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オーディオコーデック音質評価のやり方
オーディオコーデックは、オーディオの最終品質を無慈悲に左右する要素です。せっかく細かいニュアンスを作り込んでも、エンコードによって台無しになってしまうこともあります。
一方で、オーディオコーデックに関しての質の良い言及は非常に少なく、特に音質評価に関しては「どうせ区別がつかない」「結局は好み」などといった雑な極論が蔓延してしまっているのが原状です。
そこで、その「音質評価のやり方」をテーマとし
映像のフレームレートについてのいろいろな文脈
最近では映画、アニメ、ゲームなどの映像のフレームレートについて、様々な意見を見かけます。
例えば下記のような感じのものです。
(具体性を消すため適当に意を汲んで書いています。個々には特に批判などの意図はないので軽く流してください)
30fps と 60fps の区別は付かないので 30fps で良いのでは?
映画は 24fps だし 24fps で十分なのでは?
アニメは秒間 8 枚でも十
真のラウドネス値 追い求めて - 海苔とK-weightingと私 -
近年では、多くのプラットフォームで「ラウドネス規準」や「ラウドネスノーマライゼーション」の運用が行われるようになり、オーディオ制作時に意識する必要のあるものとしての認識が広がっています。
一方で、ラウドネス関連に対する取り組みや考え方に関してはオーディオ制作者の中でもバラつきが大きく、不要な摩擦の要因となっている面すらあります……。
本稿はそんなラウドネス関連に対して「真のラウドネス値とは何か
サウンドなのか?オーディオなのか?
ゲーム業界における職種などの呼び方に関しての議論が最近良く起こっている気がします。例を挙げていけば「ゲームデザイナー」「レベルデザイナー」「ナラティブデザイナー」とか色々ありますね。
こういった職種などの呼び方に関する混乱はゲームオーディオ界隈でも起こっていて、というか多分他の界隈と比較しても結構凄いと思うんです。
例を挙げてみると、
職種領域 (セクション) を表す名称として海外では「ゲー
物理イマーシブオーディオ環境を DIY してみたメモ
そろそろ仕事で必要そうだったので、イマーシブなオーディオ環境を構築してみました。これから構築しようという人も多いと思うので、メモを整理して公開してみます!
目指したところは、インタラクティブなイマーシブオーディオの確認や実装をするにあたって筆者基準での必要最低限の環境という感じです。事情によって異なる箇所も多く今後大きく変化していく可能性も高い所だと思うので、参考程度に見ていただければと思います
リスナー位置はカメラにはない、プレイヤーにもない、創るものだから
ゲームオーディオにおける「リスナー」とは「聴き手」を表し、効果音の減衰やパンニングを行う際に、基準となる位置と向きを表します。
FPV(First-Person View) のゲームではカメラとプレイヤーキャラクター(以下プレイヤー)が位置も向きも一致しており、リスナーは多くの場合カメラの位置と向きがそのまま採用されます。
しかし、TPV(Third-Person View) のゲームでのリス
「オーディオ版レイトレーシング」と「物理シミュレーションによる音響空間表現」
「レイトレーシング」は 3D グラフィックスの重要な技術となっていて、レイトレーシングを使ったリアリティの高いグラフィックス表現を見る機会が増えてきました。
また同時に、「レイトレーシングをオーディオに応用する」といった言及もちょいちょい見かけるようになりました。
しかし、グラフィックスのシミュレーションにレイトレーシングが有効なのは光の特性をレイトレーシングで近似できているからであり、音の特
ゲームの遅延についてまとめる
最近では昔のゲーム機やアーケード筐体の移植版などがいろいろと発売され、レトロゲームブームが続いていると思います!ですが同時に「遅延が気になる」などの声があがることが増えてきている実感があります。
また、e-sports や RTA などに注目が集まり、ゲームにシビアさが要求される場面も増えてきました。その中でも「遅延を減らすにはどうするか?」といった議論が出てくるようになりました。
さらに、V
エイリアシングとは何者なのか?
近年、普通(?)の人の感覚ではありとあらゆるものがデジタル化されていて、アナログというのは懐古として楽しむものというようなイメージになっているのではないかと思います。
しかし一方でオーディオ関連の世界を見ていると、意外と普通にアナログ機材が現役なことに気が付きます。使用する理由に関しても懐古的なものではなく、「アナログのほうが音が良いから」といったような現実的なものです。
(かくいう私も最近ま
「スーパーマリオ ヨッシーアイランド」、至上のオーディオ演出
個人的に交流がある方にはお馴染み(笑)だとおもうのですが、私が「オーディオ演出がスゴいゲームって何?」などと聞かれる時にいつも決まって答えるのが、「ヨッシーアイランド」です!
そして、これを答えたあと毎回、「どういう所がスゴいの?」と聞かれるわけですが、言いたいことを全て説明するのが大変過ぎるのである程度 note にまとめることにしました。
※ ゲームタイトルは「スーパーマリオ ヨッシーアイ
ハイクオリティなゲームオーディオ表現の価値について
昨今のゲームはハイクオリティが当たり前というか、特にグラフィックスの写実性に関しては進化が目覚ましく、驚くほど綺麗なゲームというのが次々と出ているように感じています。
では?オーディオ表現に関してはどうでしょうか?
あまり言いたくないことではありますが、ここ最近はオーディオ表現の進化に若干の停滞を感じています。特に実装面に関しては、ゲームエンジンの進化過程で置いてけぼりを食らっているような状態
ゲーム業界でテクニカルオーディオデザイナーやオーディオプログラマーとして働くことについての散文
先日杉森さんの下記ツイートが広くシェアされていました。
ゲームオーディオの業界で最近そういった人材不足を感じている所でしたので、こうして認識が広がるのはありがたいですね!
そして、この「サウンドプログラマ」とされている部分について、私が最近(地味に)周知活動を頑張っている職種と繋がる内容ですので、この機に乗っかって見かけた意見等に対していろいろ補足してみたいと思いますー!空中レスが届くように是
EQ を IR で知る
EQ(equalizer) は音の質感を調整する上でほぼ必須のものになっていますが、それでいてとても奥が深く、しっかり理解するのは難しいものだと思います。
EQ の作用の捉え方としては、「周波数(振幅)特性を調整するのが主作用で、副作用として位相ずれや群遅延が起こる」のように考えている人が多いかと思います。もちろんこれは間違いと言うわけではないです。
ですが、EQ の作用には重要な別の捉え方が
テクニカルオーディオデザイナーの使用機材紹介
PC 入れ替えをして少しずつ本格的に色々と作業開始していくにあたって機材を買い足したのですが、想像以上に (個人的な) 良環境になった気がしたので、ちょっと紹介してみようと思い立ちました。
インタラクティブオーディオに軸足を置いたテクニカルオーディオデザイナーということで、音の立体感やアタックなどのリスニングに重点を置いた (というか全振りした) 構成になっています。他のオーディオ職との選定基準
機構でみる!ディレイ/リバーブの歴史
エフェクトとしてのディレイ/リバーブの機構について解説する機会がちょっとありまして、一通りまとまったものどこかに無いかな?と探してみたのですが、あまり網羅的なものは見つかりませんでした。
仕方なく (?) 自分で各所の情報を引っ張ってきつつ適当にまとめていたところ、とてもテンションが上がってきたので、勢いで note にも書くことにしました。
そんなその場ノリで作られた本稿ですが、機構面での網