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【プリズンライターズ】俺のクソ人生の日々・4

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その結果が腫瘍マーカー、炎症反応を確認したと名拘の医務のカルテには載ってました。その説明は聞いてません。後で知ったのです。で、2月15日に急きょ外部の病院に連れて来られ、CTスキャンと点滴をしたのですが2月21日に医務課に呼ばれて、行ったのですが、俺の頭の中では肝臓のことしか考えておらず、医務に着いたら、俺を末まで診察していた若い医師と違い、もう一人の俺より年上の50代後半ぐらいの医師がデスクの椅子に座っており、周りは主任やら統括やらと人が何人も居て、何んやろう?この人らは??と思い乍らも医師が「Mさん前の椅子に座って下さい」と言われて座り、医師が突然に「Mさんは“すい臓がん”です。肝臓にも転移してます。幾つも、もう手術もできません」とまさか...まさか...冗談やろ!!肝臓の数値は悪いとは聞いてた、けど、けど…“すい臓がん”!!!手術できない!?所ですい臓ってどこだ?(苦笑)

頭の中が真っ白になって行く...医師は「このまま何もしないと5年以上の生存率は数パーセントです。治療としては2つあり、まず、点滴による抗がん剤ですが、これは副作用が強く、途中でリタイアされる人も居るのでお勧め出来ません。それでもう1つは飲み薬のエスワンって抗がん剤ですが、これをお勧めします。勿論、人によって、この薬も副作用が違い、合う合わない人も居ます。ですので、まずこの薬から始めて、副作用が強かったりしたら、別の薬を考えます」と 俺はボーとしながらではあるが話を聞いてたのですが、言葉が出ず...医師が「Mさん3月からとか言わず、やるなら今日から始めて下さい」と言われ、よく判らなかったけど、言われた通りにし、その日から病舎に転居し抗がん剤の治療(と言っても延命ですが)を始め、1週間は看守の言葉に一つ一つ敏感に反応し、「良い」とか「いいですよ」とかの言葉に無情を感じ「何が良いだ~何がいいだ~何も良くねー(怒)」とイライラがMAXに成り、医務診察で、俺に、肝臓の数値が悪いけど大丈夫とか言ってた医師が来たので、俺は末まで疑問に思ってたことを口に出し、医師に「先生さー肝臓の数値が悪くても大丈夫とか言ってたけど、原因も判らなく、数値ばかりを見てたけど、普通さ~刑事施設にも一般水準の医療って謳ってるけど、シャバの病院てのは、原因が判らなかったら、そのままにしないでやれ~CTスキャンだ~エコーだ~MRIだ~って念の為にするでしょう!?それで、早期発見したりして、癌でも今は早い内は治る時代でしょう?先生はシャバの病院に務めてたら、原因不明だとか、肝臓が悪いって言ってたんやから、食欲もないし体もだるいとも伝えてたけど??すい臓がんからくる症状やし、何故にもっと早く、エコー検査なり、精密検査をしなかったんや(怒)外(シャバ)の病院で、先生のやり方はどう考えても通らんやろ!!えっ!違いますか!?医師「…はい……」この医師は認めた(笑)でポリゴン(注5)のように固まり、二の矢を発射しようしたら、病舎の担当が合いの手を入れて、「先生、今の内に行って下さい」と言う!!人を適当な緩怠による診察しといて、逃がす官の手口!!食欲はここの飯では食欲も湧かず、栄養ドリンク剤のエンシュアリキッド(バニラ味)を朝、昼、晩の食事に1回に2本まで出るように成ったので、MAX1日に6本(1本250キロカロリー)までOKと成ったけど...これが栄養ドリンクと言っても薬と一緒で副作用もあり、下痢とか腹痛etc.とあり、栄養を体に入れても下痢してしまい、下痢止めの薬を飲んでて、悪循環(あくじゅんかん)もう、己の事件で死も覚悟してたし癌のステージ4のそれも質(たち)の悪い“すい臓がん”やけど、もう癌になってしまったものは仕方ないし、問題は事件の裁判への意味が薄れているのは、いなめない。裁判が始まるかも判らないし、始まっても、もう俺は癌の宣告をされて、ある意味、死刑判決されたと一緒なので、仮に、裁判で死刑だろうが無期だろうが、俺は刑罰で罪を償うことも出来ない。

だから、俺は死ぬ前に出来ることはしたいと思っているし、その一つが国賠訴訟をしてるんやけど、勿論、医療の事です。刑事施設は本当に人権はないです。憲法で人権が守られていると思ったら大間違いです。獄中は「有権解釈」(注6)と言って行政、要は刑事施設の所長やその下の権力によって監獄法(収監法)が在り、所長の解釈一つで、中身も変わり、俺が癌で、色々とMRIやその他の検査が必要なのですが、外(シャバ)の病院に連れてってくれません。理由は入院になったり、検査に時間が掛かるから、非人道的でも、官のトップ連中は何も考えてません。ですので、名古屋入管のスリランカ女性のウィシュマさんが殺されたのも入院させないが為に死んだのです。これらは氷山の一角です。「冤罪」も然り、ですので俺は巨大な国家権力だろうが、罪人だろうが、それを人とは違うと言うならば闘い、全国の刑事施設で苦しんでいる人のためにも、俺の闘いで、一石を投じれたらば、もっと医療も変わると信じてる。そのためには、俺が死んでも、国賠を最後まで続けるためにも、今、その意志を受け継いでくれる人を探しています。勿論、勝っても、お金は俺に入っても使い道がないので、他の支援団体や個人支援者に寄付します。特に「冤罪」者を応援しているので、「冤罪者」の1日も早い“無実”が晴れるように出来たら、いや必ず勝って、困っている人に支援したい。ただ欲を言えばですが、手記の本を世に出したいのが夢です。それらも全て、寄付します。どの道、もう亡くなってると思いますしね(笑)

今、国賠の件で弁護士と相談してますが、名拘のカルテと言っても、コピーではなく、記録を写したものですが、これが酷い(苦笑)言ったことは書いてないし、割愛してる箇所が多くてデタラメもいい所です!ですが、必ず勝ちますので、法テラスに借金してますが、弁護士の先生も正義感の強い方ですし、今は言えませんが、秘策もあります。俺はもう、血の繋がった家族とは縁切りされてますが、この獄中の中でも色々な人と巡り会えたし、別れもあったけど、俺を支えてくれる。ほんにかえるプロジェクトの事務局長の汪楠さんやスタッフの皆様方々やその他の支援団体の方々のお陰で今の俺が生きている!腐りかけた時も何度かあったけど、その都度、色々な方々に励まされ大事件を起こし乍らも、癌になっても、前向きに生きてます。“クソはクソ人生だけども”クソ人生でも、良かったと思える気持ちは昔よりも、今の方が不自由の中でも、心は豊かになったと思います。

ですので、人にも優しく出来るんです。人間って弱い生き物だけど、共助し合ったりして、困ったら誰かに相談したり出来るように、人を「愛」を求めれば必ず救われます!必ず!!
俺は正直...いつ死ぬかも判らないので、死後の世界は全て、いや70%ぐらいか(笑)は、身辺整理も進んでます。骨も散骨をお願いしていて、心残りはないです。後は、仲良しの仲間の幸せを祈るぐらいです。中には死刑囚も何人も居ますが...外部交通(注7)も出来なくて、心配やけど...交流してる時は何でこの人が・・・・死刑になるような事件をと思えるぐらい、根は心の優しい一面もあったりと、ただ、やっぱり思うのが、共通して、俺と一緒で、呆れるぐらい社会で生きる術が少なくて拙いと...生い立ちも、やっぱり、問題あるし、悪い事は悪い事やけど、ただ、その人だけを悪いと断罪するには、俺個人的には、可哀想と思う!社会の問題も大きいと思うし!俺は、この世に生を受けて、ハッキリ、何が常識とか何が正しいとかなんて、全てを親にも学校にも教えてもらってないしそれどころか、中学校では、髪を染めたり、不良の格好してるだけで中にも入れてくれなかった...社会で生きてく術も知らずに、社会に出されて、そんな似たかよったかの人は、やっぱり刑務所行く人が多いと思う。「プリズンサークル」って本読んだけど、高卒なのに、その人は学歴コンプレックスを持っていて...じゃー俺は何?ってすげ~遠い所まで、流された気分になった。

まあ、俺は俺やけど!殺人者からのメッセージを!!

陽光を浴びているときと闇のなかにいるときでは全神経が一変する!過剰(かじょう)という冠(かんむり)のつく状態は人を必ず不幸にする!人間は過剰なものをコントロールできない。過剰さは人さえ殺す。過剰な闇をまとい過ぎるとコントロール不能に陥ってしまう......負の連鎖は己を狂わし常識では、はかり知れない次元に行ってしまう事がある。その次元とは経験した者しか語れないし、又、語れない経験者も居る!何故かと言えば、記憶が無いからです。それを精神学的は解離症や「健忘」であって、意外とこれが、受刑者にはそこそこ居るって事です。又、俺も含みますが軽度の知的障害や発達障害も多いって事です。かと言って、それらの障害者全ての人が受刑者に成る訳ではありませんが、少なくても刑務所にまた戻ってくる人は、外部の支援やサポートする身近な人が居ないのも犯罪の原因です。出戻りに多い犯罪の人には、出所後に帰る家がなく、お金も無いために又、同じ繰り返しの人も多いです。刑務所は、出所後の事まで考えてはくれませんし、出所者の中には社会に溶け込めずに、短絡的に犯罪に走って行く者も多く、それらの人は、もう世捨て人その者です。手を差し伸べたら救われる人も居るのですが、まだまだ、社会は犯罪者の更生に対して、冷めているところが有ると思いますし、そもそも、日本は変わってしまった。情が薄くなってるし、人に関心がなさ過ぎる。コミュニティーの場はネット上が殆どで、空虚な日本と成り果てている。きっと、今の時代に未来にも、絶望してるからかな...俺は今、不思議と人生に絶望はしてない。もう死を受け留めたからかも知れない。一つの悟りかもです。人は必ず遅かれ早かれ死が来ます。明日なんて必ず来ると当たり前に思ってた俺は、今は、一日一生の気持ちで、一日一日を生き抜いています。今、この俺の手記に一つでも心が揺れ動いたのでしたら、あなたも一日一日を大切に生き抜いて下さい。その中で、怖がらないであなたの道を進んでください。何が正しいなんて答えはないし、それは神のみぞ知るです。進めば答えは出ます。まず、立ち上がる事です。どうか、どうか、愚な殺人者のメッセージを受け取って頂けたら幸いです。俺のようなクソ人生だけは歩まないで、生きて行って下さい。

ご不快な点がありましたら予めご容赦下さい。

P.S刑事施設に人権があると一般の方々は思っている方が多いですが、ハッキリ、人権はないに等しいです。俺がいい例です。癌のステージ4で手術も出来ず、検査もしないとダメなのに、入院も出来ません。

(注5) 多角形、もしくはポケモンのキャラクター
(注6) 国家機関の行う,拘束力をもつ法の解釈。公権的解釈
(注7) 外部の人との面接や文通

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