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PieceCHECK(2024-13) 3乗根と2重根号

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです。


【最新巻】『Principle Piece 数学A~図形の性質~』24/04/18販売開始!!

1つの問題から、多くの問題が出来るようになるための考え方・手法(原則:Principle)を出来る限り分かりやすく、そして詳しく言葉に落とし込んだ数学の問題集です。

単元自体を未習の方も、本シリーズで最初から体系的に高校数学を学べます。そして、学習後の到達レベルは「難関大入試合格最低点レベル」です!

今回の問題

YouTube動画をUPしました。2023年の自治医科大学から、2重根号と5次式の値に関する問題です。

思考時間は約5分、目標解答時間はそこから約10分です。

解説・原則など

前回に引き続き2重根号の問題です。前回は「簡単すぎる」と思った方もいるかもですが、今回の方はどうでしょうか。難しくなったかと思います。

数Ⅰの2重根号の原則ではなく、3乗根絡みの2重根号の原則に従います。

3乗根絡みの2重根号  → $${\bm{(a+b)^3=a^3+b^3+3ab(a+b)}}$$の変形利用

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学Ⅱ~複素数と方程式~』p.51

今回は$${\beta }$$に対し、共役である$${\sqrt[3]{7-5\sqrt{2}}=\alpha }$$を自分で持ち出すことでこの原則が使えます。自分で持ち出すところが難しめ。

すると上の原則により、$${\alpha +\beta }$$に関する3次方程式が作れるので、それを解くことで求められます。積はすでに分かっているので、解と係数の関係で、それぞれが単体で出せるというわけです。

$${\beta }$$が出ればあとは代入するだけですね。

解2は、直接3乗根を求めようという考え方。$${\beta =(a+b\sqrt{2})}$$の形だろうという仮定のもとで、3乗して比較し、それを満たす$${a,b}$$があればそれに決められます。$${a,b}$$に関する連立方程式を解きます。

この連立方程式が初見だと苦戦します。右辺の定数項以外が、すべて$${a,b}$$の3次式であることに着目して、定数項を消去することを考えます。すると同次式になり、こちらの原則が使えます。

同次式は比で置き換えて1文字減らす

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学Ⅱ~式と証明~』p.65

$${\frac{a}{b}=t}$$とすることで、$${t}$$に関する3次方程式となり、こちらも実数解が唯一1のみなので、これで$${a=b}$$となるので、元の式に入れればどちらも1と分かります。$${\beta =1+\sqrt{2}}$$と決まれば、あとは最初と同じ。

解3は汎用性は低いですが、本問であればこの方法が最速です。3乗根の方をキレイにしようと思うのが普通ですが、逆の発想で、根号の外にある$${\sqrt{2}-1}$$をあえて中に入れる代わりに3乗しようという考え方です。これにより、根号内がうまく計算できます。

1.解けた人・・・今後の勉強はじっくり演習をしましょう。

2.解けなくて原則を知っていた人・・・拙著『Principle Piece』シリーズで該当するページを熟読し(詳細が書いてあります)、入試演習用の問題集で思考時間を長くする演習をしましょう。

3.解けなくて原則も知らなかった人・・・原則集めからやる必要があります。拙著『Principle Piece』シリーズのような原則習得タイプの問題集で演習しましょう。

関連する拙著『Principle Piece』シリーズ

Principle Piece シリーズは、1つの問題から、多くの問題が出来るようになるための考え方・手法(原則:Principle)によって、「なぜその解法が思い浮かぶのか」「なぜ解答の1行目がそれになるのか」を意識して書き上げた参考書です。

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解答

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