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「一括対応出来ません」から、見えたものと得られたもの!?

少し前のお話になります。
とある事故になるのですが、先に状況を出してみます。

・事故受傷は6月末で、停止中に衝突され形態的には0:100の事故

・7月末時点で事故受傷してから1ヶ月経過するが、この時点で通院をしていない

・8月初め、ある接骨院の先生の所に顔見知りという事も有り、別件の自費にて施術を行う為に来院した際に「交通事故の施術を出来るのですか?」という相談をその際にされる

・勉強会既受講の先生なので「ウチでするなら保険会社にもちゃんと言って、病院で診察してもらった上で行う形になるから」と案内する

・奇跡的か・・・保険会社からOKをもらい通院する事となる

・しかし、この通院には条件が課されていた・・・

とまぁ、記事のネタとして期待を持って貰うには十二分なバックボーンとなりますが・・・
最終的には、任意一括請求対応不可になりました。

今回、この内容を紹介するのは、保険会社の言っていることに正当性が高く、患者さんも納得して引いて貰ったのですが・・・なかなか見受けられないパターンだったので、経験の共有と言う意味で紹介させて頂きます。

この勉強会既参加の先生曰く
「いやぁ・・・勉強会に参加してなかったら、自分・・・どんな対応しでかしていたか・・・下手して対応間違っていれば、逮捕ですからね。
これ、本当に普通の柔道整復師だと患者側の主張を盲目的に鵜呑みにして加勢しかねませんしね。勉強会でならったことを反すうしながら考えて回答していたことは間違っていませんでした」。

そう・・・私も「勉強していて良かったね~」という事案でした。
下手すれば、患者も柔整師も逮捕ですからね・・・。
さて、考察含めて事案をご案内します。

①なぜ1ヶ月の施術空白期間が起きたのか?患者の言い分と保険会社の実情を考える

②通院OKだけど条件付き?通常では無いその条件とは?

③通院をする上での柔道整復師からのアドバイス・・・その患者さんだけでは無い、踏まえなくてはならない実態

④施術開始後2週間・・・保険会社からの「任意一括対応不可」「費用もお支払い出来ません」今さらではあるが、何があった?

⑤最終的に行き着いた結論・・・患者は折れて費用は入金される・・その背景を木だけでは無く森を見て解説してみる

の5つのポイントで説明したいと思います。

①なぜ1ヶ月の施術空白期間が起きたのか?患者の言い分と保険会社の実情を考える

表上の規定では出ていないようですが、内規的には施術の空白期間はほぼ1ヶ月で「自動的に症状固定とみなす」となっており、強制的に「はい、しゅうりょ~」となってしまいます。

これは第3者から見ても真っ当に感じる事で
「具合が悪いんだったら、治療(施術)受けるよね?」
と言うモノです。

後遺障害等級の審査に至っては、3週間の治療空白期間がある事により労働の逸失性が認められなくて、被害等になった事例も過去に見ました。

今回の被害者においては
・年齢は成人しているが20代前半と若め

・事故後の保険会社からの連絡が殆ど無く、素っ気ない対応でもあったので聞きづらかった

・このままで通院して良いか分からず、辛いは辛いが1ヶ月が過ぎてしまった


と言ったことがあったようですが・・・

ではこの状態で、本人への特別な配慮はあるモノでしょうか?
答えは裁判しても無いでしょう。

どうしても、症状があって日常で困ったことがあった・・・という証明は、通院実績しかありません。

別途、感染症などにより隔離されていた・・・というのであれば、保健所からの証明でもって可能かも知れません。

この様に、本人の力ではどうしようも無い、致し方ない事情があれば・・・ですが、今回の程度では事情は加味されません。

繰り返しますが、症状があれば何かしらの通院はされるはず。
そもそもこれは「任意一括請求」という制度の悪い点の裏返しでもあります。

財布の紐を保険会社が持つようになる事でもあるので、被害者自身の自立心でもっての対応がされなくなることも多いのです。

なので司法判断も
「具合が悪かったら、自分で健康保険も使ってで行けるでしょう?別に健康保険は使えないと言う決まりは無いんだし・・」
となる可能性が高いのです。

他のコトでも解説していますが、世の中の精算は基本的には「償還払い」です。
逆に言えば、償還払いの良いところは「任意一括が無くとも、治療(施術)を受けるような事情があった」の証明の後押しになるのです。

なにせ、被害者にとっては償還払いは任意一括請求よりも大変だから。

小さめでもハードル越えたほうが説得力があるのです。

そして、この先の保険会社の実情ですが・・・これは私が保険代理店でもあるので、庇っている訳ではありません。

これ・・・想像以上に、保険会社担当が「手が回らない状況」であったかも知れません。
そのことにより、連絡も説明もおざなりになるようになってしまった・・・

以前は、担当の新規事案の割り振りは、最低でも週5件・・・1ヶ月20件と聞いていましたが・・・実際には、その何倍も・・・が実情のようです。

そんな最中であれば、被害者には気の毒ですが、連絡が回らなかったのかも知れません。

ここで「加害者側なんだから、誠心誠意の対応が当たりまえだろう!!」という憤慨が聞こえてきそうですが・・・これ、正確に言えば、保険会社は損害賠償上の責任のみを代位しているだけになり、罪まで被っているわけでもありません。

業務上の義務さえ遂行出来れば良い・・・という職務なので、誠意までは持ち合わせていませんし、義務も無いのです。

逆に、そんな見せかけの誠意をされても・・・というのが、私が思うことでもあります。

②通院OKだけど条件付き?通常では無いその条件とは?

そんな1ヶ月の空白があるのですが、奇跡的(?)とも言えるくらいに、治療・施術がOKされました。
しかし、その場合においてある条件が成されます。

それが・・・


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