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堀口英利で学ぶシリーズ 視覚化のコツと注意点

新しく始めました、学ぶシリーズです。第一回は情報を視覚化するコツと注意点についてです。堀口学の基礎と合わせて視覚化スキルの基本を学ぶことが出来ます。


視覚化は情報を整理して把握、伝達するための必須スキル

 自分が面白いと思ったことや理解したことを伝えたい時に、その元となる情報そのままだと文字が多すぎたり分かりにくかったりして、パッと他人に伝え辛いということ、ありませんか?
 そんなときに役立つのが、"視覚化"です。要するに図やグラフ、表として1枚の絵に整理して一目で分かるようにする、という技術です。
 今回はその視覚化のコツと注意点を、情報量が多すぎて初学者にハードルが高いと噂の堀口英利さんの情報を視覚化しながら学びましょう

プロセスは情報整理、構成、思いやり

 複雑な情報や大量の情報からエッセンスを伝えるには、視覚化は非常に有効な手段です。そのプロセスは、情報整理、構成、思いやりの3ステップで実施するのが王道です。

ステップ1:情報整理~伝えたいこと絞り、それ以外を省く~

 まず最初に、誰に何を自分が伝えたいのかを明確にします。この時に大事なのは、伝えたい相手を定め、欲張らず自分が伝えたいことを明確にすることです。伝えたいことがたくさんある場合でも、1枚の絵に複数のテーマは入れず、1スライド1テーマにするとよいでしょう。
 今回私は、”堀口学に興味を持ったが何から手を付けたらよいか分からない人”をターゲットに、堀口学の超基礎となる堀口ヒストリーの概要を1枚1-2分で伝えたいと仮定します。色々な出来事があり全ては難しいので、まずは堀口さんの学歴を軸にまとめたいと思います。元ネタは下記のマサヒコさんの年表を使用します(いつもありがとうございます)。

 大元の情報から、テーマに沿った情報のみを抜き出します。この時、PCなどを使っているのであれば、いきなりパワポやGoogleスライドのような視覚化ツールに向かうのではなく、まずはワードやメモ帳などに文書としてコピペやコメントを入れていくのが良いでしょう。私は結構紙のメモ帳に書きます。自分の頭の整理のための過程なので、スピード重視です。きれいにする必要は全くありません。

必要な情報だけ切り抜くことができたら次のステップに進みます

ステップ2:構成 ~脳にやさしく、情報をきれいに並べよう~

 構成は視覚化の根幹をなす手順です。伝えたい情報をきれいに並べるのですが、このとき大事なのが、なるべく人間の脳の負荷が少ないように構成することです。デザイン性ではなく、脳にやさしいこと。これが情報を伝えるという観点では最も大事です。
 具体的に気に掛けるべきポイントは結構沢山あるのですが、最低限下記の3点を抑えると脳の負荷が下がり、理解しやすさが増すのでお勧めです。

  1. 左から右/上から下の法則
    →左から右、上から下に目を滑らせれば何を言いたいのか分かるように構成します。資料を見た時の視線の流れを意識するのがポイントです

  2. 集合と分散
    →セットで見てもらいたいことは位置的に集合させる、括りが違うことは分散させます。これは視覚的に見たほうが納得しやすいと思います。実はこのnoteでも意識しています。

  3. 記号的意味の統一
    →図形の形や色には1つの意味を持たせ、それ以外の用途では使わないようにします。また沢山の図形種類や色を使うのも悪手です。3パターン程度に抑えるのをおすすめします。

ではここから、例として実際に私が段階的に整理していく様子を画像とセットで紹介します。

まずは現状の最終学歴である高校卒業から、本人の言を正として並べてみます

 学歴だけに絞ることによって情報量が減り、また左から右に並べることで多少分かりやすくなっていますが、まだ見づらいですね。ここから”集合と分散”、”記号的意味の統一”を入れてみましょう

所属期間を矢印記号に統一、切替りタイミングを点線と文字で表現。
色はグレー/青/赤の3系統を利用。学習院は青系、KCLは赤系で使い分け

いかがでしょうか、先ほどより分かりやすくなったのではないでしょうか?このくらいまで出来たら最終ステップ、思いやりに入ります。

ステップ3:思いやり~見る人目線でブラッシュアップしよう~

 最後のプロセス思いやりは、終わりのないブラッシュアップです。見直しと改修を進めます。”思いやり”と題した理由は、このとき心がけるべきは「見る人がより見やすくなるにはどうするべきか」だからです。アート的な観点ではなく、あくまで見る人がより分かりやすく、面白くなることを心がけるのがコツです。辞め時は時間との相談です。それでは先ほどの学歴図を改善してみましょう。

区切り線の位置を各矢羽根のそばに変更

 微妙な変化ですが、まずはより見やすくなるように区切り線の位置を変更しました。この変更により、目を滑らせる距離と回数が減り、脳の負荷をより下げています。また文字サイズも少し大きくしてます。
 見やすさは向上しましたが、情報が少なくエンタメ性に欠けるので、分かりやすさを疎外しない範囲で情報を書き足してみましょう。

最終版 独断と偏見で主要な出来事を追記

 年表から独断と偏見でいくつかの出来事をピックアップして追記してみました。これで「あの事件てこの時期だったのか」と一目で分かるようになり、図自体の教育的価値やエンタメ性が少し上がったのではないでしょうか。

視覚化の注意点

 最後に視覚化を実施する際に理解しておくべき注意点について説明します。視覚化は、短い時間で情報を伝えるのにとても便利ですが、性質上情報は圧縮・加工されています。作り手が見せたい情報を強調しているケースが多いです。今回例として作成した最終版も、追記した出来事については私の感覚でピックアップしています。主要な事件がいくつも抜けていますし、私が選んだ出来事が堀口学的に重要なものであるとは限りません。しかし、この図のみで堀口ヒストリーを理解した気になってしまう人にはそのことが分かりません。作成者はその責任について、自覚した上で視覚化する必要があります。見る人も視覚化された情報だけを鵜呑みにせず、元データやそれ以外の情報を参照するか、あくまで参考程度に留める必要があります。今回私が参考にしたマサヒコさんの年表は基本的には堀口英利自身の発表を正としてまとめているので、堀口発信が正しければ正しいはずですが、時には視覚化の過程で誤りや事実とは異なる主観的な情報が増えている可能性もあります。

まとめ


この学ぶシリーズ第一回では、情報の視覚化について学びました。以下、まとめです:

視覚化の重要性:
情報を整理し、把握しやすくするための必須スキルです。

ステップ1 - 情報整理:
伝えたい内容を絞り込み、関連する情報のみを選択します。
ステップ2 - 構成:
視覚化の際、人間の脳の負荷を減らすために情報を効果的に配置します。
ステップ3 - 思いやり:
視覚化した内容を、見る人の観点で見直し、改善します。

視覚化の注意点:
情報を圧縮・加工する過程で、作成者の主観が反映される可能性があるため、視覚化された情報を鵜呑みにせず、参考程度に留めるべきです。これらのポイントを踏まえることで、視覚化のスキルを効果的に学び、応用することができます。

 学ぶシリーズ第一回、いかがでしたでしょうか?今回は堀口学入門向けに学歴軸での整理をしてみました。
 堀口学は多岐に渡り、なかなか入門しずらいですし、こちらの認知を超える可能性もあり、そろそろ視覚化して資料として整理する必要を感じている人も多いかと思います。ぜひ皆さんも研究の過程や成果として視覚化を試みてください。こちらの記事がその際に一助となれば幸いです。
 他の観点でも堀口英利から学べることが思いつき次第、シリーズ第二弾、第三弾も作っていきたいと思います。

最後に今回の元ネタとして参考にさせていただきました、マサヒコさんに改めて感謝いたします。年表、ぜひ皆さんもご活用ください。また情報量が多いので、年表をみることで視覚化の威力や注意点として挙げた内容の重要さをより感じやすいかと思います。

Best regards,
プロ説教師


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