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人それぞれって言うけれど

こんにちは。

株式会社プロタゴワークスあかねです。

「仕事への取り組み方とか考え方って人それぞれだから色んなやり方あると思うんですけど、その人の“こだわり”で残業になっちゃうのは本人のためにも会社のためにも良くないと思うんですよね」

先日、とある企業の管理職Aさんがこんなことを話してくれました。

詳しく聞かせてもらうと、
「部下のBさんが、毎日外回りから戻ってきた後の“Bさんにとっての業務のルーティン”をしていることが原因で、いつもちょっとだけ残業になってしまっていることに気が付いて、ルーティン化していた一連の作業の順番とやり方を変えてみるたらどうかとアドバイスをしたら残業が無くなった」というような内容の話でした。

それからすっかりBさんの残業も無くなって部署のみんなが働き方を改革できたということでした。

聞けば、Aさんが管理職になる以前(ウチが関わらせてもらうよりもずと前)の社内では、当時のAさんの上司だった方が「やるべきことが終わらないなら残業してでも終わらせてから帰れ」ということを公然と言う人だったようでした。そして、Bさんはその頃にちょうど入社してきたということでした。

「そういう時代だったんでしょうがないですけど、自分は“終わるまで帰れない”ってのがすごく嫌だったんですよね。だから、自分が上司になったら残業しないように時間内で仕事が終わるようにしようって思ってたんで。まあ、自分が残業したくないからっていうのが一番なんですけどね」

今のAさんは笑いながらそんなことを話してくれました。

Aさんのように「自分が味わってきた嫌な思いは、自分の代で断ち切って、後の世代には味わわせない」と考える人達に時々出会うことがあります。

一方で、「自分が味わわされてきた嫌な思いと同じことを、下の世代に同じようにやれる順番がようやく回ってきたぜ」と考える人達にも出会うことがあります。

Aさんの上司だった方が語ることを聞けていないので単なる推測になってしまうかもしれませんが、時代とその方の年代と“そういう言動”から見立てると、きっとその上司だった方は自身が“そういう関り方”を若い頃からされてきたんじゃないかという可能性が色濃く見えてきます。Aさんが過ごしてきた“時代”よりも、もっともっと「そういう時代だった」のは間違いありません(そしてどうやら“その時代”を知っている別の方々の話を総合してみると「この仮説の通りだった」が真相に近そうでした)。

冒頭にも書いたようにAさんは、

「仕事への取り組み方とか考え方って人それぞれだから色んなやり方あると思うんですけど、その人の“こだわり”で残業になっちゃうのは本人のためにも会社のためにも良くないと思うんですよね」と話してくれました。

部下Bさんの“業務のルーティン”を観察して、Aさんはあることに気が付いたそうでした。

「この“業務のルーティン”へのこだわりって、Bさんが入社した頃の上司から散々かけられ続けたプレシャーが原因なんじゃないか」と。

それに気が付いてから、“仕事のアドバイス”をする際にこんな話もしたようでした。

「あの頃は当時の上司の方針で一緒に大変な思いしたけど、今の上司の自分の方針は“残業はできるだけしない”だから。残業しないためにはどうするか一緒に考えてみようよ」

“観察”をベースにして「どこに“こだわり”を発生させている要因がありそうか?」という“問い”を立てて考えたうえで、部下Bさんへ働きかけたことで、今は社内で「最も多忙なのに、退社時間に真っ先に帰っていく部署」だという評判を獲得しているそうでした。

一見すると“それぞれのやり方”や“こだわり”に見えるモノも、よく観察して、よく話を聞いてみると、実は「違うやり方をしていいということを知らなかった」とか「こうしなきゃいけないと思い込んでいた」なんてことは本当によくあります。本当にこれまでにそういうケースをたくさん見聞きしてきました。

そしてそんな「一見すると“こだわり”に見えるモノ」が在ることによって、その人自身がとても働きづらそうにしていることもよくあります。

ただ、よく考えてみると案外ハッキリと見えてくるんですが、“仕事”において「人それぞれで良いコト」と「人それぞれでは良くないコト」というのは明確になっていることが多くあります。

例えばこのAさんとBさんの件で言えば、世間の働き方改革の流れに乗って会社からはある段階から「残業は原則禁止」というお達しが出ていました。

ということは、この会社では残業をするというのは、「“仕事のやり方”とか“仕事への考え方”が人それぞれである」という範囲の外側の話だということがハッキリと打ち出されていたわけです。

それをしっかり受け取っていた管理職のAさんが、「人それぞれでは無い部分だなこれは」と気が付いて(と思っているんですが実際はどうなんでしょうか)、部下のBさんが会社の方針を無視し続けることのないように働きかけて促した。そういう話だったわけです。

“人それぞれ”ってとっても大事なことだと思いますが、時と場合とモノゴトによっては「そうではない」という場合もたくさんあるよなぁ、とあらためて思った次第です。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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