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【プリズンライターズ】刑務所より俳句と短歌 Vol.1(つぶやき付き)

こんにちは。全国各地の塀の中にて様々な規則によって、何かとストレス過多な受刑生活を送られていると思いますが、如何お過ごしでしょうか。
先日、プリズンライターズ・レポートVol.3を差し入れしてくださり、有り難うご座居ました。 
早速、時間を忘れて投稿職人達の心の声に触れ、それでは私もと思いペンを握った次第です。 

特に私が何度も目を通したが、会員番号・A289さんの粒揃いの短歌です。 
教科書のように型に嵌まらず、かと云って柔らか過ぎずに情景がしっかり伝わってくるし、すっかりファンになりました。 
私はどちらかと云うと主に俳句を嗜むのですが、数年前から短歌も詠むようになってからはノートに書き留めています。 
今回のプリズンライターズ初の記念投稿は、私の拙ない俳句・短歌をいくつか紹介させてください。 

俳句
・精進の道はかわらず冬に入る
(暑い日も寒い日も、我々には精進(償い)あるのみ! )

・着ぶくれて我れの背中の遠さかな
(重ね着は、ほどほどにしておかないと、痒いとこに手がとどかない、、、。 )

・全身で北風を頬ばる無期の囚友(とも)

・時といふ止まらざるもの除夜の鐘

・苦しみも生きていてこそ除夜の鐘

・下手な字の個性となりし賀状かな
(受刑生活の中で私が唯一ゆっくりしている正月連休、布団の中で作った三句です。  )

・不自由も自由も糧に春を待つ
(どっちかと云うと、受刑生活って楽しみよりも苦しみの方が大きい。
でも、耐えて耐えて耐え続ければ、あなたにとっての春は必ず、必ずやってくる!  )

短歌

・人間のすることじゃないと囚友が云う 人間だからこそとも思う
(TVのニュースが、親が我が子を餓死させたと報じている。
それを観た同室の囚友(とも)と私の本音。皆さんはどう考えますか?  )

・ラジオから流るる昭和の歌謡曲 あれも知ってるこれは歌える
(昭和の曲って、味がありますよね。作業中は機械音に紛れて大熱唱してますっ! )

・常識って一人ひとりちがうもの あなたの常識を押しつけないで
(いるでしょ、あなたの身近にも。常識常識まって云う奴ほど、それって常識なの?と云いたいくらい変でしょ。
だけど私は余程のことじゃない限りスルーしてますっ!  )

・平和とは強化ガラスのようなもの 傷に強くもふと砕け散る
(世界的レベルでは国家間の戦争、身のまわりで云えば人間関係も同じで、ふと悪化するよね。 こんなことを考えるようになってから、平和の大切さをテーマにした本も読むようになりました。 )

 以上が私の拙ない作品です。本来なら人様の目に入れる程のものではありません。 
しかし、A289さんに勇気を頂き、今回、表に出させて頂きました。 
これで私のプリズンライターズ・リポート初投稿を終了としますが、最後までお付き合いくださり、有り難うご座居ました。 
またお目に掛かる日を楽しみにしてます。 

2023年11月7日

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