ナチスと失業

これ👇は学者にありがちな木を見て森を見ずの評価と言える。

確かに統計上は効果を上げ、1937年には失業者数が91万人にまで減少しています。ただ、これにはカラクリがある。ナチ党は若年労働力の供給を増やすために、18歳になると農村などでの半年間の勤労奉仕を義務付けたほか、1年間の兵役も義務化しました。加えて、女性が二度と就労しないことを条件に結婚奨励貸付金制度を導入するなど、女子労働力の供給も減らしていった。つまり、若者や女性を労働市場から追い出すことで、統計上の失業者数を減らしていったのです。

石田の発言

学者にはこのカラクリがインチキに見えるのだろうが、当時のドイツ人にとって重要だったのは居場所が与えられて生活基盤ができる(→ヴィ―ン時代のヒトラーのような人が減る)ことであり、それが勤労奉仕でも永久就職でも無問題だったので、ヒトラー政権の政策に全く効果がなかったという評価は妥当ではない。また、人心の安定やアナウンスメント効果が民間経済活動を促進する効果を無視することはできない。

これによって婚姻と出生は増えており、当時のドイツ人の多くが生活が「良くなった」と評価したことは事実である。

https://doi.org/10.14992/00002913
表1より作成
橙マーカーはヒトラーが首相に就任した1933年1月

👇はアメリカの失業率。ローズヴェルトが1933年3月の就任直後に実施したバンク・ホリデーと金本位制停止がデフレスパイラルの反転に大きな効果があった。

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