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ソロ活

美術館はひとりで行きたいところのひとつである。
仮にチケットが2枚あったとしても中では別行動がしたい。
絵を見て感じることは人それぞれだし、近くで見るか、遠くで見るか、どの位置から見るかも人それぞれ。
しかも思いついたとしても会話はできない。

ダミアンハーストというイギリス人画家の桜の展覧会@国立新美術館。


異国の芸術家は、桜を描いて日本人の心をどこまで掴むのだろうか?


驚いたことがいくつかある。
・順路が決まっていない。
作品数が少ないせいもあるが、なんとなく歩いて、止まって、休んでもう一度戻ることもできる。出たくなったら出口に向かう。

・撮影自由。
動画や商用NGではあるが、気軽に絵の前でスマホいじれるのは、スマホさまさまで、私も自己満足なのだけど、ひとりでも楽しんだ気分を記録したくひたすら撮った。

・作品にタイトルがついていない
入場口に中の図面と作品のタイトルが書かれたプリントが一枚置かれてるだけ。作品のタイトルはプリントと照合する。

おそらく日本人の感性なら24の桜の絵画を想像力で鑑賞できる。
でも桜を知らない人、日本を知らない人にはただの(といっては失礼だけど)点描画にしか見えないかもしれない。
私たちは毎年桜を愛でるから、桜の色が一色ではないことを理解できるし、空の色や木々の色を想像で補える。
そして彼の作品はまるで帯や着物の柄にも通ずるような描写だった。テキスタイルのようでもあった。

そういえばいつのまにか、9月入学を進めるという話は立ち消えになった気がする。
やはり新年度は桜とともに…というのは感情的な話であって、都内だと卒業式の頃は桜は蕾で、入学式は桜吹雪というのが近年の有り様。
それでも3月4月の人生の節目は感情が動く時、桜が演出としてふさわしいのかもしれない。

そして、国立新美術館である。鑑賞後、ゆったり座れる場所が随所にあるのはありがたい。
高齢者が多い。都の縮図、日本の縮図。しかも余裕のある高齢者達である。羨ましくもある。
私もアートを楽しめる高齢者でありたい。

とはいえ、ここにずっといる必要もない。
少し六本木を歩いてみよう。
小腹も空いたことだし。
お昼はテイクアウトして、六本木ヒルズの
木陰のテーブルで。
これもひとりならでは。
誰かと一緒ならきっとカフェに入るだろう。 
コツはひとりでも堂々と過ごすこと、
そして美味しそうにたべること。
いや、美味しそう!ではなく正直美味しかった。
これまでおいなりさんは袋の中にご飯を詰めていた。
今日いただいたおいなりさんは巻いてある。女優さんが一口で食べられるようにとのことで。なるほどマスコミ関係や役者さん御用達なのだろう。

お腹も心も満たされた。

急に自分でも作りたくなった。おいなりさん。
子どもたちの運動会によく作っていたことを思い出す。
こういう時に思いつく。「得意料理は何?」と聞かれたら今度こそ「おいなりさん」と答えよう。

ひとりなら誰かと会話することはない。自分と会話する。心の中で。

今日の思い出は他の誰のものでもない、私だけの思い出。
帰りの電車、乃木坂駅では乃木坂46の曲が流れるのが良い。
聞いてたら電車に乗りそびれた。
気ままひとり旅である。


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