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「自賠責での料金」と「1個1,000円のオニギリ」を考える

交通事故の勉強会をしていると、いろんな意見を垣間見ることがあります。
意見と同時に質問されるのが、様々な保険会社との折衝に関する事象」の質問。

ここで私は「保険会社との折衝に関する事象」と表現をしていますが、多くの医療従事者サイドによる交通事故の云々を話す事においては、表現が違っているようです。

実は、今回の題材はここから始まってのことです。

さて、ではどのように表記されているかというと・・・
「保険会社とのトラブル」という表現が圧倒的です。
このトラブルという言葉の意味をググると、このような表現になっていました。

トラブル (英: trouble) とは、社会的な事故を指す。 いざこざ・もめ事・悶着・面倒・問題・紛争・障害などとも言われる。

との事でした。
なるほどなぁ~・・・大きな括りで「トラブル」という言葉をそのまま採用するならそのものかも知れません。

ただ・・・私が「医療従事者のための交通事故勉強会」を開催するキッカケにもなったし、その後のスキーム構築にも出来上がっている「よくある質問点」は
柔整師関係においては
・施術部位について
・施術部位数について
・施術期間について
・施術料金について
・施術への同意について

の5つが圧倒的です。

こういった質問の多くは、よくよく分析して見ると「交渉」における同意を得る過程においてに、キーポイントがあります。

そしてそれらは・・・果たしてトラブルなのか?と私は疑問に思ってしまう事もあるのです。

見える角度を変えればトラブル?確かに「いざこざ」「悶着」でもあるしな・・・

でも、保険会社や患者さんからすれば、このトラブルと表記している事って「医療従事者側の把握」と「トラブルと言うよりも交渉による(一過性も含めた)障害」
に見えることでもあるのです。

今回は
①ミソもクソも一緒?「トラブル」と「障害」の違いが整理されていない

②「○○」って、実は産まれた時からしているんですよね

③もしも「そのオニギリ1個1,000円ね」と、食べてから言われたら?そういうことが起きているんだよね・・・

④1個1,000円のオニギリを納得してもらうには?

の4つでお送りします。


①ミソもクソも一緒?「トラブル」と「障害」の違いが整理されていない

「交通事故患者さんの場合、自賠になるんですが、その際の保険会社とのトラブルは・・・」
こんな文章は、ググると同業からの発信で多々見受けられます。

その内容を拝見していると、この単元の題材のように「トラブル」と「障害」がゴチャゴチャになっている印象です。

実は、この「トラブル」と表現する捉え方が、多くの問題を増長させているのではないか?と考えています。

「保険会社が、○○と言ってきたんですよ・・・こんなトラブルがあるからイヤなんですよね」
・・・いやいや、ちょっと待とうよ。
それ、トラブルと捉えてはいけない場合がありますって。

例えばこんな例です。

「保険会社が、ある患者さんの件でTELしてきて「今回の事故は人身傷害を使いますので、健康保険を使っての対応をして頂きます」と言ってきたんですよ。健康保険を使う事自体が間違っているじゃないですか!こういうトラブルを巻き起こしてくるから・・・」

・・・いえ・・・これトラブルですか?トラブルと思い込んでいませんか?

この文言からはいくつかの医療従事者側の問題点が出て来ます。
勉強会でも・・・

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