守護の熱 第二章 第三十二話 帰郷(梶間視点)
二学期になって、あの件があってからは、俺は、坂城と二人で帰ることが多くなっていた。
「ねえ、今日さ、一緒に勉強しない?」
「えー、中村さんは?」
「ちょっと、風邪ひいちゃったって。でも、そんなに、いつも一緒じゃないよ」
「まあ、そうか。だよなぁ。何かある時は、一人ですっすく帰るもんな。誰よりも早く」
「えー、そうかなあ」
「そうだよ」
「えへへ」
「いいよ、どこでする?」
「俺んちでもいいよ」
「そうか、わかった。電話貸してよ、家に連絡するから」
「うん」
結局、帰り