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物件購入事例③:単身で資産としての「家」を購入されたセクシュアルマイノリティ当事者の方

「LGBT」はレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの略称で、セクシュアルマイノリティ全体の総称として使われることがあります。ただ、どうしてもその四つのジェンダー・セクシュアリティのあり方がイメージされやすいため、我々プリンセススクゥエアーでもHPの文言などでは、なるべく「LGBTs」と「s」をつけた表記にするよう気をつけています。

そんな「LGBT」にあてはまらないセクシュアルマイノリティ当事者である今将人さんの住宅購入事例をご紹介します。

これまでカップルの住宅購入事例を中心にお伝えしてきましたが、プリンセススクゥエアーでは単身者の住宅購入のサポートも得意としています。そんな単身の方の住宅購入事例としてもご覧いただけます。

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「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」にあてはまらない自分自身のあり方

──まずは、今さん自身のことを教えてください。

私は女性生まれですが、自分のことは女性とも男性とも思っていません。LGBTと言うと、セクシュアリティが4種類しかないような印象を与えてしまいますが、人のセクシュアリティはもっと多様です。私は、あえて言うなら、FTXトランスジェンダーで、ややノンセクシュアルでノンモノガミーです。ですから、LGBTという言葉をあまり使わず、自分のことは「セクシュアルマイノリティ当事者」と呼んでいます。

──いつ頃、そう感じるようになったのでしょう?

保育園の時です。先生に「自分の似顔絵のフチに色を塗りなさい」と言われたのですが、その時用意されていた絵の具は青とピンクだけでした。私は青が好きだったので、フチを青で塗って提出したら、男の子用のリボンを貼って返されたんです。「これ、リボンが違う」と先生に言ったら、「青だから男の子の絵だと思った」と答えられて、世の中には「自分が何を好きか」とは別に「女の子のもの」「男の子のもの」というカテゴリーがあると気付いたのが5歳のときでした。

小学生になると、当時ランドセルは赤か黒しかなくて赤を使っていたけど、周囲が自分を「女の子」と思って接することに違和感を持っていました。

──服装はどうしていたのでしょうか?

20代まではスポーツ刈りでダボっとした男性の服を着て胸を隠すために猫背にしてがに股で歩くようにしていました。
でも、「あの人は女?男?」とひそひそ言われるのが辛くて…。
30代になってから、自分は男性ではないのに、男性の格好をするのも無理があると感じ、髪も伸ばして女性の服装に全振りしました。世間的には通りやすいですしね。

──ご家族にはお話されたのでしょうか?

親には伝えていません。私の親は「子どもが公務員になって、公務員と結婚して、親の家の近くに住んでくれて、自分は孫の面倒をみる」という生活を夢見ていたけど、私は東京に出て自由に生きてきたわけで、さらにセクシュアルマイノリティだと話すのはちょっと難しくて・・・。

もうすぐ70歳になる親に話しても、理解できないかなと思いますしね。でも、弟妹には話しています。


マンション購入・離婚・転職……大きな人生の転機

──今回は、おひとりでマンションを購入されたのですね。

はい!実は10年ほど男性と結婚していて、つい最近、離婚したばかりなんです。

結婚した当時はお互いに好意があり、家庭を持ちました。お互い同意の上で性生活はなく、子どもを持つことも考えませんでした。もともと私は「女性だから」「男性だから」という理由で好きになるのではなく、人柄や話が合う方が重要です。それに、パートナーとの関係が一番大事とは思っていなくて、友人や趣味仲間、職場のメンバーなどの大切な人間関係の一つがパートナーとの関係なんです。

離婚の原因はいろいろあるのですが、「男女のカップルはこうあるべき」という社会通念になじめなかったのが、もっとも大きかったのかなと思います。

──それは大変でしたね。

また、私は障害者手帳を持っています。田舎育ちなので、自分がセクシュアルマイノリティだと話す相手がいなくて、10代から精神的に不安定で、25歳でうつ病の診断が下りました。

当時はセクシュアルマイノリティについて理解が広まっていなかったため、カウンセリングに通っても「自分を女性だと思えるように治療しましょう」というスタンス。そこにストレスを感じていました。

──お仕事は、今はどのような状況ですか?

これまで事務職で始めていましたが、マンションを買ったタイミングでやりたいと思っていたダイバーシティ関係に転職することができました。日本の企業では、障害者やセクシュアルマイノリティなどに関する理解が進んでいないと感じていて、1年くらい前からダイバーシティに関わる仕事をしたいと思っていたところ、ちょうどいい案件を紹介され、試験と面接を経て入社が決まりました。

マンションの購入・離婚・転職という、やりたいことが全て同時期に重なって、自分で流れを引き寄せたという自負もあります。


マンションをプリンセススクゥエアーで購入した理由

──なぜマンションを購入しようと思われたのでしょうか?

それはですね、離婚をするにあたって犬2匹を飼える物件を探している中で、自分の資産にしようということで購入を考え始めたからなんです。
自分の人生に自分で責任を取ろうと思ったとき、家を買うことは重要な選択でした。自分で稼いで自分ひとりで生きていける状況にした上で、友人やパートナー、職場など人間関係を充実させたいと思ったとき、持ち家にはすごくメリットがあると感じたのです。

ただ、私は社会的には「女性かつ障害者」なので、住宅ローンを組めないだろうと思っていました。ネットで検索して、たまたまプリンセスさんのホームページに派遣社員でも住宅を購入された方の事例が載っていて、問い合わせてみました。そしたら親身に話を聞いてくださって。私でもローンを組んでマンションを買うことができて、この家と犬のために頑張るぞというモチベーションも上がりました。
開放的でオシャレな部屋で立地も良くてとても気に入っています。

──今日はインタビューをありがとうございました。セクシュアルマイノリティの方のお話を聞いていると、普段から生きづらさを抱えていらっしゃると 感じています。私たちはそんな方々の人生を全力で応援したいと思っています。

そうやって自分事として考えて行動に移してくださって、本当にありがとうございます。
セクシュアルマイノリティの方は家族との関係がうまくいかず精神的に辛くなったり、会社の無理解に耐えられずに仕事を辞めてしまったりすることもあります。そういう当事者や周囲の人達が連帯して、これからの人生を考えていくことが大切だと考えています。

私は一般社団法人QUILTBAG’sサポートセンターの理事として、セクシュアルマイノリティを始め、困りごとのある方の支援をしています。性同一性障害特例法が制定される前に、性別を変えたらナイトワークで生きていくしかなかった世代の先輩たちが、いろいろな活動をしてくださったおかげで、この団体のスタッフである私たち世代はたくさん学ばせてもらっています。

そのバトンを下の世代に受け継いで「恩送り」をしていきたいです。家も買ったことですし、ますます頑張っていきますよ!

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今さんの事例、いかがでしたでしょうか?

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