭頃無理やり頼み込んで推薦書を書いていただきました...先生も私のことはあまり知らなかったので、私から内容を送って、推薦状風に書き換えてもらいました。
また、(3)も1000~1200字という指定があったので結構色々詰め込みました。書いた内容としては、2.で書いた志望動機や欧州とのつながりに加えて、自分が土木分野のエンジニアとして何ができるかを誇張しました。応募当初は建築系の企業に行きたかったため、それについて授業でやった演習を手柄のように(実際に関わったので嘘はついていませんが)書きました。
自分がどういった場面で貢献できるかについても書かなければならないので、サークルの経験を2,3個引っ張ってきました。特別なスキルがなくても、自分は職場環境にこういう影響を与えられる、とか、こういったエピソードがある、といったようにとにかく具体的にアピールすることを心がけました。
英語を書く時には、まず日本語で完成させて、英訳してからネイティブの先生2人にみていただきました。
大体全部で2週間くらいかかったかなと思います。
もし応募書類を見たい方(で私を知っている方は)連絡ください〜
4.二次審査
一次審査の結果が発表されるまでの時間は長いですが、結果が発表されてから二次審査まではあっという間です。10日くらいの間で、自分の行きたい企業についてのML(志望動機)とCV(履歴書)を準備し、二次審査(英語と日本語の面接)も準備しなければなりません。
結果が発表されるまでは、どうせ3年でスキルもないし受からないだろうと思ってメールを見ていませんでしたが、一次合格のお知らせがきてすごく驚きました。
そして、50社くらいある企業リストをみて希望企業を決めるのですが...やはり土木選考かつ、B3だと企業もかなり限られてきます。建築系の企業はあったのですが、最低限学部を卒業していないと就労ビザを出してくれる国が極端に少なく、全滅でした。最後に残った3,4企業くらいの中で、もう落ちても来年頑張ろうという気持ちで、スペインとフランスの自動車企業を希望しました。MLはなんとか自分と関連付けようとかなり苦労して書いた覚えがあります。
面接では、5分くらい英語、15分くらい日本語で質問に答えます。英語で自己紹介をした後に、なんでこのプログラムに参加したか、ヨーロッパにいったことはあるか、どんな印象を持っているか、などを聞かれました。質問内容は、前のヴルカヌスの方のブログをみて、想定問答集を作っていましたが、英語はもっと練習するべきだったな...と思います。
日本語のパートでは、かなり応募書類に突っ込んだ質問をしてきました。面接官数人から、一人ずつ納得するまで聞かれます。私は、一次審査の時に建築に対する思いを書きすぎたため、企業に提出するMLと色々と食い違いがあるのですが、そこはあまり触れられなかったです。私の個人的な過去の経験や、企業で何ができるか、もし企業で挫折したらどうするか、などを聞かれました。
5.三次審査
私の希望していた企業どちらも、他の人も希望していたため、二人のうちどちらかになったら選ばれないだろうと思っていました。
三次審査は特に面接もなく、事前に提出したMLのみの審査になります。
11月頭に審査が行われるのですが、審査期間の二日目にセンターから、スペインの企業から受け入れが決まったとの連絡をいただきました。
驚いたのと同時に、すごく嬉しかったです!
この時までずっとこのプログラムのことが気がかりで、他の何にも集中できなかったのですが、たくさん時間をかけてよかったです。
最終的に、22年度の派遣生は全部で20人程度だったと思います。スペインやドイツが多い一方で、スロベニアなど東欧の国にも何人か派遣されるようです。
バックグラウンドとしては、大学院生が多い他、高専出身の人も一定数おり、皆さんの専門性が高いような気がしました。おそらくですが、男女比と大学のばらつきはかなり考慮されていると思います。
こんな機会を学部生にくださったセンターや、企業の方、サポートしてくださった方へ顔向けができるよう、精一杯研修頑張ってきます!
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