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【元ニトリ人事責任者・トイトイ合同会社代表の永島寛之氏】仕事に意味付けをし、キャリアを線でつなぐ~プロティアン・キャリア協会顧問インタビュー~

こんにちは!プロティアン・キャリア協会の広報マネージャー今西です。
私が協会の広報にジョインしてもう1年。この1年を振り返ると、協会から発信したニュースが濃くて濃くて・・!(笑)
特に一橋大学CFO教育センター長 伊藤邦雄先生をはじめ、「人的資本経営」「人事」領域で著名な方が顧問やアンバサダーに就任くださったニュースは反響が大きく、協会の活動を後押ししております。

そこで、このたび「普段は聞けない!?プロティアン・キャリア協会だからこそ聞けちゃうキャリアインタビュー」を顧問の皆様に実施することにしました。
初回は2023年4月にプロティアン・キャリア協会の顧問に就任くださった元ニトリ人事責任者・トイトイ合同会社代表の永島寛之氏へのインタビューです!

今回のインタビューはCGO 最高事業成長責任者 栗原 和也さん、認定プロフェッショナル・ファシリテーター 岩本里視さんに実施いただきました。

(左)CGO 最高事業成長責任者 栗原 和也さん(右)認定プロフェッショナル・ファシリテーター 岩本里視さん

永島さんインタビューを読んでいただく上でのキーワード💡
・現場主義
・東レ→ソニー→ニトリでの経験を今につなげる
・人の成長が喜びに

それでは早速本編にいってみましょう~!


東レ→ソニー→ニトリ、現場主義が後に市場でも希少価値へ

ー新卒で東レに入社されたのですよね。入社を決めた理由や仕事内容を教えてください。

1998年に大学卒業後、環境問題に興味があって東レに入社しました。入社前年の1997年はCOP3で京都議定書が締結された時期で、大学では環境問題を考えるゼミに入っていたこともあり、環境問題を解決するには素材じゃないかと考えていたんですよね。
東レに入社して、最初の1年半は愛知県岡崎市の工場現場に配属されました。通常だと文系は管理系の部署に配属されるんですけどね。
僕の場合はなぜか、資格をとってフォークリフトで製品を運んだり、専門のオペレーターの方が動かす製造機械を稼働させるなど、朝から定時まで現場作業をする部署に配属されました。1ヶ月の入社研修でワーワー騒ぎ過ぎたから、人事に目をつけられたからかもしれないですね(笑)。その後営業に配属されて10年ほどは、日本国内・アメリカ・中国・香港・台湾へ飛び回って営業をしていました。このままずっと東レで働くんだろうなと思っていて、自分でキャリアを創るという考えはまだほとんどありませんでした。

東レ勤務の際、海外出張先にて

ーそこからソニーへ転職しようと思ったのはなぜだったのでしょうか?

要領の良さと機転だけでうまく仕事をこなしていたのですが、34歳の時に、突然仕事がうまくいかないというか、成長実感がないという壁に当たりました。海外留学制度などにも応募しても落ちてしまい、やりたいことってなんだっけ?という疑問が押し寄せてきて、初めて仕事で行き詰ってしまった感覚を持ちました。
その時に、妻へ相談したら「転職したら?」とサラッと言われました(笑)普通は転職したいパートナーを引き留めることが多いのに、ちょっと拍子抜けでした。転職先を探している中で新卒しか入れないと思っていた企業に求人に出ていることに驚き、「こんなに世の中に働き先の選択肢があるんだ」と気づきました。そして、そこを自分が選ぶという贅沢なことができるのか!と驚嘆しました。新卒の時に一番入りたかったソニーの求人を見つけ、面接を受け、トントン拍子で入社が決まりました。

ー似鳥会長との出会いでそこからニトリへ入社されたんですよね。ソニーからニトリへ転職した際のきっかけは何でしたか?

ソニーは当時はあまり研修基盤は強くなかったですが、仕事経験で人を育成する会社で、入社してすぐにフランスへ3か月仕事に行かせてもらうなど、チャンスを多くくれる企業でした。その後にマイアミに転勤し、ラテンアメリカのマーケティングをやっていました。このマーケティングの経験は後にニトリの店舗勤務で商品構成の検討などの際にノウハウとして活かすことができました。

ソニー勤務の際、マイアミで同僚と

自分の夢でもあった海外マーケティングに携わることを叶えることができました。でも40歳前になって「あれ?仕事って何のためにやってるんだ?」という状態に。やりたいことはできるようになったが、やるべきことが何なのかわからないと言う状態になりました。これからどうしようかと思っているときにニトリが海外進出を考えているということで、「日本に帰国後にニトリと面談をしませんか」と知り合いから声をかけられました。

面談では似鳥会長、白井社長がいて「ニトリは入社1年目からロマンとビジョンを持って働けるから、ぜひどうか」と言われ、ニトリへの入社を決めました。
入社後は、フロアマネージャーから始まり、試験をクリアし、副店長・店長まで進みました。中途採用で店長業務まで担う人は珍しいのですが、現場を見て組織に興味を持ち、人の強さに惹かれて人事の道へ進みました。最初に新卒の採用マネージャーに着任し、年間1000人を超える最終面接にひたすら向き合っていました。
ニトリの方向転換に合わせて、新卒採用もガラッと変えた時期だったのですが、ソニーのマーケティングディレクターをやっていた経験を採用広報などに活かすことができて、ニトリの就職ランキングは一気に1位(マイナビ調べ)まで駆け上がることができました。そういう成果もあって、似鳥会長から少なからずの信頼をいただくことができて、人事責任者へと進むことができました。

僕は割と楽観主義なので、希望していない職務があったとしても、いつかは役に立つだろうくらいの気持ちで、意外と頑張れるところがあります。どう楽しもうかという気持ちを常に持つようにしています。だから、結果として経験が蓄積して目指すキャリアに繋がっていくのだと思います。東レやニトリでの現場経験、ソニーのグローバルな経験がニトリの人事責任者になった際に点から線につながっていった気がします。前もってつくっていくことだけがキャリアデザインではなく、後からつなげることも可能だと思っています。キャリアは編集可能なんだと思います。編集すれば、次のキャリアに接続していきます。

行動変容を目の前で感じ、人の成長が喜びに

ー人事としてのやりがいを感じる瞬間はどんな時でしょうか。

40歳ぐらいの時に、苦しそうに働いている人が多いと思っていたんですよね。その時に出会ったのが人事という領域で、組織や人の生き方に関心を持つようになり今につながっています。
ニトリの店舗、いわゆる現場で働いているときに、目の前の仕事をこなすだけではなく、人を育成する余白がある仕組みは強いなと体感したのも大きいです。人が育つプロセスを見て成果よりも、人が成長した時の方が僕は喜びを感じていたんです。
歯を食いしばりながら、自分の得意分野を生かして、個性を発揮して、日々成長し乗り越える姿を見ていました。新卒入社の方でも、経験の中で「指示の仕方が変わる」「先月できなかったのができるようになる」など、人の行動が変わっていくという姿を見ることができました。また私はマネジャーの時には当初は対話が苦手で、指示命令で進める人間だったのですが、ある時から、相手と合意形成しながら進めるとものすごい幸福感が高くなっていき、自分の行動の変化から感情も変わったことを覚えています。これはパソコンに向き合うだけでは、分からない部分ですよね。

ニトリの新人研修にて

キャリアは点ではなく、線で紡いでいく

ープロティアン・キャリアとはいつからつながりがあったのでしょうか?
ニトリ時代からタナケン先生の銀本「プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術」も内定者にも読んでもらっていたんです。キャリア資本論は非常に共感していて、まさに全部資本にするという考え方が重要だと考えています。
意味を持って仕事ができるというのが大事なんですよね。「マーケでやったのを現場でたしかめよう」「現場で検証してみよう」「次はどうやったら伝わるか」などそのプロセスは辛いし、泣きそうになる時もあるけど、私は仕事に常に意味づけしてきたことで今につながっています。
現場でお客さんに怒られてしまっても、「次何を話したら改善できるだろうか」と考えたり。意味づけする癖は、東レの工場で毎日現場作業をするという経験でも、何も考えなかったら時間が経過するだけだと思っていて、どんな仕事でも「人からやらされてないぞ!!自分の意思でやっているんだ!」というプライドのようなものはありました(笑)

ー最後にプロティアン・キャリア協会のメンバーへメッセージを!
プロティアン・キャリアの考え方に賛同して日々勉強したり、自分の組織で試そうとされている方が多いと思います。ただ、中々それを社内でそのまま実行したり組織に実装していくことは難しいですよね。所属する企業以外でもいいので、とにかくタナケン先生がおっしゃる「打席に立つ」という機会を増やしていきましょう。私も顧問として皆様の打席を増やしていく役割を果たしたいと考えています!
自分が所属している場所に限らず、自分からそういう場所を探して飛び込んでいってほしい。世の中でそれぞれのプロティアンを育ててほしい。そしてそれが大きな社会貢献にも繋がっていくと思います。
色々な人と対話をして、それぞれの変幻自在なキャリアを創っていってほしいです!

インタビュー振り返り💡
▼キャリアは点ではなく、線で紡ぐ!
▼どんな仕事でも意味付けする癖を!

【編集後記】
ここまでご覧頂いた読者の皆さまに心から感謝を申し上げます。目の前の仕事に熱意をもって向き合い続ける事の重要性、永島さんからは”「やらされてないぞ!!」という唯一のプライド”という表現がありましたが、これこそ自分に人生を切り拓いていく一つのヒントだなと感銘を受けました。ニトリに転職された際の店舗業務。傍から見ると一見不本意なのではと思える場面ですが、そこでの経験こそが人事のキャリアに結びついている。まさに、キャリアが線でつながったのだと身震いした瞬間でした。

お読みいただく皆さまにとってはどのようなところが響いたでしょうか。ぜひ、Xなどで感想をお寄せくださいませ。(#プロティアン)
(岩本・栗原)

以上です!永島さんが歩まれてきたキャリアから、私たちも今この時からできることがたくさんありそうですよね。プロティアン・キャリア協会では、組織と個人のより良い関係構築の促進を応援しています。
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