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「もう面倒なのでいいです・・・」という患者からの訴えを分析する事は大事である

交通事故の事案では、面倒な事が起きます。

何が起きると限定するのは難しいのですが、いろんな面倒な事が起きるというのは医療従事者であるならば想像は容易かと思われます。

なにせ、どうしたら払われる認められるなどの情報は、悪用防止の観点もある事から明記されていない。

補償と違った賠償という観点もある事から、営利企業も絡む保険会社が間に入ることは「少しでも払わなくて良い要素を重箱の隅を突いて見つける」事が常套手段となっています。

そんなこんな
あんなこんな
・・・といった隅突きがくり返されると聞こえてくるようになる
「もう、面倒なので良いです・・・」

今回はここから見えてくる問題を提起します。

①「面倒なので・・」の伏線を作る、重箱の隅をつつくのはなんで?

②そこから次にあり得る患者の状態は?

③医療従事者が知らず知らすに「面倒」と思わせている状況とは?

④「面倒」が、医療従事者の業務に直接支障を与えてしまう事が、負のループに突入

で行きましょう。


①「面倒なので・・」の伏線を作る、重箱の隅をつつくのはなんで?

これは簡単です「払いたくない」から。
ですが、その解答だけですと学びがないので、ちょっと深掘りします。

交通事故損害賠償には、健康保険と違って支給基準というものがありません。
逆に基準を作ってしまうと、作為的にその症状を訴えれば方程式を埋めることで幾らでも請求出来てしまいます。

「痛いと言っていれば払われる」・・・こういった当たり屋的なのは、昔からいました。
極端に言えば、自動車が普及すればするほど当たり屋は増えてきたと言われるくらい。
現在では、昔と違ってテクノロジーもそうですが何よりも動画が簡単に撮れて確認が出来る・・・ドラレコもありますので、作為的かどうかも判別しやすい。

そして、自賠責保険にまつわるルールも制定されているので、きちんと支払いに関しては履歴も残り、輩はデータベースで分かるようになってます。

言っちゃ悪いですが・・・


ジバイをチョロめかして不正請求やって逮捕されるということは、この現代のテクノロジーを完全にバカにしすぎなのです。

今やAIも使用されるので、普段から提出している書類全てがそれに分析・精査されていると思った方が良いです。

記憶に新しい、昨年初頭に大量の逮捕があった、福岡の不正請求事件も「なぜ見抜けるか?」を考えると見えてくるモノがあります。

いつものセリフですが、交通事故での支払いの根源は「民法709条」で「相当因果の立証責任」が請求する側に課せられます。
逆に言えば「立証されないのは払わなくていい」と法律が宣言しているようなもんです。

保険会社はそれを最大限活用しているだけ。
そして「どうしたら払います」なんて絶対に言わない

そもそも、自賠責保険の適用を牛耳るのは自賠責損害調査事務所。
ここが「NO」なら払われない。
保険会社も立て替えておいて、後から自賠責保険という制度への請求になるので、その際に調査事務所のNOは避けなければならない。

ほら・・・医療従事者で多くありません?
「自賠責保険で払われないなら任意保険が払うだけなんだから、払え」と。
これ、良い感じの理解不足です。

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