見出し画像

インド株に投資するためにインド経済について調べてみると?!!

こんにちは。

コロナ禍もようやく明けて、日米の株式市場はようやく活況を呈してきました。そんな中、先日の日経新聞にこのようなニュースが掲載されていました。
「インド株最高値、半年ぶり更新」

インド株式市場の代表的な株価指数であるSENSEXは、6月16日、6万3384.58まで上昇し、2022年12月以来、過去最高値を更新しました。そして、その後も堅調に上昇し、現在までに最高値を何回か更新しているようです。

記事によると、インド株式市場に世界のマネーが向かっている、好調な企業業績を背景に、3月以降、海外投資家の買い越しが続く、とあり、世界的に注目されていることが書かれています。

さて、そんなインド株、何故、そんなに買われているのか、また、この先はどうなるのかを考えるために、今回はインドの今について色々と調査、整理してみました。

インドの最近の驚きの特徴をまとめました。

1. 人口世界1位
インドの人口は14億人で、2023年に中国を抜いて、なんと世界一になったようです。そして、ただ単に人口規模だけではなく、インドは生産年齢人口が9億6000人もいます。これは中国の9億7000万人とほぼ同規模となります。
この生産年齢人口は、次に示すGDP経済指標と大いに関連があります。

2. GDPが現在世界5位、2027年には3位
経済の強さを示すGDPについても、現段階では先進国のフランスやイギリスを抜いて5位、2027年にはドイツ、日本を抜いてアメリカ、中国に次ぐ3位となるだろうと予想されています。ちなみに一人あたりのGDPは2000ドル台です。インドでは貧富の差が激しいためか、一人当たりのGDPはそれほど多くなく、日本でいうと、高度成長期の1970年代と同じであり、逆に言うと、これからの成長が期待できるということです。

3. 8月に旧ソ連、アメリカ、中国に続く4番目の月面着陸達成の国となる
インドの宇宙開発力はすでにアメリカ、中国、日本、ロシアなどに並ぶレベルと言われており、8月23日には月探査機「チャンドラヤーン3号」が月の南極付近に軟着陸を果たしました。このように主に人口、経済、そして科学などの面でアメリカ、中国と並ぶ大国になってきました。
そしてインドの場合、注目すべきは生産年齢人口などの更なる増加に伴う更なる成長の可能性です。マクロ的に見るとインドは投資対象としては買いですね。それでは、もう少し具体的に政策をみていきましょう。

4. 政治、経済の安定
2014年からモディ首相による政権運営が行われてから10年となりますが、政治は非常に安定しているようです。また政権の掲げる経済目標も2014年の「Make in India」から2020年には「Self-reliant India」と的確であり、それに沿って経済も順調に良くなっているようです。
また2047年までにエネルギー自給を目標とする「国家水素ミッション」も打ち出して、環境政策も適切に行なっているようです。

5. 金融の安定、右肩上がり
米国と同じように利上げを実施した成果で、インフレはようやく落ち着いてきたようです。株式市場も前述のように、コロナ時に下がったところから右肩上がりで、6月に史上最高値をつけてまだ上昇傾向にあります。
インドの為替ルピーについては、円など他の通貨に比べて現在1ドル81.8ルピー付近で安定しているようです。

6. インドの代表的企業
次に、具体的に、インドにはどのような企業があるかを調べて見ました。以下がインド企業の時価総額ランキングです。
1位 リライアンス・インダストリーズ
2位 タタ・コンサルタンシー・サービシズ
3位 HDFC銀行
4位 ICICI銀行
5位 ヒンドゥスタン・ユニリーバ
6位 ITC
7位 インフォシス
8位 インドステイト銀行
9位 住宅開発金融会社
10位 バーティ・エアテル

1位のリライアンス・インダストリーズは石油化学メーカーです。ポリエステルの生産では世界一のようです。
2位タタはIT業界の会社なのでご存知と思います。現在なんと世界最大のIT企業となってしまいました。
3位、4位はインドの民間銀行です。
5位のヒンドゥスタン・ユニリーバはイギリスのユニリーバのインド子会社のようです。
6位ITCは日本で言うと、JTのような元国営タバコ会社で、現在、多角化事業を行なっています。
7位インフォシスもIT業界のソフト開発会社として大手ですよね。
8位インドステイ銀行は国営銀行のようです。
9位はHDFCと呼ばれる住宅ローンの会社です。
10位バーティ・エアテルは携帯電話の会社です。
株式市場で主要な銘柄というと、このような大手IT企業や金融機関などになると思われます。

7. IT人材の育成
ちなみにITの話では、インドは政府としてIT人材政策を積極的に進めており、インド工科大学は全国23都市で開校し、IT人材を育成しています。
インドの場合、若者はカースト制度にこだわらずに、こうした実力本意のIT業界、IT企業で働く傾向にあると言われており、たくさんの優秀なIT人材を輩出しています。その結果として、現在米国の主要なIT企業のCEOにもインド出身者の経営者が就いています。例えばマイクロソフトのCEO、サティア・ナデラ氏、アルファベットのCEO、サンダー・ピチャイ氏が有名ですね。
インドの人はもともと英語がネイティブで、論理的である方が多いため、欧米の企業では幹部として活躍される人が多いです。こうしたこともインドの国力の一つかと思います。

さて、それでは、いよいよインドの株式市場を見て見ましょう。

8. インドの株式市場
株式市場の規模としては、世界全体の1.5%程度でまだ小さいですが、新興国のみでみると、中国の約半分くらいの規模となります。
インドの代表的株価指数はSENSEXとNIFTYがありますが、両者ともに2003年からほぼ右肩上がりを続けています。ただ全く落ちていないかというと、2007年から2008年のITバブル崩壊の際に一旦1/3になる下落を経験しています。現在NIFTY50は、ご存知のように、史上高値を更新しており、平均PERは18程度になります。
この先も成長経済のため引き続き上昇が見込めますが、特に来年は総選挙の年となり、選挙の年に株価が一層上がる傾向にあるようです。
インドの国民向けに日本のNISAのような制度として「SIP(システマティックインベストメントプラン)」があり、現在SIP全体規模は日本円で2000億円程度。ちなみにインド株式市場の株式は個人の外国人では購入できず、全て資格をもった「外国機関投資家」の法人のみのようです。現在「外国機関投資家」、すなわちグローバルな機関投資家は対中投資を控えた分でインドに投資をして、マネーを流入していると言われています。特に2023年3月以降毎月50億ドル以上の資金でインド株式が買われています。
このように「インド株」を検討した場合、個別銘柄は買えないため、国内の証券会社が販売しているインド株ファンド(投資信託)を買うことになります。インド株のトレンドとしては上昇基調にありますが、今までの経緯で社会情勢で乱降下するボラティリティが高い投資対象と考えられています。

9. インドのリスク要因
ちなみにインドの状況として、以下のようなネガティブな側面もあるため、今後、黄信号が出てくる可能性も理解しておくとよいでしょう。
1. 貧富の差が激しく、街が汚い
2. 街中の交通ルールが守られない
3. 世界最大のヒンズー教の国である(ネガティブではありませんが)
4. 大気汚染がひどい、世界大気汚染ランキングで毎年選ばれる
5. カースト制度がまだ結構残っている
6. 電力、通信などのインフラが相変わらず弱い

最後の通信インフラについて、先日の日経新聞にこのようなネガティブな記事が載っていました。
「G20会場にみる印「IT大国」 不安定な通信/デジタル決済多難」

インドの首都、ニューデリーで9月10日閉幕したG20サミットに、世界から多くのメディア関係者が訪れていたのですが、メディアセンターでネットが止まるなど、通信環境の悪さに不満の声が上がっていたようです。首都ニューデリーでこんな調子だと地方はもっと悪いのでしょうか。

10. まとめ
インドはとにかく人口、特に労働生産性人口が世界でもトップクラスで、経済および株式市場はこれから成長していく可能性大です。ただ、インド国内の実態はいまだに良くも悪くも新興国、昔で言えば発展途上国です。従って、安定性の面ではアメリカに代表される先進国に劣るでしょう。
そして結論は、まずは少額で投資してみる、が良いようです。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?