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ハリー・ポッターと秘密の部屋(2002)

魔法魔術学校の闇の世界へ誘う第2作
キャラクターたちの悩める姿が共感を呼ぶ

2002年に公開された映画シリーズ2作目『ハリー・ポッターと秘密の部屋』は、原作の魅力をしっかりと伝えた作品です。

1作目『賢者の石』(01年)は原作に忠実だと評価されましたが、プロローグとして物語のガイド的な役割があるために、映画的要素と原作の持ち味とのバランスが難しかったような気がします。

視覚効果をふんだんに使った映像は圧倒的に楽しく、不思議の国の舞台となるホグワーツ魔法魔術学校の魅力のみを浮き立たせました。

第2章となる本作はいわば、キャラクター紹介編。かわいいさだけが目立った子どもたちの内面に深く切り込んでいます。

【ストーリー】
ホグワーツ魔法魔術学校での生活は2年目を迎えました。
天真爛漫なロン(ルパート・グラント)は優しい両親と頼もしい兄弟に恵まれているものの、貧しさを揶揄されています。
優等生ハーマイオニー(エマ・ワトソン)は一生懸命勉強に励むものの、両親がマグル(人間)であるために侮辱されてします。
高慢なドラコ(トム・フェルトン)は良家の子息で父親に威圧されています。
そして、孤児のハリー(ダニエル・ラドクリフ)は新たな自分の能力に気づき、秘密の部屋での出来事をとおして、自らの出生の謎に直面します。

それぞれの家庭環境から来る悩みを抱えた子どもたちは、共感できるキャラクターとして描かれています。

1作目から引き続く先生たちは、控えめな登場ですが、本作の公開直後に急逝したダンブルドア校長役のリチャード・ハリスが名演を見せ、涙を誘います。

フルCGキャラクターの屋敷しもべ妖精のトビーや、ケネス・ブラナーが演じたロックハート先生など、新キャラクターも今後の活躍が楽しみな存在ばかりです。

壁に書かれた血文字が発端になる秘密の部屋の謎に迫る過程は、複雑怪奇でスリリング。そこに視覚的なユーモアとアドベンチャーを加えなければならない演出は本当に難しい作業に違いありません。

1作目から続投となったクリス・コロンバス監督は、実に丁寧な職人技を披露しました。人気作におごらず、視覚効果に過信せず、堅実にキャラクター像を浮かび上がらせ、素直に彼らの活躍が早く見たいという気持ちにさせてくれます。

今後、前作以上の面白さを求められる、壮大な映画プロジェクトにおいて、鮮やかな2作目となりました。
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