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重要: 勉強会でも出していた政府補償事業事案における対応方法の案内を少し修正します

本当は、ある東京地裁での判決の記事があるのですが・・・相応の内容のために、3週間以上時間掛かっているというのと、早めに出した記事が出ましたので、それを先に・・・

今回は 勉強会でもお話ししております、 自賠責保険が適用できない場合において発動することができる 政府補償事業について・・・

これまで 勉強会でお話ししていた内容 なのですが・・・
私の中でこれでいいはずだと思っていた対応に関しての注意点 なんですが、ある質問をいただいた際に
「 これはもう1回 確認をしておかないといけないのではないか?」
といったような、虫の予感がして 改めて、 関係各所や 国土交通省に対して確認したことがありますので、情報のアップデートとして 今回は投稿させていただきます。

① そもそもの 自賠責保険と政府補償事業とは?
② これまで 勉強会でご案内してきた、 対応方法
③ 改めて、 詳細・エビデンスまで含めて確認した内容を案内します

の3本でご案内します。 


① そもそもの 自賠責保険と政府補償事業とは?


自賠責保険は
・国が定めた、自動車運行の際には加入が必須な保険であり未加入の場合は
 罰せられる
・対人保険とし、他者への賠償が補償内容である
・自動車損害賠償保障法に則り、規定に沿って厳格な支払い基準が設定され
ている
などなど・・・皆さんも、どこかで研修があった場合に基礎的なことは 習得してるかと思います。


 ただ そんな自賠責保険があって、当然 補償されるはずですが、 自賠責保険が適用できない 交通事故もあります。

・ 自賠責保険が適用できない 交通事故である
・ そもそも自賠責保険に加入していない
・ ひき逃げ 等で、請求する先の自賠責保険が判明していない

請求する先の自賠責保険が確定されてなければどうしようもないという形になります。

 ただ、自賠責が使えません・・・ じゃあ 被害者は泣き寝入りするしかありません・・・ではいけないということで、 管轄する国土交通省において、 本来であれば 自賠責保険が適用されて被害者救済が行われるはずの交通事故においては、 政府として 対応する制度を作りました・・・

それが政府保障事業 というやつになります。

政府保証事業においては、なかなか知られていないことも多く、 いくつか 注意点があります。

 私が、 治療か 業界に 初めて 交通事故の知識をお伝えする展開になったのは、 今を去ること16年ほど前に、当時一番 展開されていた SNS の mixi において、 誤った政府保証事業事案に対する対応が記載されていたために、 修正のための投稿をしたことです。

 その投稿においては

「 当て逃げの患者さんが来たんだけれども、 その場合、 請求はどうしたらいいんだろう?」
という質問に
「患者さんが 償還払いで、国に対して補償事業で請求するので、院の方で設定した自賠責の料金にて 窓口精算すればいい」
という回答がありました。


つまり、 自由診療と同じ形で 対応し、 それが任意一括ではなくって 償還払いになってるだけだ・・・いう回答 趣旨になってました。

 この対応においては、 国土交通省のホームページにも記載されていますが、 間違っています。

政府補償事業で対応する場合においては、 健康保険の適用が大前提である・・・ 記載内容です。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/info/qa/security/answer12.html

(※ 実際にはもう少し柔らかな形で書いてますが、 実態としては適用されてない場合は 門前払いのごとく、健康保険を使用した前提での精算対応されるので、慌てて修正を被害者に伝えたケースを見ています)


 つまり、 間違った回答のまま 患者さんに健康保険より高い 自由診療 料金で請求をし、 後に償還払いで回収しようとしても、患者さんは健康保険分の治療費 しか 回収することができません。 

このような患者さんの不必要な負担の上で、我々の仕事上の収益が上がるのは、本末転倒なので、きちんと勉強すべきなのです・・・

しかしながら、先述した勉強会既受講の先生からの確認的質問において、私もアップデートを迫られるようになったのです。

② これまで 勉強会でご案内してきた、 対応方法

先生からの質問は
『ひき逃げされて、自分の人身傷害使う場合の最終的な着地地点は政府補償事業で、健康保険適用は絶対ですか?
それとも、交渉で下げて自費請求しても差し支えないんでしょうか??
また・・・保険会社の流れ的には、人傷で治療(健保併用で)して、最終的には、保険会社が請求する先が、相手方自賠責や任意保険会社じゃなくて国に請求するって流れであってますか?』

でした。
なんか嫌な予感がここでするのですね・・・
そう・・・先の項で出した、国土交通省からのQ&Aで気になることが・・・


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FBページから始まった「半ばブラックボックス化された交通事故対応方法」の医療従事者向け勉強会。 ・勉強会に足を運ぶことが、なかなか叶わない…

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