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メタルコアよ、メロデスへ還れ(願望)

メタルコア、というジャンルが30代以下のメタルヘッズにとっては正統派メタルと同様の響きを持つようになった現在への予感は、思えば2010年前後からあった。
それはデスコアという新しいジャンルが混沌とした試行錯誤の黎明期を経て、確固たるクオリティをもってUSエクストリームシーンの王座へと歩み始めた時期。メタル+ハードコアという組み合わせが発展して強力なサブジャンルを生み出したことで、メタルコアは現代エクストリーム音楽の基盤となったのだ、ということが感じられた。
しかし当時の世間一般的にはまだまだメタルコアも若いジャンルであり、Killswitch EngageやAs I Lay DyingがJudas PriestIron Maidenのようなクラシックとしての扱いを受ける、というのは理解されづらかったように記憶している。

2023年の現代では、40代以上、あるいは厳格な思想を持ったメタル好き以外にとってはKsEやAILDがクラシックであるということに疑問は少ないと思う。
今はメタルコアというジャンル自体が発展し、メロディの主戦場はギターではなくボーカルや打ち込みになり、楽器隊はバウンスするような体感的リズムを支えるシンプルな形になっている。
そう。
メロデス由来の単音リフをメインウェポンにした楽曲は……古臭い。

初期にはメロデスリフを持っていたバンドの多くが、そこそこ規模が大きくなるにつれてライブでの盛り上がりが想起されるような横揺れのヘヴィグルーヴとモッシュパート、ボーカルはシャウトが減りクリーンとラップで構成された楽曲に埋め尽くされていくのを何度も見た。
(※Disってないです)
これは当然の話で、そもそも単音リフのようにリフ自体を楽しむというのがそこそこ音楽的な知識をバックグラウンドとして必要とするし、そういう聴き方をするのはオタク層であってマスではない。
それだけジャンルの間口が広がっているということであり、原理主義的な意見を押しのけてマス向けにすることでより広いフィールドを開拓してきた偉大な先人たちあってのことだと思う。

ライブでもこう、あまりアクションせずに手先でコチョコチョピロピロとやられてもオーディエンスとしてはあんまりアガらないのだろう。巧いのはわかったけどもっとギターぶん回したり派手なやつ、ないの?という。
わかる。
わかるよ。

でもおじさんはその小手先の古臭いやつ、好きやねん……。

売れるためにはコレをやれ!とか逆張りしろ!とかそういうんじゃなくて、こう、単純に自分が好きなのでもっと増えてほしいんですよ原点回帰のメロデスメタルコア。
それもIKTPQとかStill Remainsみたいな、激情リフのやつ。
何なら先祖返りしすぎてちょっとAt The Gatesやってくれてもええんやで……GO!!からのサーコピッ!!しようや……。


というわけで、Vesper the Aerial、12月3日東京でそんな時代に微妙に乗り切れねぇメロデスメタルコアおじさんが歓喜するようなイベントに出演します。

まず主催のONE LAST STANDThe Last Illyasが若くしてどちらもあの頃のメロデスメタルコア直系であり、この時点で感謝が絶えません。
さらにはこれまた20代前半で精力的に活動し全国的にも名前が知れてきている東京のABLAZE IN VEINS、名古屋のUNWAVERINGも強力なメロディックリフを武器にしています。
メロデス・メタルコア界の猛者が集ったAlphoenixは言うまでもなく、そんな中で同人音楽界から女性Vo擁するテクニカルなポストハードコアのLenoriaが出演するのも面白い化学反応が起きそうです。

そんな中でVesper the Aerialは一番古臭い純メロデスバンドとしてイエテボリ魂ぶちかましにいくので、両手両足でメロイックサイン掲げる練習しておいてくださいね!!
アルバムから初披露の新曲"Paralyzed"も持っていきます!

12/3(日)@東京・立川BABEL
ONE LAST STAND×THE LAST ILLYAS pre.
『NATURAL BORN LAST MOSHERS』
-Act-
ONE LAST STAND(茨城)
THE LAST ILLYAS(長野)
Vesper the Aerial(大阪)
UNWAVERING(名古屋)
Alphoenix
Lenoria
ABLAZE IN VEINS

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