ひろゆき&泉のスウェーデンとフランスの出生動向に関するデマ

泉房穂(前明石市長)とひろゆきが『少子化対策したら人も街も幸せになったって本当ですか?』でよくあるデマを語っていた。

まず、ひろゆき。

特にヨーロッパは少子化対策に本腰を入れているため、出生率の低下が下げ止まりし、いくつかの国では上昇傾向にあります。
例としてよく取り上げられるのが北欧の国々です。
スウェーデンは少子化対策が成功した国として有名ですが、1999年に「1.50」だった出生率が、子どもの福祉を重視した家族政策を導入することで、2010年には「1.98」まで回復。全体的に出生率が下がった2020年でも、何とか「1.66」をキープしています。

p.21

スウェーデンはTFRが循環的に変動しているのが特徴なので、谷と山をチェリーピックするのは適当ではない。なお、2022年のスウェーデン生まれのTFRは1.47である。

SCB
各国の政府統計機関

次に、泉房穂。

フランスも昔は、今の日本のように少子化が非常に深刻だったんですよ。国全体で少子化対策に一気に舵を切ってV字回復を達成した、代表的な成功モデルです。

p.121

「少子化が非常に深刻だった」時期も「V字回復を達成した」時期も平時には存在しない。

Insee, 厚生労働省

第二次世界大戦後の出生数は日本と違って安定している。

Insee

フランスの「少子化」とは、1930年前後に生まれた女は平均2.6人産んでいたが、1960年代後半以降に生まれた女は2.0人に減って19世紀末の水準に戻ったというもので、精々1.5人の日本とは全く異なる。

Insee
横軸は女の出生年、縦軸は各年齢までの平均出生数

『少子化対策したら人も街も幸せになったって本当ですか?』は虚言のファクトチェックが必要なので、後日に取り上げる予定。

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